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歯内療法日記: 2013年9月アーカイブ

難しい根管治療と転院の時期

根管治療は見えない手探りの治療で、色々な問題が隠れていることがあります。

 

偶然、最近多いのが1年間根管治療をしていたが、「治らない」という患者さん

 

私からしたら1年も根管治療!?

毎回どんな治療をいるの?と言うか、歯(根管)削る所ないでしょ?( ゚д゚)

 

という所でしょうか

 

EEデンタルでも半年ちかく経過を見ながら根管治療を行うことはありますが、

それは決まって大きな病変の時です。

2013年:http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-836.html

2012年:http://eedental.jp/ee_diary/2012/12/post-663.html

口腔外科の先生からの紹介は大きい病変が多い(◎ー◎;) 

 

ただ、多くの根管治療は2~3回で治療は終わります。

  

一応、時間をかける根管治療のデメリットを

・再細菌感染によるリスク(仮の蓋の隙間から菌が中に入る)

・隣の歯が傾く(毎回かなりきちんとした仮歯を入れれば回避できますが、まずここまでする先生はいないと思います)

・咬み合わせの歯が伸びてくる(歯は絶えず動いています。噛み合わせを無くした歯は噛み合わせを求めよく動きます)

小さなリスクとして、

・象牙質露出による2次カリエス

・根管治療中は反対側を中心に咬むようになりますので、咬み合わせがおかしくなる

・審美的におかしい

 

など根管治療中というのは知らないだけで結構口の中は大変なことが起こっているのです(±∀±;)!!ハッ

 

1年根管治療をしていても膿に悩まされ続けた患者さんが来院

仮封を外して中を見ると、

DSC07533.jpg

 歯の中から血がダラダラ

 

えっ、何これ!(±∀±;)

 

とりあえず、隔壁を作り、ラバーダムをして根管を探ると

a.jpg

おおっ、これはもしかして、MB2が感染源に?

MB2:http://eedental.jp/ee_diary/2011/01/post-230.html

 

たまにMB3も出てきますけどね (」゜ロ゜)」ナント

MB3:http://eedental.jp/ee_diary/2011/10/post-372.html

 

1回目の治療でこの部分をきちんと掃除してみること2週間

腫れと、膿が無事止まりました。

*このMB2メチャ細くて0.06mmのファイルと0.08mmのファイルで攻め切りました。

 

歯の治療、特に根の治療ってこの単位の治療なんですよ、

テレビで見る『神の手を持つ名医』なんて、私からすると、毎回テレビの前で

「えぇ~~~、歯科なんてこの1/100以下の単位で日々治療しているんですけど・・・」

と突っ込みを入れたくなります。

(それを日本の保険治療では300円でしなさいと(>。<))

 

  

 

患者さんの医科の先生にも

「歯医者はホント小さなもの相手にしているよね」と言われました。

 

それが仕事ちゃー、仕事なんですがw(°0°)w

  

  

で、膿、痛みが完全に無くなった所で根管充填

EEdental MB2.jpg

赤い部分が今回治療してGPを入れた所。

 

前の先生が1年間他の神経管をゴリゴリ削っていたので他の神経管は非常に太くなり、

根尖(歯の先)も大きく破壊され肉芽組織が歯の中に入り込んでいました。

(根の先の肉芽処理する為にレーザー買おうかな・・・  でも200万(;゜0゜))

 

根管治療は長く治療をすれば治るものではありません、

現在世界(アメリカ)のトレンドは少ない回数できちんと根の治療を終わらせるというものです。

 

1年も同じ歯を治療することはまずありません(ノ´Д)ノ

(と言うかその歯は抜歯でしょ!)

 

 

同じ歯を半年治療して治らないようなケースは一度、根の専門の歯科医院にかかった方が

歯を残せるかもしれません。

 

 

治療は闇雲にしていても治りません、きちんと原因に対して治療が行われて初めて改善傾向が出てきます。

 

また歯医者の先生も手に負えないと感じたら、無駄に治療を引き延ばすのではなく、

根の治療が得意な歯科医院に相談、治療のお願いをされた方が患者さんの為にもなると思います。

 

 

私が思うのは歯内療法専門医の先生への紹介が出来る先生は、

ある意味その歯科医院のエンドのレベルが1段階上がったのに等しいと思います。

 

その歯科医院では対応できなかったことが出来るようになる訳ですから(・ω・ )

根管治療は非常に難しく、予知性の低い治療です、

日本の治療費のように海外で笑われてしまう治療費で

(実際アメリカの歯内療法専門医に日本の根管治療費を話したら大笑いされました)

「よくあなた、飛行機代が出たわね!」と

 

「手こきボートで来た!」とアメリカンジョークは言えませんでしたが(笑)

 

真面目に根管治療されている先生には頭が下がりますm(_ _ )m

 

 

まずは、この現状を国民の皆さんに知って頂きたいと思います。

(政治家になる気は全くありませんよ)

 

 

今回のケースはたまたま治ってくれたケースですが、

半年同じ歯の治療をしている人がもしこれを読まれたら、次のアクションを起こした方がいいと言っておきます。

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過去に経験のない大きな膿袋(感染根管処置) 歯内療法専門医

神経を抜いた歯

日本では推定で半分ぐらいの確率で膿の袋ができてきてしまいます。

 

この病気の怖い所は、

「知らない間に無症状に病変が大きくなっていく」

と言う所です( >ω<)

 

今回のケースは、

口腔外科で全身麻酔で抜歯をすると言われ専門医を探され来院されたケース。

 

最初にレントゲンを撮ってみると、

EEdental na (1).jpg

「えぇ~!」(p・Д・;)

レントゲンに病変がおさまりきりません。

 

 

今度はレントゲンを縦にして撮ってみると、

EEdental na (3).jpg

神経管に接するぐらい病変が大きい!!!(ウズラの卵以上の大きさです)

『膿』と書いた部分は骨が無くなっており、あの固い骨が空洞化しています。

 

 

これで抜歯すると右顎の骨は殆ど無くなってしまいます( ノω< )

 

 

元々この膿は神経の治療中に

歯の中に細菌感染が起こった為にこのようになってしまっていますので、

まずはもう一度根管治療をすることに。

 

最初は治療の度に歯の中から膿がダクダク出てきましたが、

回数を重ねる毎に膿も止まり、ようやく今週最終的な薬を詰めました。

(またこの歯、歯の一部を削られ過ぎていて歯に穴もあいていましたので、その部分も埋めています)

EEdental na (4).jpg

レントゲンを並べてみると黒い部分が少しずつ小さくなってきています( ・0・)ノ

 

因みにこのケースCBCTは撮影していません。

CT撮れば成功率上がる訳ではないですしね(´・д・`)

(CT撮った所で処置内容変わらないし、患者さんに余計な被曝させたくないですから)

 

道具じゃないのよ、歯内療法(根管治療)は ⇒ http://eedental.jp/ee_diary/2013/03/post-726.html 

 

 

一般の方は知らないだけで、 

ホント、根の治療って治療の不備で知らない間に問題がもの凄く大きくなることもあるので

注意された方がいいですよヾ(´ω` )

 

下の奥歯はラバーダムなしに治療するのは結構危険!

ラバーダム防湿について⇒http://eedental.jp/ee_diary/2012/01/post-425.html

 

 

 

今回の歯は私の経験でも過去最強に大きな病変でした。

治ってほしい1症例ですね!(^ω^ )/'''

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根管治療で水酸化カルシュームを根尖から押し出すことについて

今日の午前中に外科的歯内療法を行いました。

EEdental u.jpg

赤丸の部分は骨が大きくなくなっており、

この部分から膿が出てきている状態です。

 

 

今回外科処置にてこの歯の保存を行ったのですが、

歯茎を開いてみるとビックリ!

EEdental suisannkaCA.jpg

歯茎の内側に白いものがびっしり!(っ゚Д゚;)っ

 

ちょうどその部分はレントゲンの赤丸の部分骨が無い病変部分に一致します。

少し触ってみるとどうやら「水酸化Ca」。。。

 

またか・・・;´Д`);´Д`);´Д`);´Д`)

 

日本では膿がなかなか治らないと、根の先から水酸化Caをドバッと出す治療がありますが、

個人的にはこんなことをしても治らないと思います。

http://eedental.jp/ee_diary/2012/12/post-659.html

 

また、この治療を推奨する先生は「水酸化Caは吸収するから問題ない」的な発言をしますが、

ある歯内療法専門医の先生と話していたら、

「吸収ではなく造影性が先に無くなっているんだよねぇ~」

と話されていました。

 

既製品の水酸化カルシュームは商品が固まらないようにする為に、【油】がドバドバ入っています。

この油は吸収しません、言いかえれば、水酸化Caに似せた油分だらけの水酸化Caなんです。

 

当院にもありますが、水酸化Caの効果を期待するのであれば、薬品メーカーから試薬を買って、

DSC03107.jpg

水や精製水で練る必要があります。

(裏情報として2%クロールヘキシジンで練ると効果がかなり期待できるとも)

 

ただし練ったものは強アルカリなので、取り扱いは気をつける必要があります。

 

 

またこの糊剤を練ったことのある方はお分かりだと思いますが、水分がすぐに蒸発して

練ったあとすぐにボソボソになってしまいます( ̄ω ̄A)

 

このボソボソを回避するためにメーカーは多量の油を入れているのです(⌒_⌒;

 

どこまで効果のあるか分からない、こんな油まみれの水酸化Caを歯から飛び出させて骨に入れても・・・

 

因みに粘膜の水酸化Caは歯茎にこびり付いてしまい、

歯茎をラウンドバー(骨を削った道具)などで触ってみたのですが、

除去できませんでした。。。(; ̄Д ̄)

 

 

 

 EEdental ue (2).jpg

手術はうまくいきましたが、今回「はぁ~、またか!」と思いブログにしてみました。

 

水酸化Caを押し出す先生はこの画像見て、ご自身の親族にも同じことできるんでしょうかね!?┐( ̄ヘ ̄)┌

  

私もカルシペックスは使用しますが、必ず根管内に留めています。

(根管口付近にしか入れませんけどね^^;)

 

 

 

って、ブログ書くより、

9月29日のスライドを進ませなければ・・・

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側歯が原因による大きな病変(歯内療法専門医)

以前書いた『大きな病変(膿の袋)』

http://eedental.jp/ee_diary/2011/08/post-338.html

口腔外科で抜歯と判断された歯ですが、

その歯の治療の2年予後となりました!(・∀・)

 

EEdental sokusi.jpg

かなり骨の方も出来上がってきてくれています\(^ω^\)( /^ω^)/

*黒い部分が骨の溶けた所で、その黒い部分が徐々に小さくなっていっています。

 

   

 

地味な症例ですが、根管治療は地道にコツコツやるしかないと思います。

 

 

以上、経過報告でした。

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TYPHOON Infinite Flex NiTi Files

Smile US から

TYPHOON Infinite Flex NiTi Files

というニッケル・チタンファイルが送られてきました。

DSC03100.jpg

http://www.youtube.com/watch?v=oT4JvQ6Wbns

箱を開けて

DSC03102.jpg

ファイルを曲げてみると・・・

DSC03101.jpg

恐ろしくよく曲がる

 

ん~、9月の講演終わったら抜去歯牙で試してみたいと思います。

なんとなく面白そうなファイルです。

(使えるかどうかは、色々試してみないと分かりませんが、波乗りする者として『台風』という響きが好き!)

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