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歯内療法日記: 2021年6月アーカイブ

数年前まで大丈夫だった歯に根尖病変!

なぜか最近上顎洞炎の患者さんの治療を複数件行っております。 

  

基本的に上顎洞炎(俗にいう蓄膿)は最初に耳鼻科を受診してください。

また左右の両側に鼻閉感があれば耳鼻科での抗生剤の長期服用で治しますが、

左右のどちらか片側だけに鼻閉感や重い感じが出る場合は、歯が原因になっていることがあります。

   

過去には上顎洞炎がひどく「仰向けで寝れなかった」という患者さんもおられました。

歯が原因の歯性上顎洞炎 治療後2年→ほぼ治癒 - EE DENTAL_Blog

 

今回の患者さんは40代女性 

昔からEEデンタルで治療をさせて頂いている患者さん

以前は第2小臼歯の根管治療を行った時のレントゲン

2021 EEdental IMi (1).jpg

   

2021年に入り、メンテナンスで歯科医院に行ったところ

奥歯の根尖病変を指摘されたとのこと

 

レントゲンを撮らせて頂くと

2021 EEdental IMi (2).jpg

分かりにくいのですが、第2大臼歯に根尖病変様の所見

*第2小臼歯は綺麗に治っています。

上顎の奥歯は上顎洞があるので、診断がしずらい時があります。

    

 

2015年のレントゲンと比べると、

2021 EEdental IMi (3).jpg

上顎洞底線の連続性が失われています。

 

CBCTを撮影し、非常に複雑な神経管であることを把握し根管治療スタート

術前⇒術後 

2021 EEdental IMi (4).jpg

手つかずの根管の治療まで行いガッタパチャーにて根管充填

*根尖は閉鎖しており穿通なしで、オリジナルの根管を追える所までを徹底的に消毒
  

 

今月に入り、半年予後で来院して頂きレントゲンを撮ると

2021 EEdental IMi (5).jpg

治癒傾向が見られ、根尖病変もほぼほぼ無くなり、また上顎洞底線が回復してきてくれています。

 

ここまでくればかぶせ物を作っても大丈夫でしょう!

 

  

患者さんの希望で、次回からクラウンの製作を始めさせて頂きます。

*クラウンはきちんと根管治療してから入れた方がいいですよ!(^ ε ^ )  

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4本抜歯宣告!でも何とか残す根管治療

40代男性患者さん

治療を始めるもかかりつけの歯科医院では「抜歯になりそう」と言われ、

先生に根の治療の専門であるEEデンタルの存在を教えてもらい来院

   

レントゲンを撮ると過去に歯根端切除術を行ったようで、根尖が斜めにカットされています。

2021 EEdental SaN (1).jpg 

かかりつけの先生も条件の悪い歯ながら、

頑張って何とか残そうとトライはしてくれたようですが、

このように外科後の再根管治療はかなり難易度が高いです。

(根管充填はMTAが必要になってきます) 

   

レントゲンを見て、思うことが2つ

まず、4本外科をする必要があったのか!?

4本とも病変があったのであれば外科対象になるとは思いますが、

下顎前歯で4本病変が見られるというのは私は今まで見たことがなく、初めてみました。

  

もう1つ、MTAなどで逆根管充填しない歯根端切除術は成功率が50%とされています。

*今回の場合は4本やって1本も治っていないので残念ながら【成功率0%】です。

かたや歯内療法専門医が行う外科的歯内療法は成功率が上手な先生では90%と言われています。

*個人的に非外科系の歯内療法専門医なので、私の外科の成功率は8割ちょっとです。

なぜ成功率が高い方法をチョイスしないのか!?

    

先日書いたように歯科治療は

「診断が正しく、その後の施術が上手く行き治癒となります」

10代の患者さんの根管治療 - EE DENTAL_Blog

  

  

とは言え、40代で前歯4本を失いたくはないですよね・・・

患者さんには非常に保存が難しい状況であること、

方針としては通法の歯内療法を行い、治らなければ再外科を行い保存を行う2段階の治療が必要になると思うと説明。

  

まずは、根管治療を行い

2021 EEdental SaN (2).jpg

  

その後レントゲンで経過をみていったのですが・・・

2021 EEdental SaN (3).jpg

術後3年経過して右下2、左下1は上手く行き初めてますが、

右下1、左下2は治癒傾向が見られません。

   

  

患者さんと話し合って外科的歯内療法を行うことになったのですが・・・

 

私は外科の術式をシンプルにする為に、将来外科が必要になりそうな症例にはMTAを詰めます。

そうすることで外科をした際に、根尖カットだけで逆根管充填せずに終わることが出来る為

戦略的にMTA根充を行うことがあります。

 

今回の場合右下1はカット面が綺麗でMTAもしっかり入っていた為、右下1は歯根カットのみ

左下2はカット面にカス状のガッタパチャーが見えた為、MTAを逆根管充填!

  

という術式を取ったのですが・・・

外科後1週間、「腫れてきた!」と連絡をもらい見せてもらうと膿が出て来ています。

患者さんに、もう一度再外科をお願いして腫れた原因を探らせてもらいました。

  

すると・・・

 

右下1のカット面のMTAがドロドロに溶けており、

えぇ~~~~! 根管充填材のMTAが固まっていない!?

 

左下2は何もしませんでしたが、右下1に関しては通法通りMTAを逆根管充填して縫合

1回目、2回目のレントゲン 

2021 EEdental SaN (4).jpg

  

 

今月6カ月予後のレントゲンを撮らせてもらいました。

2021 EEdental SaN (5).jpg

だいぶ骨も出来てきており、4本とも保存出来そうな所見に見えます。

 

この後1年予後まで経過を見させてもらい終了となります。

 

 

今回の外科の失敗は自分の中でも反省点です。

なるべく少ない回数で治したい派にとっては凄く貴重な体験をさせて頂きました。

また患者さんにはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。

  

今後も精進いたしますm (_ _;)m 

 

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10代の患者さんの根管治療

矯正治療をしていた10代の女性患者さん

 

奥歯が急に痛み出し、救急で歯科医院を受診された際に

「神経が死んでいるかも!?」と言われ

抗生剤をのみ始めたら痛みが落ち着いたとのこと

  

受診時に電気歯髄診断を行うと

右上の奥歯4本中3本に神経反応なし・・・

レントゲン

2021 EEdental HY(5).jpg

はっきり原因が特定できない・・・  

   

基本的に歯科治療は、原因歯に対して適切な治療を行わないと治らないので、

原因探しは非常に重要です。

*原因とは違う歯を治療しても痛みは治りません。 

   

電気歯髄診断、レントゲンで判断しずらかった為

CBCTまで撮らせてもらい判断

  

やはり第一大臼歯の口蓋根のみに骨の欠損が見られ

2021 EEdental HY (1).jpg  

口腔内

2021 EEdental HY (0).jpg

疑いをかけると第一大臼歯のみ歯の色がグレーに見えます。

神経が死んだりすると歯の色が微妙に変わってきます。

 

総合的に見て、この歯の神経が弱り痛みが出たようにも思えます。

 

 

患者さんにはまず一番怪しい歯から治療を始めると話治療スタート

虫歯などない天然歯だったので3mmの穴からアプローチ

 

ただ、近心頬側根は入り口からすぐに石灰化しており

CBCTで調べても根管は埋まってしまっていることより、開けれる所まで徹底的に消毒を行い

2021 EEdental HY (2).jpg

1回法にて根管充填!

  

 

こんな3mmの穴からのアプローチ(コンサバティブ・エンド・キャビティー)だと

上からもっと大きく削れば根管にアプローチできるなど

昔であれば言われたと思いますが、現代はCBCTで神経管の細さの診断は

根管治療前に出来ているので、無理してゴリゴリ私は削りません。

*やっても、本来の根管とは違う場所にパフォって問題を大きくするだけ。

 

 

その後、経過を見ていき

治療後3か月後の検診

「お餅を食べた後に鈍い痛みが出て、痛み止めを飲んだらすぐに落ち着いた」

⇒持続した痛みでないので様子をみてもらいました。  

 

 

1年後の検診

2021 EEdental HY (3).jpg

レントゲンでも問題なく経過しており、痛みや腫れもないとのこと

 

口腔内

2021 EEdental HY (4).jpg

隣在歯と同じ色調には戻りませんが、グレーな歯の色の色調も多少改善しております。 

 

何とか残せてよかったです!(^ε^ )

 

こんな感じで、歯科治療はまず診断、その後に治療がきます。 

診断を間違えても治りませんし、施術もきちんと行わないと治りません。

 

内科など、診断して薬で治すのではなく、診断後は技術で治す歯科は

医科以上に大変な部分があります。

  

歯科は歯科で終わりなき学問で治すためには知識(経験)、技術両面が必要となります。

また今は患者さんに分かりやすく説明するなどコミュニケーション能力も必要になってきており

 

これまた大変。。。(>。<)

  

 

根管治療は歯科治療の中でも非常に手間がかかり嫌がられる治療の代表格なので

根管治療は専門医を利用するのも1つですよ。

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虫歯治療後に腫れてきた根未完成歯の根管治療

患者さんは8歳の女の子

女の子のお爺ちゃんがEEデンタルの患者さんで

根管治療ならEEデンタルへ行った方がいいとのことでお母さんと来院

  

虫歯の治療(銀歯)をした後に、2回腫れてきたいずれも切開を行い膿を出し、

抗生剤を飲み処置をしてもらった。

とのこと

2021 EEdental MuK (1).jpg

 大きめの銀歯が入っています。

 

  

レントゲンで見てみると・・・

2021 EEdental MuK (2).jpg

近遠心根に大きな病変が2つ 年齢的にも根尖が未完成

 

また歯が生え切っていない為、歯肉も非常にボリューミーで、クラウン治療は無理!

 

 

お母さんに保存するのは非常に難しい状態であるが年齢的にも保存はさせたい所と説明し

保存する方向で治療スタート

 

 

治療1回目 

銀歯に穴を開け治療スタート、顕微鏡下で大きく開いた根尖を確認

淡い期待で「リバスキュラリゼーション」を試みてみました。

リバスキュライゼーション 膿の出る歯の神経の保存 - EE DENTAL_Blog

2021 EEdental MuK (3).jpg  

このまましばらく経過を見ることに

  

1か月半後 腫れてきたとのことでリバスキュラリゼーションは失敗。。。 

 

 

抗生剤で腫れを引かせ、本格的に根管治療スタート

銀歯の下の虫歯などが怖かった為一度銀歯、ベース剤を除去すると

結構虫歯が残っていました。。。

前の先生も相当頑張られたと思いますが、小さな子の奥歯の治療は虫歯の取り残しが出やすいですよね・・・

  

後、他人の処置をレントゲンだけで信用した自分も反省です。

*やるからには全部触るべきでした。

  

  

虫歯=菌の集合体なので、まずは虫歯を徹底的に除去

電気メスを使用し遠心の隔壁(レジン充填)

根管治療を行うと近心のMB、ML2根が出来る前らしくイスムスも見られず

2本が繋がって横長の根の形(この形状の神経管は初めて見ました)

根尖も非常に複雑な形態

   

  

1か月後の治療3回目、

まだ腫れが残っている。。。

ファイルで触ると根の先がかなり汚れているので特殊な形状の

エキスペンドフィニッシャーを根尖の外にわざと出し、根尖の拡大清掃

 

  

2週間後の治療4回目

まだ腫れている。。。

近心根より排膿あり、徹底的に洗浄を行う。

2021 EEdental MuK (4).jpg

  

 

1か月後の治療5回目

腫れは引いて来て、腫れは無くなった!

たぶんこの歯の根管治療は早々やり直せない為

念には念をいれて、2カ月期間を開けることに

この間に腫れなければ次には根管充填予定!

  

 

2か月後の治療6回目

腫れのないのを確認してMTAプラスを根管充填!

その後レジンコア+レジン充填にて補綴を行う。

*今の年齢ではクラウンは作れない為、レジンにて治療を行いました。

2021 EEdental MuK (5).jpg

根が非常に太い!

かなりの量のMTAプラスを使用しました。 

 

  

その後、経過を見ていき1年予後で先週来院してもらいました。

2021 EEdental MuK (6).jpg

綺麗に骨が出来てくれて根尖病変は治っています!

前の歯の乳歯も抜け第2大臼歯が生えてきており、時の流れを感じます。  

 

口腔内

2021 EEdental MuK (7).jpg

ブラキサーの子の最後大臼歯ですが、レジンは耐えてくれています。

   

こういうケースは歯内療法とレジンの2足のワラジは有効だなと感じます。

隔壁も最終充填も出来てしまう! 

 

 

一時は保存が不可能かな!?と思ったケースですが何とか歯の保存が行えました。

8歳で第一大臼歯を失うと一生歯で困らないといけなくなることもあるので残すことができ良かったです。

  

小さな女の子ですが、毎回治療頑張ってくれてありがとうございます!

美味しいものを美味しく食べる為にも歯は大切にしてね( ・∀・)ノ゙

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根管治療 痛い歯は2本あった!?

歯の痛み、耐えがたいですよね。

歯の痛みというのは経験上1本の歯が原因になっていることが多く

その歯を探して治療を行い問題解決を図ります。

 

今回はイレギュラーケース

 

患者さんは30代男性

左上の歯が痛いとのことで来院

  

レントゲンを撮ると

2021 EEdental AA (1).jpg

左奥は2本同じような神経の治療痕が見えますが、

特に第一大臼歯に根尖病変が見られます。

 

ですので、患者さんに痛みはこちらの歯の可能性が高いことを説明

レントゲン上では根充剤も殆ど入っておらず、コア用のレジンも造影性が少ない

歯肉の上にべっちゃり付く連結の自費クラウン。。。

 

 

クラウンを切断し治療を行うと・・・

根充剤は入っていないのですが、過去の根管治療で1本の根を相当削ったようでした。

歯の中からは膿が出て来ており、消毒を切り返すこと5回目

膿も出なくなり痛みも引いて来たこと確認してMTAのて根管充填

 

2021 EEdental AA (2).jpg

開業以来1位、2位を争うぐらい太く削られていました。。。

  

この後、経過を見ていくのですが、

根管充填1か月後に再び左右の奥歯に痛みが出てしまい、一度抗生剤で散らして様子をみてもらい

 

2か月後には痛みが落ち着いたようなのですが、

  

  

3カ月後にも再び痛みが出てしまいレントゲン撮影

2021 EEdental AA (3).jpg

3か月後には根尖でMTAは割れてました。  

  

治療した第一大臼歯は問題なさそうなので、患者さんと話し合って

1本手前の第2小臼歯の根管治療を行うことに

  

ジルコニアクラウンを外すと、土台がくっ付いていなかったらしくボロっと取れてくる

また隠れた所に神経管が1本隠れており、そこを治療

 

第2小臼歯根管充填

2021 EEdental AA (4).jpg

 

 

そこから半年痛みもなく順調に経過していたことより

2021 EEdental AA (5).jpg

フルジルコニアクラウンSet

奥のインプラントは入っているだけで咬合もしていないので

実質第一大臼歯が最後大臼歯の役割としています。

   

  

最初に書いたように経験上、痛みの原因は1本のことが多いのですが、

今回のように2本原因歯になっている場合も極々稀にあります。

ただ、3本の歯が原因だったというのは今の所私の経験ではありません。 

*非原性歯痛は別で

歯の治療は奥が深すぎる。。。(>。<;) 

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根管治療で必要とされる細部の治療

設定から世界と大きく違う日本の保険根管治療

    

細菌感染がなく、きちんと行えば9割近くが上手くいくと言われる抜髄

一方、ざっくりとした日本の保険根管治療成功率4~5割。。。

   

菌がいなかったにも関わらず失敗に終わり菌まみれの状態となった感染根管治療

の方が当然成功率は更に低くなります。

 

  

例えると、抜髄】は新築の家の明け渡しの際に行う最終クリーニングです。

かたや、感染根管】は雨漏りだらけで泥棒に入られ家の中をひっちゃかめっちゃか荒らされた家のクリーニングです。

2019 EEdental(4).jpg

2019 EEdental(4).jpg 

あなたがクリーニングするなら、どちらが手間と時間がかかると思いますか!? 

  

普通は後者の方が手間と時間がかかりクリーニング代はかかると思われるはずなんですが、 

何故か、日本の保険治療は後者(感染根管)の方が治療費設定が安いことになっています。

   

これは世界的にも稀な治療費設定でしょう!

   

  

もう1つ問題点を話すと、

新築の家のクリーニングが上手く出来ない業者(歯科医師)が、後者の家の状態から綺麗な状態に戻せると思いますか!?

   

と、言っても保険治療自体「歯を長持ちさせる」という概念の元に成り立っている制度ではないので

自分の歯を長持ちさせたい!という患者さんはどうすればいいのか!?

 

 

今回の動画ケース 

2021 EEdental NA.jpg

上顎6の近心頬側根(MB)の根尖病変

MB根には明らかなレッジがあり、CBCT画像で病変の位置的にMB2の疑いをかけました。

 

いきなり外科的歯内療法でトライするのも1法だと思いますが、私は通法の根管治療からスタートさせました。

  

コア除去後明らかに汚れたイスムスを発見!(黒くなっている部分は感染していると思われます)

またMB根は過去の2回の根管治療でかなり太く削られています。

 

イスムスを少しずつ削って行き、

MB2を発見! その後レッジの横からオリジナルのMB根の根尖を見つけ出し拡大・清掃

 

 

まず怪しい場所を見つけるには必ず顕微鏡が必要になります。

ただ、顕微鏡=虫メガネでありこれが根管内を綺麗にしてくれる訳ではありません。

マイクロオープナー、デブライダー、超音波、Ni-Tiと様々な道具を駆使していき

根管内の清掃を行います。

 

  

最近、コロナやオリンピックの対応で日本が後進国になったと言われ始めていますが、

日本の歯科治療費も後進国水準以下となっていますので、保険治療では多くを望めない現実があるのもまた事実です・・・ 

ホント、保険治療で頑張っている先生は患者さんとの板挟みで大変だろうと思います。 

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5年前にセラミックを入れた歯が痛む

患者さんは30代男性

一番奥の歯にセラミックアンレーを入れたのが5年前

弱い痛みが続くため歯科医院に行くと根の治療の可能性を指摘されたとのこと

 

レントゲンを撮ると

2021 EEdental KoY (1).jpg

過去に神経付近まで治療した跡が見られ、根の先に透過像っぽい所見もあります。

CBCTでは頬側寄りに病変様の所見が確認できました。

神経が弱り時間が経過した為か石灰化した為か、MB根、DB根の根管が非常に細くなっています。 

   

患者さんには綺麗な治療がしてあるが、以前の虫歯が大きかったことで神経が弱ってきてしまっている

症状が続いているようなら神経の治療をした方がいい と説明

   

2回法で根管治療を行いました。

2021 EEdental KoY (2).jpg

やはり神経は弱っており、P根のみに出血が見られ頬側の2根は神経が死んでおり

全く出血なし!

 

その後経過を見ていき、1年予後

2021 EEdental KoY (3).jpg

根尖の透過像所見も綺麗に治ってくれました。

 

大きな虫歯の神経保護と抜髄 - EE DENTAL_Blog

神経保護の治療は短期では問題が起こらなくても、数年後に神経が死んでしまう歯もたまにあります。

 

 

患者さんの中にはどうしても神経残したいという方もおられますが、

神経の保存治療ってギャンブル的な治療で、それなりにリスクもありますので注意してください。

歯の神経を残されたい方へ注意事項 - EE DENTAL_Blog

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大きな虫歯の神経保護と抜髄

患者さんは20代男性

左下の歯で強く咬むと痛みがある。

とのことで来院されました。

  

レントゲンを撮ると

2021 EEdental BH (1).jpg

銀歯の下に大きな虫歯と知らずの影響でできた虫歯が確認できます。

   

患者さんには2本とも大きな虫歯で可能な限り神経は残したいが・・・

特に奥から2本目の第一大臼歯は抜髄なる可能性が高いと説明させて頂きました。

  

 

実際治療を行うと、虫歯は大きかったですが何とか2本神経を保存しました。

レントゲン

2021 EEdental BH (2).jpg 

治療後に患者さんにはこれで大きな痛みや温かいものが凍み始めたら、

それは処置が違うという体のサインだから、後で神経を取る必要があると説明

 

その後、咬んだ時の痛みは減ってきたが冷たいものが凍みるようになってきた。

とのこと 

虫歯の治療はある種の小外科手術ですから、術後多少の痛みや凍みるなどが出ることはあります。

ですから、凍み止めなどを塗り1カ月程度は様子をみてもらうのですが、

  

今回は3カ月経過しても凍みる症状が落ち着かず・・・

治療後5か月にして温かいものが凍み始めてしまいレントゲンを撮ると

2021 EEdental BH (3).jpg 

根の先に怪しい所見が現れ、患者さんと話し合い抜髄となりました。

 

 

3mmの穴からコンサバティブ エンドアクセス

2021 EEdental BH (5).jpg

3mm程度穴が開けれれば髄角などの部分もアクセス可能です。

 

レントゲン

2021 EEdental BH (4).jpg

治療時間1時間半 1回法にて治療を行いました。

 

虫歯が大きくても神経保存で治療を行いますが、症状が出てしまった歯に関しては

後でこのように神経の処置を行うことがあります。

  

ホント、歯の治療は難しい・・・(>。<)

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