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感染根管治療後の骨の治り方のスピードと「歯科医院選び」

歯の中に細菌が入り込み、悪さをし始めると歯を支えている骨にダメージが及び骨が溶けてきます。

やがて、徐々に症状が出始め、

・疲れると違和感が出てきたり、

・咬んだ後違和感が続く、

・疲れると重い感じがする、

・前歯だと鼻の辺りを抑えるとその部分だけ違和感がある

次第に

歯ぐきから膿が出たり風邪を引いて抵抗力が下がった際に大きく腫れたりすることもあります。

(*患者さんが気づけるのがこの時点)

  

この場合歯の中の細菌の駆除を行い、炎症を引かせます。

http://www.eedental.jp/endo.html  

が、一度溶けた骨はすぐには回復しません!

 

初診時に患者さんと話していると、治療後すぐに良くなるイメージを持たれていますが、

骨が溶けるには数年かかっていますので、治る時も数年かかり骨が出来ると思われた方がいいと思います。

 

今回のケースは40代男性、歯ぐきから膿が出る

術前時、歯根破折を疑うようなレントゲン所見

2017 EEdental UeY (1).jpg

*赤丸で囲んだ黒っぽい所が骨が溶けている部分です。 

 

根管治療を3回行い膿が止まったのを確認して根管充填
2017 EEdental UeY (2).jpg
   

3か月経過 腫れなどは出ていません

2017 EEdental UeY (3).jpg

*多少治癒傾向がでてきました。

  

治療後1年

2017 EEdental UeY (4).jpg

1年経過しても黒い影は残っています。

ただ、半分ぐらいに小さくはなっています。

   

治療後2年

2017 EEdental UeY (5).jpg

*ちょっと撮影角度がズレテいます(^^;) 

  

治療後4年

2017 EEdental UeY (6).jpg

だいぶ小さくなりましたが、うっすらと黒い部分があります。

ただし、患者さんは何ら違和感なく快適に咬めています。

  

この状況を失敗と見るか、成功と見るか非常に難しい症例です。

たぶん、他の先生が経過を見ずに1枚のレントゲンで判断すれば確実に失敗治療です。

ただ、術前から経過を見ている私からすれば再治療をするより待機診断をした方が良いという診断になります。

2017 EEdental UeY (7).jpg

 

 

歯科の現実に、

歯科は転院を繰り返すほど、余計な治療を行い歯が無くなります。

転院をすると、また新たな基準での治療スタートとなり同じ歯の治療を何度も繰り返します。

 

例えば、

A先生が80点の治療(←かなりハイスコアー)を行い

⇒多少気になるから転院

B先生が-20点の部分を指摘し「やり直しましょう」

⇒治療は終わったが、更に違和感・痛みが出てくるから転院

C先生に治療を見てもらう「これは50点だからやり直した方がいいね」

⇒治療しても治らないことを不審に思い治療中に転院

D先生「もう抜歯だね」

 

転院を繰り返す人の典型的パターンです。

 

ではどうすればいいのか!?

まずは『信頼できるかかりつけの先生を見つける』ことです。

また最高点を狙わないことです。(←ここ重要!)

 

歯科治療でコンスタントに70~80点が取れる先生は非常に上手な先生です(推測するに全体の2割ぐらいでしょうか)

95~100点コンスタントに取れるなんかミシュランレベルの三ツ星クラスですから全国に数件あればいい方でしょうね(←ネットでこういう歯科医院を探す人がドツボにハマります。そんな歯科医院探すより近所の歯科医院で歯磨き指導を定期的に受けた方が・・・)

 

特に歯内療法などは専門性で大きく結果が異なる治療

(保険治療の根管治療成功率は50%前後 専門医80~90%)

ですから、部分的にその歯だけ専門医を頼るのも1法です。


マニアックな話し短期予後は歯内療法に大きく依存

http://www.eedental.jp/endo.html 

長期予後(長期間安定した状態を保つこと)は支台築造・クラウンに大きく依存

http://www.eedental.jp/stayle.html 

*部屋の中をクリーニングしても雨漏りしてきたらすぐに汚れてしまいます。

ですから、土台と被せ物を精度よく緻密に作る必要があります。

 

+ 後は患者さんの歯磨きがどこまで上手に出来るか。 

  

 

歯の治療は突き詰めてもリペアの類ですし、小外科手術のようなものですから術後多少の違和感は残ることザラです。

また、歯の治療は何度も繰り返し同じ治療はできません。

 

はっきり言えば、

【接ぎ木・接ぎ木をして延命をさせているに過ぎません】

また、きちんと治療したら毎日きちんと歯磨きできないとすぐに駄目になります。

  

医科と異なり、歯科の治療基準は各歯科医院で大きくバラツキがでてきますし先生の得意分野でも大きく治療方針が異なります。

 

悪くなった自分の歯を長持ちさせたければ「保存科」「歯内療法」に力を入れている歯科医院

今ある健康な歯を長持ちさせたければ、「予防歯科」「歯周病科」でメンテナンス

歯を抜くことになれば、「口腔外科」

無くなった歯を自分の歯に近い状態で咬めるようにしたい「インプラント科」

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http://www.eedental.jp/treatment.html  

  

歯科も細分化されている時代ですから、全ての範囲に長けた先生は非常に少ないです。

ご自身にあった歯科医院を探すのは歯の寿命にも大きく影響しますからね!ヽ( ̄▽ ̄)ノ

 

 

以上、朝一の患者さんが電車が止まってしまいキャンセルになったので長文書いてみました。

(なんだかんだで一時間も書いているわ(゜д゜;))

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