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2025年6月アーカイブ

問題無かった歯に根尖病変

今回の患者さんも以前から診察させて頂いている30代女性

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適合の良いジルコニアクラウンが入っており、根尖病変もない状態でした。 

 

2023年のレントゲン

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2017年にくらべると口蓋根に根尖病変っぽい透過像が出てきました。

*定期的に診させてもらっている患者さんでしたし、今介入の必要はないと判断していました。 

  

先日連絡があり、クラウンが外れたとのこと

2025 EEdental FUR (3).jpg

レントゲンを撮ると更に透過像が大きくなってきている為に患者さんに根管治療からやり直した方がいいと説明

 

治療回数は2回

2025 EEdental FUR (4).jpg 

口蓋根にかなり深い場所までファイバーコアが入っていました。

またMB2も隠れた所から出てきました。

 

とりあえず、仮歯まで入れここから経過観察をしていきたいと思います。

 

今回MB2はハンドファイルなしでNi-Tiのみで穿通・形成しました。

最近MB2はこの方法で仕上げることが多くなってきています。

ただファイルの疲労が大きな方法になるので、使ったNi-Tiは廃棄になりコストのかかる方法ではありますが、この方法がラクで早い。従来の方法でやる時間の半分ぐらいなので、時間を買いその時間を消毒洗浄に回せ効率よく治療が行えます。

*ハンドファイル使うと、エンド三角が大きなMB2は根管上部にレッジを作りやすいのですが、Ni-Tiを使うことでエンド三角は簡単に削れていまい、早い段階で根管上部のストレートラインが作れます。  

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術後17年で起こった根尖病変

患者さんは私が開業してすぐぐらいから診させてもらっている40代の女性(当時は20代)

患歯は左下4、この歯は2008年に私がレジン充填した歯になります。

  

そこから4~5年おきぐらいに来てもらっており全顎検査で経過を見ていたのですが、

2025年のレントゲンで

2025 EEdental KKA (3).jpg

根尖病変が見られます。

 

あれ!?と思い過去のレントゲンでチェック

2025 EEdental KKA (1).jpg

2020年時は特に問題のあるような所見はありません。

全顎検査をしてもらっていると過去のレントゲンで経過をおえます。 

 

患者さんには神経が死んでしまっている為に根管治療が必要なことを説明し

1回法で根管治療をすることにしました。

2025 EEdental KKA (4).jpg

2mmぐらい穴を開けさせてもらってこの穴から根管治療

髄角とかの取り残しを防ぐためにはやはりこのぐらいの大きさのアクセスホールは必要になります。

治療時間1時間30分 

2025 EEdental KKA (5).jpg

根管治療+レジンコア+レジン充填

2025 EEdental KUK (6).jpg

たまに今回のように、勝手に神経が死んできてしまう歯はあります。

個人的には咬合性外傷のような気もしますが、はっきり原因は分かりません。

 

先に書いたように全顎検査で口の中のレントゲンデーターがあると、過去もふり返られますし急な痛みが出ても再初診で来る前に診断の手助けになります。

 

今回のケースまた半年後にレントゲンでチェックして行きたいと思います。 

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海外の患者さんの治療と日本の治療費

ありがたいことに海外からわざわざ治療しに来てもらっています。

  

先日メールがあり、現地(アメリカ)の歯科医院に行くと大きな虫歯があり、

神経を抜く必要が高いと神経保存出来てもクラウンになるとのこと 

レントゲンを送ってもらうと、かなり大きな虫歯が確認できました。

ただ症状は全くないとのこと

  

来院時のレントゲン

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かなり大きな虫歯が確認できます。

 

口腔内

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真ん中の歯に大きな虫歯がありますが、実際目で見ても全く虫歯のようには見えません。

*右下5は私が3年前にレジン充填を行いました。(その際はこのような大きな虫歯はなかったのですが・・・) 

症状のないことより患者さんに一度削って、覆髄出来そうなら神経保存を行うと説明

 

治療時間1時間30分

2025 EEdental HYU (3).jpg

0.1mmぐらい露髄しましたが、覆髄を行いレジン充填

*右下5の近心にも穴が開いておりレジン修復を行いました。

2025 EEdental HYU (4).jpg

  

メールでアメリカの治療費の詳細を見せてもらいましたが、

根管治療、レジンコア、セラミッククラウンで約40万弱

専門医でなくてもこのぐらいのコストがかかるようです。

 

先日歯チャンネルで、保険治療で大きなメタルコア除去が出来ないのか!?

みたいな質問ありましたが、治療費600円

除去バー1本200~300円を2本使って、麻酔もして・・・、はっきり言えば赤字 

これで、訴訟リスク抱えて行う行為がはたして正しいのか!?

  

ホント、保険治療費なんとかしないとどんどん抜いてインプラントという流れは無くならないと思います。

(安く治療が受けられるのは患者さん的にはありがたいと思いますが、安過ぎる治療費ではまともな治療は行えません)

 

今回の左下4の治療費

再初診代1万

覆髄代2.5万

レジン治療6.5万

大きく削らず、神経保存して、9万+Tax

個人的には神経保存ができるならこちらの方がベターだと思います。

海外の患者さんからすると治療費安い!? - EE DENTAL_Blog 

 

海外製品が主の日本では仕方がないんですが、もう材料費の値上げが当たり前のように続いております。

来年辺りにEEデンタルも治療費の改定を予定しております。 

税理士さんからの報告でも材料費が昔に比べ多くなってきているようなので、材料費の値上げ分を加味して考えたいと思います。 

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珍しく無くなった金属アレルギー

私が子どもの頃は花粉症などの言葉はありませんでしたが、今や時期になるとニュースでも花粉の飛散量などアナウンスがあります、

また食品アレルギーも増え、アレルギーというものが極々日常になってきてしまいました。

 

極端な話何の物質にもアレルギーは起りうるみたいな感じです。

 

思えば、金属アレルギーも私が歯科医師になった25年前に比べれば増えたなと感じます。

(昔なんか、イオン化傾向の小さい金、白金にはアレルギー出ないなど教えられましたが、今や金にも普通にアレルギーが出ています。。。)  

   

今回の患者さん60代女性、金属アレルギーがあるとのことでした。

主訴の部位の治療を終えた後に電話があり、銀歯が取れてしまったと連絡が、

口腔内

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虫歯も見られ、残っている歯は1/3ぐらい

レントゲン

2025 EEdental HOM (1).jpg

虫歯はありますが、まだ神経が死んだような所見は無い

  

ちょっと前に対合歯の左下7は歯根破折の為抜歯していたので、

「一度レジンで詰めてみましょうか!?」と提案

治療時間1時間30分 

2025 EEdental HOM (4).jpg

レントゲン

2025 EEdental HOM (3).jpg

神経部分が透けていたので、覆髄も行いました。 

  

この後、レジンが外れなければいいのですが・・・

外れてしまったらその時はセラミッククラウンにします。

 

個人的には金属アレルギーさえなければ金属は良い材料だと思いますが、

最近のトレンドは金属はなるべく使わない方向になってきていますが、かと言って良い材料出てきたか!?と言われれば微妙な材料ばかり・・・

誰かいい材料開発してくれませんかね、たぶん市場規模はかなり大きいので日本の中小企業辺りに頑張ってもらいたいです(・ω・)ノ 

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1年寝かした大きな虫歯

患者さんは50代男性

左上の外科的歯内療法を行いました。

2025 EEdental HIK (0).jpg 

外科を行った場所も綺麗に治ってきてくれています。

  

その際に右上7に大きな虫歯があることは話していました。 

2025 EEdental HIK (2).jpg

  

今年に入り電話があり、治療したいとのこと

レントゲン上では、あれだけ大きな虫歯でいつ大きな痛みが出ても不思議ではなのですが

本人は痛みもなく自覚症状も一切ない。 

虚空内

2025 EEdental HIK (1).jpg

歯と歯の間に大きな虫歯がありますが、たぶん一般の方では全く分からないと思います。 

 

2025年に来院された際のレントゲン

2025 EEdental HIK (3).jpg

なんとなく少し大きくなったかな!?

この大きさだと神経を取ってもおかしくない大きさ・・・

 

患者さんに説明を行い、一度神経保存⇒大きな症状がでたら後で抜髄(神経を取る) 

2025 EEdental HIK (4).jpg 

覆髄を行いレジン充填で仕上げました。 

 

2025 EEdental HIK (5).jpg

この後は症状次第で、抜髄をするか決めて行きます。

  

口の中の疾患の多くは慢性疾患なので、1週間、2週間を争う必要は全くありませんが、

大きな虫歯に関しては半年以上開けると、神経を取るリスクが大きくなるので大きな虫歯に関しては早目に治療をした方がいいと個人的には思います。 

 

最近、大きな虫歯の保存治療を沢山していますが、ホント通常の虫歯治療に比べ大変です(>。<)

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開業当時に抜髄した歯の再根管治療

こちらの続き

開業して行った根管治療のやり直し - EE DENTAL_Blog

 

私が2008年に抜髄した歯に根尖病変が出来てしまいました。 

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14~15年問題無かった歯に根尖病変ができ、今予想できるのは黄色矢印からのコロナルリケージ(細菌進入) 

  

治療回数2回 

2025 EEdental OKK (2).jpg

根管充填+レジンコア+仮歯

 

経過観察

2025 EEdental OKK (3).jpg

根尖病変は綺麗に治ってきてくれています。

 

ここ10年で変えたのは、レジンコアのスタート位置を根管口内からにしたこと

赤線が昔のレジンコアスタート位置、黄色線が今のレジンコアスタート位置

これのメリットは①接着力の向上、②歯頚部付近からのコロナルリケージ対策 になります。

 

ようやくクラウンまで入りました。

2025 EEdental OKK (4).jpg

 1本の歯でも長期で持たせるには非常に大変です。

 

自分が思う予後因子は、患者さんの歯磨き能力、夜間の歯ぎしり含めた咬合力

この2つのコントロールをしない限り、人間が治した歯(人工物)などは長期にわたって安定しないと思っています。

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歯科保存専門医

現在、国が専門医制度を作っているようで、

歯科保存学会認定医・専門医、歯内療法学会専門医が対象で「歯科保存専門医」に移行していくようですが送られてくる情報がメールでの文字データーで何をどうすればいいのか!?が全く分かっていません。

このライセンスを取るにはまた講習を受けたり、テストを受けたりしていく必要はあるようなのですが、個人的にはぶっちゃけ、ライセンスはもういいかなと思っています(笑)

  

専門医というものがあれば、それだけで他の歯科医院とは違い先生は○○という分野が得意と標榜できますし、歯科医院経営をする為には大きな武器になります。

  

ただ残りの人生考えた時に70歳まで生きたとして、後20年

この仕事は頑張っても後15年ぐらい、また仕事人間ではないこと、仕事にこれ以上時間を奪われたくないという感じではあります。(仕事の情熱を下げないように週休3日でやっています)

この年齢になると、周りの人たちが亡くなっていくのを見ていてそう思うようになりました。

幸い今歯科医院経営はうまく行っており、残りの人生考えた時にわざわざ時間割いてライセンス取ることにどれほどの意味が!?とも思い始めています。

  

たまたま顕微鏡歯科学会の認定医更新の連絡が来て登録が

登録年月日:2010年1月30日

となっており偶然15年前   

歯科医師人生も後半戦というのをひしひし感じます。。。  

 

将来的には「歯内療法専門医」という表現も出来なくなるようなことは聞いています。

今回、保存学会と歯内療法学会が「歯科保存専門医」となる訳ですが保存専門医の先生の何割がマイクロ使って外科的歯内療法出来るんでしょうかね!?(笑)

私の勝手なイメージですが、保存の先生ってマイクロ(8~30倍)ではなくルーペ(3~5倍の拡大鏡)を主で使っている先生が多いイメージもあります。

逆に言えば外科的歯内療法などは顕微鏡学会の認定医の方が出来る先生多いんじゃないかな!?とも思います。

    

私が30代ならライセンスを取得しに行ったと思いますが、もう50歳ですからね

ライセンスへの興味も相当薄れていますし、来てもらった患者さんの歯1本ずつ丁寧に仕上げる方がよっぽど意味ある時間になるだろうと思います(>。<)

 

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