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難治性!? 2根管の犬歯の根管治療
- 2013年6月27日 09:29
- 歯内療法日記
根管治療をしていると何パーセントの割合かで難治性といって治りにくい歯があります。
これは細菌感染が歯の中に染み込んでしまった場合や、
イスムス、フィンなどの人間の道具では届かない場所に細菌が入り込んだりした場合などが上げられます。
ただ、治療している歯が感染中かどうかは治療していても分りません(´ω` )
治りの悪いものを「難治性」と名称を付けるにすぎませんが、これは術者の腕にもより発現割合が異なります。
根の治療が上手な先生であれば普通に治せるものも、
根の治療が得でない先生が治療をするとなかなか治らず「難治性」と名称を付けることもあります( ̄ー ̄;)
EEデンタルに根管治療中に転院してくる方の中にはなかなか歯が治らずに先生に
「難治性の為に抜歯です」や「この歯は折れています」
と歯根破折と言う病名をつけられていますが・・・
殆どの場合で難治性でもありませんし、折れてもいません(´-ω-`;)ゞ
今週も治療中に何度も、「先生折れていませんか?」
と尋ねられ、
「いや、全く折れていないので心配しなくていいですよ」(´・ω・`;)
と話をすると、
「先生私がなぜ心配しているかと言うと・・・」
「前の歯医者で顕微鏡で診てもらい破折しているから抜くしかない」
と言われたそうなのですが・・・
実際治療動画を見てもらい、
「先生これは!?」
「いや、それ破折線じゃなくてイスムス(溝)・・・」(´・ω・`;)
(なるほどイスムスと破折線を間違えた訳か。。。)
顕微鏡で拡大して歯を診ても術者により診断能力は異なります。
なので『顕微鏡がある=良い根管治療が受けれる』
と言う図式は出来ない訳ですo( ̄Д ̄o)
根の治療とは歯科治療の中でも非常に技術差・能力差のある分野であり、
選んだ先生によって今後の歯の寿命が変わる と言ってもよい治療です。
ですので、もし歯の神経を取らないといけなくなった場合は専門性の高い治療を受けられた方が歯が長く残る見込み出る訳です。
(特に初めて神経を取る『抜髄』に関しては大きな差が出ます)
また、一度細菌感染してしまった膿が貯まった歯などは、
人為的な問題も歯の中に起こされている時があり、1回目の根の治療より更に難しい治療となります。
また歯の中の神経というのは色々なパターンがあり、個々の患者さんで神経管の数や形態も様々に分れます。
例えば、犬歯などは大きな太い神経管が1本と大学で教えられますが、実は
上顎の犬歯の神経管が2本
下顎の犬歯の神経管が2本
人為的なパーフォレーションも存在しそこも修復しました
(少し被せ物に段差ありますが被せ物は当院ではありません^^;)
などの珍しいパターンも存在します。
レントゲンの2ケースとも1本の神経管の治療しかしていなかった為か感染を起こし大きく歯茎がはれてきてしまったケースです(´ヘ`;)
患者さんの歯のパターンが色々存在することが、根管治療の結果にバラつきを出てしまう1つの原因となる訳です。
歯を長く残したければ、
1、虫歯を作らない
2、虫歯を小さいうちにきちんと治療する
3、神経を取ることになったら1回目の治療が今後の運命を大きく左右する
4、神経が感染してしまったら、より専門的な治療を受ける
5、神経の治療後にはきちんとした段差のない詰め物・被せ物をする
(根管治療後の感染の有無は土台と被せ物がいかにきちんと出来ているかがポイントになります)
以上、今回は真面目に書いてみました(・∀・)v
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