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歯内療法日記: 2025年12月アーカイブ
珍しい第2大臼歯の分割抜歯
- 2025年12月24日 09:00
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
残すところEEデンタルの診療も26日金曜までとなりました。
お休みは12月27日~1月5日までとなり、1月6日から通常診療となります。
今回は殆どやらない、出来ない第2大臼歯のトライセクション
第一・二大臼歯は3本の根に分かれており、1本の根が折れてもその折れた歯だけ抜く方法もあります。
ただ、第一大臼歯は3本が分かれているので分割しやすいのですが、第二大臼歯は三根が癒合(くっ付いて)しており分割が出来ない歯が多いです。
今回の患者さんは50代女性
全顎検査をさせて頂いた際に第2大臼歯の近心頬側根に病変が見られました。
根管治療をスタートさせると、病変のある近心頬側根にクラックがあり
ちょっとこれは保存不可能・・・
患者さんはオープンバイトの為、奥歯2本しか咬んでいなようなかみ合わせなので
それが原因になっているような感じがします。
ただ2本しか咬んでいないのでこの歯を抜くと凄く咬みにくくなる予感
抜いたら抜いたで次はインプラントしか方法はありません。。。
幸いCTで見るとこの第二大臼歯は根が開いており癒合していないので、
患者さんにトライセクション(分割抜歯)を提案
1回法で根管治療+分割抜歯
この後仮歯を入れ経過観察
たまに仮歯はとれてきましたが、1年2ヵ月経過し
問題無く使用出来ており、骨もしっかりできているので本歯を入れることに
ゴールドクラウンを入れさせてもらいました。
今の私は分割面をいかに滑沢に仕上げるか(抜歯のカット面含め)、またこの分割ラインにはマージンは付けていません。
側面(写真の設定を間違え見にくくてすみません^^;)
抜歯した部分は基本歯肉にくっ付けます。
*このダミー部分の下は磨かなくても殆ど問題になりません。
クラウン内面 分割した部分はメタル(金合金)です。
レントゲン
ゴールドクラウンSet
強く当てないように狙って咬合紙1枚抜ける感じで作りました。
基本的に抜歯はあまりしないのですが、こういうケースを年に5~6件ぐらい行うので
繊細に行う抜歯の練習はしないとな・・・と思います(笑)
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根管治療 太く削れば本当に治るのか!?
- 2025年12月20日 09:00
- 歯内療法日記
ある患者さんの左右第2大臼歯
左は根管治療途中で転院してきた際のレントゲン
右は天然歯:黒い線状の部分が神経
治療中の歯は天然歯の黒い線に比べが7~8倍ぐらい(黄色線)に太く削ってあります。。。
(治療をさせてもらうと削り過ぎていてパフォレーションもありました)
根管治療は歯を中を削って細菌を除去する治療ですが、ここまで削らないと治らないのでしょうか!?
と言うか、ここまで削っても治らないので転院されてきたのですが・・・
私も大学の頃、歯内療法科の先生にひたすら「削れ!削れ!」と教えられましたが、
今や根管治療のトレンドはあまり削らない根管治療にシフトしています。
(歯の中を削ることによる歯の弱体化・歯根破折リスクが上がっていまいます)
逆に言えば、ここまで削らないと細菌除去が出来ず治らないと思っている先生は必ずラバーダムして根管治療をしているんでしょうか!?
細菌を除去する為に削るのであれば、当然今より細菌が入らない状況下で治療をしないと患者さんの歯を削っているという整合性が取れません。
私が思う細菌の排除は極々基本の根管治療で、①虫歯除去→②隔壁→③ラバーダム→④切削(穿通・拡大)→⑤消毒→⑥根管充填or仮蓋
ただ、最近読んだ本では日本以外の殆どの国でも根管治療はラバーダムしない方が主流であり、ラバーダムを9割以上する先生は専門医ぐらいな感じです。
また今、日本のラバーダムしないというのは費用的な問題もかなり大きく、
アメリカの専門医の治療費は45万ぐらい(EEデンタルは17万+Tax)、日本の保険根管治療は1万円(窓口負担3000円)ぐらい
ですので、はっきり言って今の日本の状況では理想的な歯科医療(根管治療)と現実の歯科医療(根管治療)には差は出てしまって当然かと思います。
*正直このコストで治療している保険医の先生は現代の赤ひげ先生かと思います。
先日のニュースでも診療報酬本体3%引き上げとありましたが、昔から言われた「物価の優等生の卵」の価格が2倍になっているのに医療費は3%って・・・
財源がないのは分かりますが、病院の7割が赤字の現状でどうやって国民保険を維持さえていくのか!?
昨日治療させてもらった患者さん
咬合性外傷から歯髄炎になったと思われるケース
アマルガムを取ってその穴(3mm)から根管治療
術直後(レジン充填)
治療後レントゲンのガッタパーチャーを見て患者さんが
「先生はホント削らないね、普通はもっと回数かけてゴリゴリやって根管太くするんでしょ!?」
とかなり歯科関係者!?と思うぐらい詳しいことを質問されましたが、
実は上のレントゲンでも、今の最新の削らない治療よりは削っています(笑)
私は今の削らない根管治療はちょっと否定的で、抜髄であればテーパーを4~6度程度の形成を推奨されるのですが、それって根尖寄りまで洗浄液届くの!?と懐疑的です。
私は最低限プロテーパーゴールドのF1(テーパー約7度)を何往復もさせるのでテーパーは8度ぐらい、根尖は#25~#30に仕上げています。
ですから、細かく言えば最新コンセプトの削らない根管治療とは違います。。。(最新が最良とは限りませんからね)
保険治療が悪いということはありませんが、日本の場合は歯科治療費が安過ぎるのでホント仕方がない面は多々ありますし、患者さんからしたら安いことは良いことともとらえられますが、安い分あまり手間などをかけられない厳しい現実はあります。
本当に歯を残したい患者さんはこの事実を知っておいてください。
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矯正をした際に神経が死んでしまった
- 2025年12月17日 09:00
- 歯内療法日記
矯正治療のリスクのうちの1つ、神経の壊死
これはどうしても起こってしまう偶発症の1つです。
患者さんは50代男性
矯正治療をした際に神経がしんでしまい、根管治療をしたが歯茎からの膿が止らない。
何とか残せないか!?とのこと
レントゲン
かなり大きな根尖病変が見られます。
また以前の根管治療で相当根管を削ったようでこの状態だと最後の処置として外科的歯内療法
で保存治療を行うか!?
根尖病変は左上1にもかかっていますが、電気歯髄診査では左上1は生活反応があり神経は問題無いと考えました。
ただ、患者さんには左上2の治療を行い治らない場合は再診断をして左上1の治療も行う必要があるかもしれないと説明
外科的歯内療法
かなり大きな病変で真っ黒な黒い部分は唇側から口蓋側までトンネル状に骨が全くありませんでした。
矯正治療で神経が死んでもかなり放置しないとここまで大きく骨が溶けるなど考えられないのですが・・・
ただ側切歯は根尖病変ができると大きく骨が無くなるケースも多いので不思議ではない。
落ち着いた為か、外科後患者さんの来院がなく予後が分かりませんでしたが、
先日別件で来院されたのでレントゲンを撮りました。
腫れや症状などは一切ないそうです。
骨は出来てきてくれていますが、スルー&スルー部分の所の骨はまだ完全には骨は出来ていませんでした。
これは不完全治癒で成功に入れてもいいと思いますが、ここの骨が治るには更に時間が必要となります。
側切歯は予後の悪い歯になるので、もし歯を保存したければ早目に歯内療法専門医に相談した方がいいと思います。
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治療はまず診断力 その後技術力
- 2025年12月16日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性
右の頬から耳にかけて痛むことがあり歯科医院を受診した所
歯科が原因ではないので、耳鼻科を受診するように言われ耳鼻科に行き
ファイバーで副鼻腔を観察するも炎症症状はなく、その後精査でCTを撮るも問題無い
耳鼻科の先生は右上6の歯が原因になっているのでは!?と紹介状を書いて頂きEEデンタルへ
過去に腫れたりしたことはないし、右の鼻がだけが詰まるなどの鼻の症状もない。
レントゲンを撮ると
はっきり根尖病変写っているんですけど・・・
副鼻腔に問題無いとなると、まずこの歯の治療を行い症状の改善があるかみた方が良さそうです。
過去に抜髄をしているようですが、4根管中1根(口蓋根)しか治療していない感じ
治療は2回で仕上げました。
病変の原因と思われる、MB,MB2もガッタパーチャー使用
そこから、1年後
病変は殆ど無くなってきています
(他の歯科医院で治療をした際に仮歯を外したそうなんですが、縁下ににセメントが・・・)
ただ、9月から違和感というか痛みがでてきているそうで、温かい物冷たいもので痛みが出るそう。
先生も患者さんもこの歯を疑っているようなんですが・・・
基本的に冷・温痛が出るのであればそれは神経のある歯を疑うべき、つまりこの歯は神経を取っており
温度センサーを取っているのでまずは他の歯を疑うべきとお話させて頂きました。
歯科治療というのは診断あっての処置になります。
原因でない歯の治療を何十回行っても症状は落ち着いてくることはありません。
大切なのはまずは診断を正確にすることだと思います。
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大きな根尖病変 根管治療では治らず外科的歯内療法
- 2025年12月10日 09:00
- 歯内療法日記
の予後報告
患者さんは40代女性 富山県からわざわざ来院頂きました。
(通院が車で5時間って凄い!)
主訴の歯は左上6 2019年に矯正治療を行う際に根管治療を行った。
その後2022年ぐらいから頬を押すと違和感が出てきた後、一度腫れてきた為切開を行っている。
クリーニングには定期的に通っていたが、先生には膿(病変)が大きので抜歯しかないと言われた。
レントゲン
レントゲンに収まらないぐらい大きな根尖病変があります。(開業以来トップ5に入るぐらい大きな病変)
歯肉を見ると頬側にフィステル(膿の出口)があります。
検診で定期的に歯科医院に行っていたのにも関わらずここまで大きな根尖病変を見逃されていると・・・
とりあえず患者さんには歯を残す方向で治療をしましょうと説明し
①通常の根管治療を行う
②それでダメなら外科的歯内療法
の2段構えで行くと説明させてもらいました。
治療1回目 隔壁を行い人工物を除去まで行いました。
口蓋根は過去の治療でかなり削られておりパフォレーションギリギリでした。
穿通したものの根管内からは排膿は見られませんでした。
治療2・3回目
歯肉にあったフィステルは無くなったのですが、頬を押すと感じる違和感は消えず。
根管内も綺麗だし、根管内でやることないので根管充填材を詰めて様子を見ることに
治療4回目 根管充填+レジンコア+仮歯まで
根尖病変の輪郭部分にも骨のような所見が出てきており待てば治るパターンか!?
ここから経過観察を行いました。
1年近く経過良好だったのですが、1年1ヵ月経過した所で腫れてきてしまいました。。。
患者さんに説明を行い、外科的歯内療法を行う必要があるがCTで見ても原因の根が分からないので
もう少し待機診断をさせてもらい原因の根の断定をしてから外科介入すると説明
とりあえず抗生剤で今回は散らしました。
また腫れを感じるとのことで来院して頂いた時のレントゲン
レントゲンでは術前に比べ骨は出来てきている所見アリ
原因の根はMB根だと分かってきたので、ここで外科的歯内療法を行いました。
MB根をカットして逆根管充填
先日来院して頂くと
病変はかなり小さくなり、病変があった部分の副鼻腔の所見も戻ってきてくれています。
とりあえず、もう半年待って経過観察しましょうと説明させてもらいました。
大きな根尖病変ケース
抜いて治すことが手っ取り早いんで一般的ですが、今回のように残す治療も手間と時間をかければ可能ですよ!ということを言いたいです(>。<)
ホント遠方からの通院ありがとうございます。
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なかなか治らなかった根尖病変 最後は外科的歯内療法
- 2025年12月 5日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは60代女性
過去に右下7の根管治療からの非歯原性歯痛で治療をさせてもらった患者さん
左上の歯茎から膿が出てくるそう。
レントゲン
5本連結のブリッジの1本の歯に根尖病変が見られます。
連結歯が多くなるブリッジは1本に問題が起こると全て外してやり直しとなるのが嫌な所
患者さんにとりあえずブリッジを切断して1本だけクラウンを外して治療しましょうと提案
治療は2回で
各根根尖は石灰化していた為、開けられる所まで根管治療を行いました。
経過観察
膿もでなくなり、症状は全くないのですが病変にあまり改善傾向はない。
非歯原性歯痛の経験がある患者さんなので、できるだけ外科はしたくないとのこと
基本的に患者さんが嫌なら症状が出たりして悪化を感じるようになったら外科的歯内療法を行いましょうと説明しクラウンを1本だけ入れさせてもらいました。
そんなこんなで、症状もなく経過していたのですが、
2024年9月に2週間前に体調を崩してから腫れてきたとのこと
前に比べ少しン病変は大きくなっているような感じの為
外科的歯内療法を行うことになりました。
MB、DB根の2本の根の処置を行いました。
この前1年予後で来院してもらいました。
患者さん的には少し腫れぼったい感じはあるとのこと、ただレントゲン所見では骨は出来てきてくれており根尖病変は小さくなってきているように見えます。
とりあえず悪化はしていない為、このまま様子見となりました。
基本的に私はファーストチョイスで外科的歯内療法を選択することは稀ですが、
根管治療を行っても治らないような場合には外科的歯内療法を選択します。
また介入の時期もある程度は患者さん都合に合わせますが、膿が出たり腫れたりする場合は外科を勧めます。
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外部吸収
- 2025年12月 4日 09:00
- 歯内療法日記
どうする根の内部・外部吸収!? - EE DENTAL_Blog
大きな吸収があった歯
患者さんが別件で来院されたので、ついでにレントゲンを撮らせてもらいました。
丁度、術後6年経過した所になります。
つい最近も歯根吸収の患者さんが2名おられましたが、意外と歯根吸収って探すと起こっているものですね。。。
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