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歯内療法日記: 2020年2月アーカイブ
上顎洞炎を併発した歯の根管治療⇒外科的歯内療法
- 2020年2月18日 09:04
- 歯内療法日記
お知らせ、スタッフが無事回復して来ましたので、通常業務に戻ります。
患者さんは30代女性
歯が痛く、総合病院に行ってCTを撮ると上顎洞に膿が溜まっているとのこと、
今は落ち着いているが歯が痛む日もある。
左上の歯は1年前に根管治療を行ったが治らず、
今の歯科医院では2本抜いてインプラント、または部分入れ歯という治療方針
何とか残せないものかとEEデンタルへ
レントゲン、CBCTを撮ると
かなり長いメタルポストが入っています。
これを除去するというのは、たぶん100人いたらの歯科医師全員嫌がりますし
確実に取れると言える先生は1~2人という感じではないでしょうか。
私も確実に取れるとは言えませんが。。。
ただ、取らないと根管治療出来ませんから、歯内療法専門医は意地でも除去はします〆(・Д・ )
というか、
前回治療した先生はその治療が最後だと思って土台を制作されたと思います。
*つまり除去を前提で治療はしていない
で、
2本の奥歯を根管治療
治療回数4回
第一大臼歯は前回の治療でオリジナルな根管とか違う所が削られており
一種のパフォ状態でしたのでMTAをチョイス
こういった人工的に根の先に穴が開けられ感染した歯の成功率は6割程度と言われ
通常の根管治療では治らないこともあります。
ですから、歯を残すためには根管治療は1回目の治療が重要です!
回が増すごとに治療難度は高くなり成功率も低くなります。
ただ、悪くなった人が最後に頼るのが歯内療法専門医ですから
いつも難しい歯の治療は普通に行っています。
で、
腫れや痛みがないことを確認して終了と思ったのですが・・・
治療から2年後 腫れてきたと連絡が
レントゲンとCTで判断すると、第一大臼歯に大きめの病変が。。。
やはり、根の先を壊された根に問題があるようで、
患者さんに外科的歯内療法で歯の保存をさせてもらうことに
外科後音沙汰なかったのですが、違う用件で来院され
心配だったのでレントゲンを撮らせてもらうとびっちり骨が出来上がってくれています!
これだけ骨が出来てくれていればしばらくはインプラントのお世話にならずにすみますね(  ̄▽ ̄)ノ
先日も初診の患者さんで根管治療のトラブルから色々あり病院に入院した。
「歯内療法専門医がいること自体知らなかったし、いるとも先生に教えられなかった」
という患者さんがおられましたが、
そうなんですよね、日本の歯科歯科医師は一人完結型の医療で正に「何でも屋」
頼ると言えば親知らずの「口腔外科」ぐらいでしょうか。
専門医でも必ず上手く行く訳ではありませんが、歯科医師の先生も
難しい根管治療は外部発注した方がいいと思いますよ。
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膿の出る前歯の根管治療
- 2020年2月12日 09:10
- 歯内療法日記
患者さんは20代男性
前歯から膿が出てくるのと鼻の下を抑えると痛い という主訴で近医から紹介されました。
*赤丸部分は膿
レントゲンを撮ると
子供の頃に外傷で神経の治療をしたようで、根未完成歯に問題があるようです。
隣の天然歯の水色の長さに対して当該歯は成長が止まりオレンジ色の長さ
根の先も大きく開いています。
今であれば小児のこのような歯に対しては「リバスキュラリゼーション」
http://eedental.jp/ee_diary/2016/02/post-1322.html
みたいな方法が第一選択になると思うのですが、
この状態であれば歯を残せるかどうかの瀬戸際
まだ若いし何とかして歯を残したい!
1回目の初診時に治療方針などの話をして、仮歯の型取りをして技工士に仮歯を発注
2回目に1回法にて根管治療+コア+仮歯を作りました。
根管内は不良肉芽で充満されており、GPは注水下で音波かけたらポロポロ簡単に取れました。
問題の不良肉芽は電気メスでバリバリ焼いて除去
これだけ根尖が開いていると事故が怖かったので、NCは希釈して4%以下にしました。
根尖は2mm近く開いていたので、徹底的な消毒の後にMTAで根管充填
え、サイナストラクト(フィステル)あるのに1回法!?
今回の歯は*クリアランスなどの問題などから時間をかけて1回法がベターだと判断
*仮歯も作るスペースがありません。
やるだけやって、ダメなら外科で介入する考え
仮歯を仮付けしたのですが、やはり支台歯が短いことクリアランスが不足していたという理由で
3日後には仮歯脱離・・・
で、その時の歯茎(写真のF設定を間違えました)
術後3日で既にサイナストラクトはほぼ消失しています!
今の日本のトレンドである
【根管治療は回数をかけ薬の交換をして治す】
とは違うスタイルです、
治す為のポイントは歯の中をどれだけ綺麗に出来るかです。
*薬の詰め方などはそこまで大きなファクターではないと感じています。
専門医が主に行っている今の消毒のトレンドは「貼薬(薬の交換)」ではなく
ある程度時間をかけた次亜塩素酸Na、EDTA、による超音波洗浄
*消毒液を歯の中に満たし超音波で汚れを削りながら同時に汚れを浮かして取ります。
また今回のような太い根管だとファイルなどは使えないので、
X-Pendファイルや超音波洗浄を多用します。
*Ni-Tiファイルなどは使用していません。
今回のケースも3か月後にレントゲンを撮り経過をみていきたいと思います!
追記:この後、また仮歯が外れてきましたが膿などは見られませんでした。
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