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歯髄壊死( necrosis Pulp)
- 2011年5月26日 09:38
- 歯内療法日記
7月無計画に勉強会入れていたら大変なことに気が付いた院長です(ー△ー;)
(波乗りシーズンなのに・・・)
最近気になった1症例を
・虫歯が大きく神経の近くまで治療を行った歯
・神経を残す治療を受けた歯
などは後で神経が死んでしまうことがあります。
*歯科医が残す努力をしても患者さんの体がそれを拒絶することがあります。悲しいですけど事実です(TT;)
この時「痛みを出す場合」もありますし、「痛みが出ない」まま神経が死んでしまい(歯髄壊死)フィステルが出来て来ることもあります。
で、このような歯に共通することは、
歯の中で『石灰化』が起こり神経の治療が行いにくくなることがあります。
石灰化 : 例えると、元々神経の穴が水道管のようにある大きさの直径だったものが、ストローの管のように急激に細くなることがあります。
*掃除をしようとした時、水道管のように道具が入る場所はいいですが、
ストローのように細い管の中を掃除するのは「特殊な器具」を用いないと不可能ですよね。
また掃除するのも大変ですよね。
話を戻します (・∀・)φ
神経が保存できても(神経が残っても)、
前回の治療で神経付近まで削った歯は石灰化を起こし、
神経管に道具が入りにくくなり治療が難しくなることがあります。
今回の歯も。。。( ;′Д`)
赤丸の部分は骨が無くなり膿が・・・
赤の点線部は神経管が細くなった部分
トンネル内に落石事故が起こった状態で道が崩れている(><;)
根管治療を行う際には別方向からもう1枚撮影して合計2枚のレントゲンで推測を立てるのですが・・・
2枚とも、
歯竜:「? 根管ないねぇ」 (・ω・;)
(この第一小臼歯は通常2本の神経管があるのですが、2本とも石灰化が起こっているようです)
こういった歯はどうするのか!?
・外科処置(抜歯)!?(p・Д・;)アセアセ
外科も1つだとは思いますが、まずは通法の根管治療ですね(・O・)σ
なんとか、2本の神経管の掃除ができました。
(2本の白い線が神経を取った部分です)
通常の根管治療に比べると非常に難易度が高くなってしまっていました。。。
膿が出ていた歯なのですが、今後しばらくは経過観察していきます 。
(骨が少し炎症で無くなっているから)
こういった石灰化起こした歯って最初のアプローチが非常に重要になると言うか、
最初に根管(神経)を触らせてもらえるので何とか処置ができます(p・Д・;)
(私見というか私のブログなので「私は」として読んでくださいね。)
逆に言うと他の先生が一度触った歯は傷が入ってしまっており、さらに難易度が上がっているので、このように根管形成ができない場合もあります。
0.06mmの超極細ファイル(特殊な神経を取る道具)
でギリギリ攻めれる根管に0.2mmの傷(レッジ)があると、それはもう大変です...(´Д`;)...
神経の治療は非常に繊細というか、
0.1mm以下の非常に細かい単位で仕事をしています(⌒_⌒;
*日常では『0.3mm』となると非常に小さな単位なのですが、こと根管治療においては0.3mmは大きな単位になります。
今回の歯も先端が0.06mmの#6から先端が0.15mmの#15、
後は、C+ファイル(←結構使える)でただひたすら
「チマチマ・ステップバック法」を繰り返して行ったのですが、一度歯の中に傷が入るとそこでジ・エンドな非常にスリルある治療(エンドドンティクスゲーム)でした(±∀±;)!!
0.06mmKファイル
⇒0.08mmKファイル
⇒0.10mmKファイル
⇒C+08ファイル
⇒0.15mmKファイル
⇒0・06mmKファイル に戻る
第一ステージは、
この繰り返しをただひたすら繰り返します。
無心で!(ー人ー)
今現在一番細い神経を取る道具というのが #6の0.06mm
ただこれ以上神経管が細くなられていると神経管の除去はそこまでとなります(><;)
生まれ持ってきた神経管が0.06mm以上に細くなっている場合はないので、治療後症状が出てしまった歯は積極的に神経を取るのも根管治療の成功率を上げるための1つのポイントになるかと思います。
神経は残した方がいいのは事実です!
ただ固執して悪くなった神経を保存するとこのように難しい治療になることも多々ありますので気を付けてくださいね(」゜ロ゜)」
しかし、今回の歯は穿通に時間がかかった。。。(*□*;)
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