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神経を残す⇒歯を残す(出来るだけ削らない)
- 2012年7月11日 13:53
- 歯内療法日記
ここ1〜2年自分でも神経の取り扱いが大分変ってきましたφ(ゝc_,・*)
「歯の神経を残されたい方へ注意事項」
http://eedental.jp/eeblog/2010/10/post-166.html
でも書かせてもらいましたが、大きな虫歯の神経の保存は両刃の剣で結構リスクのある治療です。
ですから、私は何でもかんでも神経の保存は行いません。(と言うかしちゃ駄目です(p・Д・;))
注意:基本的には顕微鏡で丁寧に削って神経を守る処置は最大限しますよ(笑)
ただ、取り扱いが難しいのが、神経付近まで削った虫歯治療
私の経験では虫歯が神経までは行っていないが、神経付近まで削った歯に関しては、
大体10〜15本に1本の割合で神経に症状が出てきます。(特に咬む負担の大きな大臼歯に出ています)
必ず治療後に顕微鏡の動画を見てもらい、虫歯が大きかったことを説明させてもいらい、症状が出てしまったら、「体の方が処置が違うよ」とサインを出した証拠だから神経を取りますとお話させてもらっています(´・ω・`;)
どんな症状・サインかと言うと、
「咬むと痛い」(´Д`;)
「たえず重い感じがする」(´Д`;)
「多少ズキズキする」(´Д`;)
「温かい物が凍みるようになった」(´Д`;)
「たえず違和感がある」(´Д`;)
最近はこのような症状が出た患者さんに関しては、話し合いをして直ぐに神経を取る処置に移行しています。
それは何故か!?(・ω・)ノ
「歯の神経を残されたい方へ注意事項」でも書きましたが、
神経が健康な状態と、神経が死んでしまった歯では成功率に10%の開きが出ると報告されています。
神経の健康な状態での根管治療:成功率90〜95%
神経が死んでしまった状態での根管治療:成功率80%
*歯内療法専門医のデーター
色々勉強して、行くと成功率の10%ってメチャクチャ大きな数字で、他の方法を用いてこの10%をリカバリーすることはまず不可能なのです。
(最新の薬剤・器具を使ってもせいぜい1%も上がればかなり良いと事なのです)
800万の顕微鏡を使用しても客観的に成功率が飛躍的に上がるとの報告はありません(*´Д`*)
(顕微鏡では根管治療の原因の細菌は見れませんのでね)
逆に言うと、根の成功率だけこだわれば、小さな虫歯の時点で積極的に神経を取った方が成功率は上がる訳です。
(しないけど)
なので、今の私の基準では神経の保存をして、
症状が出た歯に関しては感染が進行する前に早目に次の処置(抜髄)に移行します。
どうしても様子をみたいと言う患者さんに関しては1〜3ヶ月様子をみることはありますが、タイムリミットは3ヶ月と決めています。
3ヶ月もするとレントゲンのように根の先に黒い影が出始めます。
こうなったら、神経は元に戻る可能性は殆どなく・・・
神経の治療に速やかに移行した方が良い訳です。
そうなった場合、私は健康な歯が多く残っているような歯に関しては、
大体3〜3.5mmの穴があれば治療は治療できるようになりましたので必要最小限のアプローチを行います(・∀・)
教科書的には、「根管治療をする時は根管治療がしやすいように、痛みが出ないように大きく削りましょう」という流れですが、
ただ、大きく削ると、咬み合わせが変わる、被せ物にする必要があるなどの理由から私は最低限の削除量で治療を行います。
(*私の治療は日本の教科書的ではありません)
で、この穴から治療をしたら、この小さな穴をレジンにて封鎖します(*`・з・)ノ
虫歯が大きい歯に関しては、治療後症状を出してしまう歯がたまにあります。
そう言った歯に関しては今度は視点を変え、歯をなるべく抜かずに済むように速やかに根管治療に移行して歯の保存を目標にしています。
一昔前に比べるとこのあたりの見切りは自分でも早くなったと思います。
絶えず考えは変化させていますし、今出来る・考えられる最大限のことを行っています(^ω^ )/
歯の治療ってホント奥が深く難しいんですよ・・・
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