10代の患者さんの根管治療
- 2021年6月22日 09:04
- 歯内療法日記
矯正治療をしていた10代の女性患者さん
奥歯が急に痛み出し、救急で歯科医院を受診された際に
「神経が死んでいるかも!?」と言われ
抗生剤をのみ始めたら痛みが落ち着いたとのこと
受診時に電気歯髄診断を行うと
右上の奥歯4本中3本に神経反応なし・・・
レントゲン
はっきり原因が特定できない・・・
基本的に歯科治療は、原因歯に対して適切な治療を行わないと治らないので、
原因探しは非常に重要です。
*原因とは違う歯を治療しても痛みは治りません。
電気歯髄診断、レントゲンで判断しずらかった為
CBCTまで撮らせてもらい判断
やはり第一大臼歯の口蓋根のみに骨の欠損が見られ
口腔内
疑いをかけると第一大臼歯のみ歯の色がグレーに見えます。
神経が死んだりすると歯の色が微妙に変わってきます。
総合的に見て、この歯の神経が弱り痛みが出たようにも思えます。
患者さんにはまず一番怪しい歯から治療を始めると話治療スタート
虫歯などない天然歯だったので3mmの穴からアプローチ
ただ、近心頬側根は入り口からすぐに石灰化しており
CBCTで調べても根管は埋まってしまっていることより、開けれる所まで徹底的に消毒を行い
1回法にて根管充填!
こんな3mmの穴からのアプローチ(コンサバティブ・エンド・キャビティー)だと
上からもっと大きく削れば根管にアプローチできるなど
昔であれば言われたと思いますが、現代はCBCTで神経管の細さの診断は
根管治療前に出来ているので、無理してゴリゴリ私は削りません。
*やっても、本来の根管とは違う場所にパフォって問題を大きくするだけ。
その後、経過を見ていき
治療後3か月後の検診
「お餅を食べた後に鈍い痛みが出て、痛み止めを飲んだらすぐに落ち着いた」
⇒持続した痛みでないので様子をみてもらいました。
1年後の検診
レントゲンでも問題なく経過しており、痛みや腫れもないとのこと
口腔内
隣在歯と同じ色調には戻りませんが、グレーな歯の色の色調も多少改善しております。
何とか残せてよかったです!(^ε^ )
こんな感じで、歯科治療はまず診断、その後に治療がきます。
診断を間違えても治りませんし、施術もきちんと行わないと治りません。
内科など、診断して薬で治すのではなく、診断後は技術で治す歯科は
医科以上に大変な部分があります。
歯科は歯科で終わりなき学問で治すためには知識(経験)、技術両面が必要となります。
また今は患者さんに分かりやすく説明するなどコミュニケーション能力も必要になってきており
これまた大変。。。(>。<)
根管治療は歯科治療の中でも非常に手間がかかり嫌がられる治療の代表格なので
根管治療は専門医を利用するのも1つですよ。
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