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4本抜歯宣告!でも何とか残す根管治療
- 2021年6月25日 09:06
- 歯内療法日記
40代男性患者さん
治療を始めるもかかりつけの歯科医院では「抜歯になりそう」と言われ、
先生に根の治療の専門であるEEデンタルの存在を教えてもらい来院
レントゲンを撮ると過去に歯根端切除術を行ったようで、根尖が斜めにカットされています。
かかりつけの先生も条件の悪い歯ながら、
頑張って何とか残そうとトライはしてくれたようですが、
このように外科後の再根管治療はかなり難易度が高いです。
(根管充填はMTAが必要になってきます)
レントゲンを見て、思うことが2つ
まず、4本外科をする必要があったのか!?
4本とも病変があったのであれば外科対象になるとは思いますが、
下顎前歯で4本病変が見られるというのは私は今まで見たことがなく、初めてみました。
もう1つ、MTAなどで逆根管充填しない歯根端切除術は成功率が50%とされています。
*今回の場合は4本やって1本も治っていないので残念ながら【成功率0%】です。
かたや歯内療法専門医が行う外科的歯内療法は成功率が上手な先生では90%と言われています。
*個人的に非外科系の歯内療法専門医なので、私の外科の成功率は8割ちょっとです。
なぜ成功率が高い方法をチョイスしないのか!?
先日書いたように歯科治療は
「診断が正しく、その後の施術が上手く行き治癒となります」
10代の患者さんの根管治療 - EE DENTAL_Blog
とは言え、40代で前歯4本を失いたくはないですよね・・・
患者さんには非常に保存が難しい状況であること、
方針としては通法の歯内療法を行い、治らなければ再外科を行い保存を行う2段階の治療が必要になると思うと説明。
まずは、根管治療を行い
その後レントゲンで経過をみていったのですが・・・
術後3年経過して右下2、左下1は上手く行き初めてますが、
右下1、左下2は治癒傾向が見られません。
患者さんと話し合って外科的歯内療法を行うことになったのですが・・・
私は外科の術式をシンプルにする為に、将来外科が必要になりそうな症例にはMTAを詰めます。
そうすることで外科をした際に、根尖カットだけで逆根管充填せずに終わることが出来る為
戦略的にMTA根充を行うことがあります。
今回の場合右下1はカット面が綺麗でMTAもしっかり入っていた為、右下1は歯根カットのみ
左下2はカット面にカス状のガッタパチャーが見えた為、MTAを逆根管充填!
という術式を取ったのですが・・・
外科後1週間、「腫れてきた!」と連絡をもらい見せてもらうと膿が出て来ています。
患者さんに、もう一度再外科をお願いして腫れた原因を探らせてもらいました。
すると・・・
右下1のカット面のMTAがドロドロに溶けており、
えぇ~~~~! 根管充填材のMTAが固まっていない!?
左下2は何もしませんでしたが、右下1に関しては通法通りMTAを逆根管充填して縫合
1回目、2回目のレントゲン
今月6カ月予後のレントゲンを撮らせてもらいました。
だいぶ骨も出来てきており、4本とも保存出来そうな所見に見えます。
この後1年予後まで経過を見させてもらい終了となります。
今回の外科の失敗は自分の中でも反省点です。
なるべく少ない回数で治したい派にとっては凄く貴重な体験をさせて頂きました。
また患者さんにはご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。
今後も精進いたしますm (_ _;)m
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