膿の出る前歯の根管治療
- 2020年2月12日 09:10
- 歯内療法日記
患者さんは20代男性
前歯から膿が出てくるのと鼻の下を抑えると痛い という主訴で近医から紹介されました。
*赤丸部分は膿
レントゲンを撮ると
子供の頃に外傷で神経の治療をしたようで、根未完成歯に問題があるようです。
隣の天然歯の水色の長さに対して当該歯は成長が止まりオレンジ色の長さ
根の先も大きく開いています。
今であれば小児のこのような歯に対しては「リバスキュラリゼーション」
http://eedental.jp/ee_diary/2016/02/post-1322.html
みたいな方法が第一選択になると思うのですが、
この状態であれば歯を残せるかどうかの瀬戸際
まだ若いし何とかして歯を残したい!
1回目の初診時に治療方針などの話をして、仮歯の型取りをして技工士に仮歯を発注
2回目に1回法にて根管治療+コア+仮歯を作りました。
根管内は不良肉芽で充満されており、GPは注水下で音波かけたらポロポロ簡単に取れました。
問題の不良肉芽は電気メスでバリバリ焼いて除去
これだけ根尖が開いていると事故が怖かったので、NCは希釈して4%以下にしました。
根尖は2mm近く開いていたので、徹底的な消毒の後にMTAで根管充填
え、サイナストラクト(フィステル)あるのに1回法!?
今回の歯は*クリアランスなどの問題などから時間をかけて1回法がベターだと判断
*仮歯も作るスペースがありません。
やるだけやって、ダメなら外科で介入する考え
仮歯を仮付けしたのですが、やはり支台歯が短いことクリアランスが不足していたという理由で
3日後には仮歯脱離・・・
で、その時の歯茎(写真のF設定を間違えました)
術後3日で既にサイナストラクトはほぼ消失しています!
今の日本のトレンドである
【根管治療は回数をかけ薬の交換をして治す】
とは違うスタイルです、
治す為のポイントは歯の中をどれだけ綺麗に出来るかです。
*薬の詰め方などはそこまで大きなファクターではないと感じています。
専門医が主に行っている今の消毒のトレンドは「貼薬(薬の交換)」ではなく
ある程度時間をかけた次亜塩素酸Na、EDTA、による超音波洗浄
*消毒液を歯の中に満たし超音波で汚れを削りながら同時に汚れを浮かして取ります。
また今回のような太い根管だとファイルなどは使えないので、
X-Pendファイルや超音波洗浄を多用します。
*Ni-Tiファイルなどは使用していません。
今回のケースも3か月後にレントゲンを撮り経過をみていきたいと思います!
追記:この後、また仮歯が外れてきましたが膿などは見られませんでした。
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