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歯内療法日記: 2011年6月アーカイブ

根管治療専門医『親知らずの悪影響 抜髄からレジン充填』

親知らず、ありますか!?

 

現代人は親知らず抜いておいた方が良い場合が多いです。

 

無理な場所に生えていることが多いので、

親知らずを残したが為に手前の第2大臼歯を虫歯にしてしまう

ことが多々あります(゚Д゚≡゚Д゚)

mae.jpg  CI9.jpg

 赤丸の部分は親知らずの影響で歯ぐきの下にまで虫歯が。。。

 

 

これどのように治療計画をたてるか!?φ(・ω・ )

教科書的に言えば、

A案

1、親知らずの抜歯

2、第2大臼歯の抜髄

3、第2大臼歯のクラウン(銀歯)orアンレー(部分的な銀歯)

 

とたぶん90%の歯科医師が治療計画を立てると思います。

 

他の10%とは!?

 

B案

1、親知らずの虫歯処置

2、第2大臼歯の抜髄

3、第2大臼歯のクラウン(銀歯)orアンレー(部分的な銀歯)

 

たぶん、この治療計画が8%ぐらい(適当な数字)

 

残り2%

 

C案

1、親知らず、第2大臼歯抜歯

2、第2大臼歯のインプラント

 

が1.8%(適当な数字)

 

 

で、残り0.2%とは・・・

 

D案 

1、親知らずの抜歯

2、第2大臼歯の抜髄

3、第2大臼歯のレジン充填(プラスチック)

 

当然、すき間産業のEEデンタルは、この0.2%の治療法を選択!

 

 

最初近くの口腔外科(成田記念病院 口腔外科)で抜歯をして頂き、

抜歯後10日のまだ親知らずの穴が開いている時に、第2大臼歯の虫歯の治療スタート

 

まずは普通にレジン充填をします。(あんまり普通じゃないけど(_ _)) 

naka.jpg 虫歯をきちんと取ると神経まで虫歯が達していました。。。

 

 

 

この後、

もう一度歯の上から穴(3.5mm)を開けて根管治療を行います。

(歯の横からのアプローチ1と縦からのアプローチ2)

3.jpg 

手間をかけて健康な歯を残す! (・ω・ )

(歯科医の先生が見ると、何でまたわざわざと思われるかもしれませんが・・・)

 

 

レントゲン(術前・術中・術後)

zenntai.jpg

 

 

術後の説明を

ato.jpg水色の部分が全てレジン

 (殆どに見えますが(  ゚ ▽ ゚ ;))

 

 

 

見える部分のエナメル質は全て健康な歯で保存、

中の方は殆どレジンに置き換わっています。

 

zyuten.jpg充填後の 写真

【説明】

卵を大きく割らないように底に小さな穴を開け

中の白身・黄身を取り出し、殻の中にプラスチックを流し込む治療を行う。 

 

 

 

 

 

1本の歯の

「地味〜ぃ」な症例でした!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実を言うと、この歯の近心根は、

非常に珍しい(発生率数%)近心根3本の神経管でした。

3konn.jpg数%の確率の歯を

0.2%の治療法で(笑)

 

 

 

 

 

まさに『隙間産業』。。。(; ̄Д ̄)

  

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根管治療専門医 『大きな病変の根管治療』

以前ブログで書いた、

『感染根管後 骨が出来ていく!!』

 

の続編

2byouhenn.jpg

説明

レントゲン左の真ん中辺りに黒い丸が見えますか!?

実は、この部分は白っぽい状態が本来の状態なんですが・・・

 

歯の中の細菌により人差し指の第一関節ぐらい骨が溶けて無くなってしまっています

 

そんなことって・・・

 

 

 

あるんです!

(上のレントゲンがCGじゃなく、事実ですから(p・Д・;))

 

 

レントゲンを見てもらうと、右のレントゲンに行くにしたがい徐々に黒い面積が減ってきています!!

 

 

 

すなわち!

 

少しずつ骨が出来てきている!d(・ω・ )

 

 

もう後1年もすれば 

更に骨の密度も上がって行きます!v( ・ω・) 

と思います。(と小さく書く。。。)

 

 

 

たまたま上手く行きましたが、

「根の病変が大きい=即抜歯」ではないですからね。

 

ある先生にレントゲン見てもらった所、

「これだけ病変大きくても治るんだね!」と

 

 

まずは根管治療をしてみましょう

今回の歯のように治る時もありますからね(・∀・)ノ゛

 

 

それと、ここまで問題が大きくなるのは必ず神経を取った歯ですから、

神経を取らないように早目の治療を心がけてくださいね!(>Д<;)ゝ"了解!

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意外と多い下顎の2根管

 一応スライドにしようかなと思っているネタを『一席』m(_ _)m

 

前歯・小臼歯の 下の歯の神経管は1本と考えられがちですが、

意外と2本目が多く存在します。

(ホント意外に多くあります)

 

また、この2本目の処置が出来ていなかった為に『病変』が出来てしまっているモノも存在します(´ω`。)

 

例えば、

byouhenn.jpg byouhenn (1).jpg

 

①切歯、②犬歯、③第一小臼歯 全て2根管です。

赤丸の部分が病変(膿の袋)

この複根データーを調べてみると、

愛知学院の実習帳で、

下顎 切歯: 中切歯:11% 側切歯34%   

    犬歯: 稀に2根管

    小臼歯:15%(第一小臼歯に多発

 *2根管は中切歯より圧平度が強い側切歯に多く出るようです。

 *中心結節第二小臼歯に多くでます。

 これ

ketusetu.jpg

 

尊敬する小林先生の本で、

下顎 切歯:30.6%

    犬歯:13.5%

    小臼歯:11%

 

となっています。

 

習う分には暗記すればいいのですが、治療になると非常に見つけずらく治療が難しいのが下の歯の複根管(2根管目)です。

 

ではこれらを見つけるには何が有効なのか!?

レントゲン(正放線・偏心投影)

マイクロスコープ

CT

の順で必要になるかと私は思います。

(バリバリ私見ですからね、また個人的には複根でCT撮ったことはないです^^;)

 

製作中の『CTってよく分る! ・・・時がある』も講演スライドにします!

 

 

では歯の中はどんな風に見えるのか!?

 

動画

 

レントゲン症例

30%ぐらいで見られる:前歯の複根

kagaku1.jpg kagaku1 (1).jpg 

 

 

10%ぐらいで見られる:犬歯の複根

kagaku3.jpg kagaku3 (1).jpg 

+パフォレーションリペア(MTA)

 

15%ぐらいで見られる:小臼歯の副根管

  kagaku4a.jpg kagaku4.jpg

 

ただし、小臼歯関しての枝分かれは近遠心に分れている場合と頬舌側に分れている場合の2パターンがあります。

近遠心に分岐:27.0%

頬舌側に分岐:67.5%

と頬舌側に分岐するパターンが多いとの報告もありますので、このケースは正面からのレントゲンの他、もう1枚近心投影すると、

kagaku4.jpg

左下のレントゲンで見ると1本のように見えますが、

右下のように角度を変えて撮ってみると2本の神経管が見えます。

 

と言うスライドを作ろうかなと思っています!

 

 

 

 

 

 

 

 

未だにスライド枚数ゼロですけど(TωT)

  

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下顎7番(第二大臼歯)の癒合歯

根管治療をしていると神経管が特殊な歯がたまにあります。

バリエーションが多い

 ・上顎2番 

  ・上・下顎7番

  

下顎の7番は他の歯に比べると比較的多くのケースで特殊な歯の形が見られます。

 

ええっと、

下顎の7番とは下あごの一番奥の歯です。

(親知らずはカウントしないで( ^-^))


一般的には日本人の2〜3割が持つ「樋状根」と言う歯が有名なのですが、

今回は7番に小さな歯(臼傍歯 )が合体した「癒合歯」を取り上げます!(`ゝд・)

yugousi 1.jpg

 一番右の歯です!

 

似たような形で「癒着歯」と言うものもありますが、

2つの違いは2本の歯が軽く接している物を『癒着歯』(ゆちゃくし)

一方がっつり神経までくっ付いているものを『癒合歯』(ゆごうし)と言います(*^ー゚)b

 

今回は歯髄までがっつりくっ付いていたので「癒合歯」になります。



  

 

患者さんは海外で虫歯治療を受けられたのですが、不幸にも神経が死んでしまってました。(歯科治療にはどうしてもたまに起こってしまう偶発症です)

術前時、非常に上手なレジン充填がしてありました!ヾ(^ω^ )


 

動画の詳しい説明

まず小さな歯の横の面(頬側)にレジンが充填してあったのでこの部分から除去、すると膿がダクダク出てきました。(0:20過ぎ)

歯を押しても膿が出たり引いたり・・・(((((( ;゚Д゚)))))


 

まず虫歯を取り、もう一度レジンで壁を作ります(1:05辺り)

フロアブルレジン(液体状のプラスチック)を何回かに分け詰めていきます。

この時最終的な形を考え丸みのある本物らしいラインを目指します( °o°)


針金の先から液体状のプラスチックが出てきますが、針金の細さは0.4mm程度です。


1:36 ラバーダムをしていよいよ歯の中の掃除に!!

1:47 今回は奇経歯と言うことで一応術前にCT撮影を行い根管の位置は術前に把握しているのですが・・・

思った以上に難しい根管のようで、また患者さんは小さな女性で口も大きく開けられないので(2横指ちょっと)ヽ(・_・;)


口が開きにくい患者さんの治療は難しい。。。


1:55 もう少し削ることにしました。

と言っても0.4mm程度ですが^^;


2:20 神経管の数は3本でした。

 

 

2:37 通法通り根管充填終了!!


 

2;53 その後コア用レジンを詰めて行きます


 

3:16 土台のレジンの色(真っ白)を消す為にオペーク色のレジンを詰めます。

下地の色を消して歯の色っぽくしていきます。


3:32 レジン充填終了( ´∀`)ノ゛


 

 

6カ月後骨が大分回復してきてくれました。

 

 

 

めでたしめでたし(。ˇε ˇ。 )

 

 

 

 
でも! 

yugousi.jpg

 


 

神経を取った後は被せる治療方法しか治療オプションが無かったら。。。

 

これどう補綴するか・・・

これも最初に考えなければならない問題の1つではありました( ´Д`;)


これ被せ物作れないでしょう・・・

 



被せ物が想像出来ない(>д< )


 

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外科的歯内療法(根切)のその後

 以前、3本再外科処置させてもらった患者さんのその後、

http://eedental.jp/eeblog/2010/01/post-38.html

 

分りやすく病変部分を赤丸

zentai.jpg たぶん、プロの方(歯科医師)には見にくいと思いますのでこちらを

konsetu.jpg 

 全体的に大分骨が出来てきてくれてどやら3本とも成功の方向に進んでくれています。

一番右のレントゲンの1年4ヶ月後(すみません中途半端な期間で・・・)

 

前に歯内療法専門医の吉岡先生に1年予後のレントゲン見てもらった時には

『不完全治癒と分類されます』
とのことでした。

 

たまたま先日来院されたのでレントゲンを撮らせてもらったのが1年4ヶ月後

「!?」

1年予後のレントゲンからまた少し骨が出来てきて・・・

 

ん〜、一般の方は分りにくいですね。

どこを見ればいいのか!?

 

kakudai (1).jpg 

赤の点線部 

すこしずつグレーの面積が増えて行っているの分りますか!?

逆に黒い部分が減っていっているのがわかりますか!?

 

この灰色の部分は骨になり、黒い部分は骨がない部分になります。

ですから、灰色の部分が増え、黒い部分が減るのは良い方向へ治癒して行っているというこのなので(`・ω・´)v

 

この部分は頬側から口蓋側まで骨が無くなっていた部分で、スルー&スルーの状態でした。

 

えっと、(;・∀・)

簡単に言うと、唇側から舌(ベロ)側まで全く骨のなく貫通していた状態でした。

 (分厚いはずの骨に穴が空いていると思って下さい)

 

ケースによっては人工骨(凍結乾燥骨)やバイオスを入れたりGBRをする訳ですが。

 

えっと、(;・∀・)

簡単に言うと処理された他人の骨や牛の骨、また人工の膜などを入れて人工的な骨を作る手術をすること

 

なんですが、

 

すみません、GBR出来ません!(;・∀・)

 

 

 でも人工骨入れてもレントゲン上で上手く行ったように術直後見えるだけで、成功率には全く関係ありません(;゜○゜)

根の処理がうまく行っていなければ、入れた骨も感染してしまい結局は膿が出てきます。

 

個人的にはきちんと根の先の処理を行えばいいかなと思っています(;☆ω☆)

 

口腔外科の友人もわざわざ感染源になるかもしれない人工物(人工骨、膜)は入れない方がいいと話していました(;・д・)

 

 

 

 

今回の歯、もう少し経過を診て行きたいと思います+.(・∀・).+

   

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MM根(ミドル・メジアル) (抜髄根管)

月曜に、講演のネタを貰いに愛知学院大学へ行っていたのですが、

 

山口先生

すみません、1回しか見つけたことないと話していたのですが・・・

 

開業以来2本目のMM根を見つけてしまいました( ̄ω ̄A)

*MM根:Middle Mesial (ミドル メジアル )

MMkon1.jpg

患歯は左下7(親知らずの影響で大きな虫歯が出来てしまっています)

 

頻度的にそんなに多くはないのですが、年にあっても1本のMM根

MMkon.jpg

3つ白い点があるの分りますかね!?

本来ここの神経管は2本なんですが、極々稀に3本目があります。

(真ん中の白い点がMM根)

 

*「MM根」の説明はこちら

http://eedental.jp/eeblog/2009/12/post-27.html

 

ただ、ここの場所あまり太く削り過ぎると歯に穴を開けたり、

歯の強度を弱くしたりするので今回は少し控えめに削りました。

(#25 0.06テーパーまで 他のMB,DBはプロテーパーF2まで)

 

珍しいと言えば「MB3」とか

http://eedental.jp/eeblog/2011/01/post-230.html

 

あまりないですけど、全部の歯で一応ないかはチェックしにに行きます(^―^)

 

 

 

(「MM根」や「MB3根」あると、あったでたぶんニヤついて治療していると思います(^m^ ))

 

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ファイル破折の連続記録が・・・

ここ最近と言うか、

ここ2年ちょっとニッケル・チタンファイル珍しく1本も折っていなかったのですが、

とうとう今日ファイルを折ってしまいました。。。(><;)

 

前回の治療の際に、

前の先生が大きな湾曲点でレッジ(歯の中の傷)を作っていたのが分っていたので、

カルテに

「次回拡大時、根管形成に気を付ける!」と注意文を自分で書いていたのに。。。

 

fwairu hasetu.jpg

 

書いていたのに折ってしまいました(´_`。)

 

 

使用していたファイルはプロテーパーF2 

しかもあまり使っていない新品に近いファイル。。。

今改めて見ると柄の方も多少歪んでいますね。

 

今回のファイルはスクリューイング現象や、クリッキング音など全くなしに折れました・・・(・ω・、)

 

「?」

でも折れた2mmのファイルがなぜあるのか!?( ゚ω゚) ハッ

 

 

必死になって時間内に取りましたよヽ(´Д`ヽ)(/´Д`)/

(今回は除去に30分かかりました、ニッケル・チタンは除去が難しい・・・ 折ったの私ですけど(´‐公‐`))

 

 

こんな感じで

 

 

 

 

 

また明日から新たな記録の更新を目指します!(TヘTo)

 

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