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歯内療法日記: 2023年3月アーカイブ
問題ないと言われ続けた歯から膿で上顎洞炎に・・・
- 2023年3月31日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは30代女性
定期健診で1年前ぐらいから歯茎の腫れや、冷たいものが凍みると訴え続けたが、先生には「問題ない」を言われていた。
いよいよ歯茎からフィステル(膿)も出始め、他院で見てもらった所
上顎洞炎になっており、3本の歯の根管治療が必要と言われた。
根管治療が必要となり、ネットで調べ歯内療法専門の存在を知りEEデンタルへ
現在の症状は 横になると鼻が詰まった感じがあり、歯の方は違和感が絶えずあり咬んだ時にも違和感がある。
レントゲンを撮らせてもらうと、
第2小臼歯、第1大臼歯に根尖病変が見られ、個人的には第1小臼歯は特に根管治療は必要無さそう。
患者さんに病態を説明し、まずは2本の根管治療を行うことに
*第1小臼歯は必要であれば後で再診断
病変の大きな第2小臼歯から根管治療
第1大臼歯は1回法で根管治療+レジン充填まで
治療後2か月後のインタビューで「横になった時の鼻の詰まりは無くなった」
とのこと、
治療後半年
腫れやフィステルなどはないが、たまに鈍痛を感じることがある。
とのことですが、レントゲン上では骨は出来てきているように見えるので、
とりあえず経過観察をすることにしました。
*第1小臼歯は問題無さそうなので治療はしなくて済みそう。
先日の初心患者さんも半年先生に歯茎から膿が出ると訴え続けたのだが
何もしてくれなくて、EEデンタルに転院したら根尖病変を指摘された。
「前の先生は分からないのか!?」と質問されましたが、
どうなんでしょうね!?
分かっていて、根管治療がメンドクサイので放置する場合もないことはないと思いますが、
大抵は根尖病変が見つけれないことが多いとおもいます。
レントゲンは白黒の影絵であり、影絵から何を読影するかは先生の診断能力になります。
後、レントゲンはメーカーにもより見やすい、見にくいがあります。
患者さんの中でも詳しい方は、EEデンタルのレントゲンは「見やすい」と言われますが、
それはここが専門なので、レントゲンにはかなりこだわっていますので読影がしやすいようにしています。
CBCTを撮ると多少被爆はしますが根尖病変の有無ははっきり診断しやすいです。
ただし、正確過ぎる故にまだ触らなくていいような根尖まで病変に見え過剰診療に繋がりやすいのも事実です。
*たぶん今回の患者さんの転院先の3本根管治療が必要と判断先生はCBCTで診断したと思います。
餅は餅屋というように、歯科も細分化されていますので病気にあった先生を見つけた方がいいと思いますね!( ・_・)ノ
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大きな縁下歯石除去
- 2023年3月28日 09:08
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
基本的にスケーリング(歯石取り)はしていないのですが、
たまに患者さんに「先生、治療費支払うのでやってください」 と依頼されることがあります。
自分もかなり歯石が溜りやすい体質なので、歯石取りには色々思うことがあります。
まず保険適応の歯石取り、患者さんに言うのは
3カ月に1回はやり過ぎ、下手な衛生士にその頻度でやってもらうと知覚過敏が出ます。
また知識のない人が歯頚部付近の虫歯の卵のCOなどにスケーラーを当てると再表層の歯が削られ虫歯が進行します。
*だからそういった知識のない歯科助手が歯石取りをしてはダメなんです。
一番の疑問は、保険治療は歯石が付いていようがいなかろうが、全ての歯をスケーラーで触らないといけないという不可解なルール
医学的に言えば、歯石が付いていればその部分の歯石だけ取ればいいと思うのですが・・・
金属の棒を歯に当てれば、金属もすり減りますし歯もすり減ります。
歯石が付いていないのに歯にエアースケーラー、超音波スケーラー当てる意味は!?
プラークであれば歯ブラシで十分です。
今回、パフォレーション依頼で来院された患者さん
レントゲンを撮ると、第2大臼歯縁下にかなり大きな歯石が・・・
黄色丸の半円形のものが歯石
たぶん、数年かかってここまで成長したと思えます。
患者さんに歯石のことを伝えると、
「えぇ!?ちょっと前に歯石取りしてもらいましたけど!?」
『以前は第一大臼歯にクラウンが入っており、歯茎の中で隠れているから物理的に取るのはちょっと難しかったと思いますよ。』
『しかも裸眼でこれ取るのはかなり上手な衛生士でないと無理だし、下手に頑張ると歯肉ズタボロになるのがオチのような気もします。』
「先生は取れるの!?」
『クラウンが入っていない今なら取れますね』
ということで、第一大臼歯の根管治療の後に歯石取りさせてもらいました。
除去した歯石 5mm程度の大きさ
ラッキーなことに顕微鏡下で歯石にキュレットを引っかけてみたら2ストロークで全て除去出来ました!
取るのに10分近くかかるかなと思ったのですが、ものの2分で除去が終わりました。
個人的には歯石取りは顕微鏡下で衛生士(チッコロ軍曹)にやってもらっていますが、
ピンポイントで歯石にアクセスしてくれるので、基本的に痛くはないです。
歯石取りで、泣くほど痛いという場合は・・・
衛生士の技術不足だと思いますので、痛いと伝えた方がいいと思います。
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奥歯の保存は可能なのか!?
- 2023年3月25日 09:00
- 歯内療法日記
歯の治療は何回も同じ治療ができません。
治療の度に次のステージの治療になり、治療の度に予後は悪くなり歯の寿命は短くなります。
特に根管治療は2回、出来て3回になります。
つまりやり直しの治療は出来ても2回まで、次は外科 or 抜歯になります。
患者さんは40代男性
日常的に違和感がある、噛んだ際に痛みがある。
レントゲンを撮ると
大きな根尖病変があり上顎洞が押し上げられているように見えます。
また噛んで痛いのは患歯の歯が欠けており、その破片が歯茎の中に食い込み痛みが出ている感じ。
過去に2回ほど根管治療がされており、どうやら今回が最後の治療となりそうなのですが、
過去の治療で大きく削ってあり、慎重な人工物除去が要求される。
治療は2回法で行いました。
やはり中は大きく削られており、全ての根にMTAセメントで根管充填
手前にも大きな虫歯があったので、かかりつけで治すように説明
治療後6か月
腫れ、痛みはないようで根尖病変もだいぶ小さくなり骨も出来てきてくれています。
この状態でしたらクラウンを作成しても問題ないでしょう!
この後、1年後にもう一度レントゲンを撮り終了になります。
うまく行きそうな所見は出てきていますが、
個人的にはレントゲン上、人工物の面積が大きいように感じてしまいます。
歯根破折と歯質の残存量は関係しているようにいわれますので、なるべくなら1回目の治療で問題が起こらないように処置した方が歯質の削除量も少なくなり、結果歯が長持ちする可能性があるので、特に治療の難しい奥歯は歯内療法専門医を使うのは良いことだと思いますね。
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診断と治療の介入のタイミング
- 2023年3月24日 09:03
- 歯内療法日記
近医の先生から、ちょっと難しいケースだからと紹介を頂きました。
紹介状に
>変色があり、パノラマを撮影したところ歯根の短縮と歯髄腔が狭窄しているように見えます。
>外傷歴、矯正治療の既往があります。
>以前に他医でこの歯は大学病院のようなところでしか治療できないのではないかと言われたということです。
>本人は特に変色は気ならないが、この歯の治療が可能なのか、必要があるのかを知りたいようです
患者さんは40代の女性
左上1の色が少し茶褐色に見えます。
患者さんがいうには小学生の頃に埋まっていた左上1を矯正治療で引っ張り出してきたがその時から少し色が違ったとのこと。
レントゲン
この変色した歯だけ神経管が細くなっているように見えます。
CBCT
この歯だけ水平断で見てみても神経管が細くなっている。
矢状断
根の先の方には細くなった神経管が確認できます。
根の先も微妙な透過像があり。
患者さん本人の希望は
1、審美性より歯の長持ちさを優先させたい。
前回診断を受けたのは15年前(20代の頃)
とのこと、15年経過でこの状態、痛みや不快感などないのであれば今触る必要ないんじゃないか!?
根管治療をしようとすると、歯の上からの根管治療+外科的歯内療法が必要になってくる感じ。
そうすると、リスクの面からいえばパフォレーションの恐れ、外科処置による歯の動揺 など
あり介入したが為に歯の寿命を極端に短くしてしまう可能性:大
ということで今回は経過観察にしました。
ただ、患者さんには「非常に難易度が高い歯なので、もし治療が必要になった際には歯内療法専門医をはじめから頼った方がいい」
とお話させてもらいました。
患者さん毎にゴール設定はバラバラでいいと思っています。
もし、この歯を審美的に改善させたいという希望があれば、それはそれでベターな治療計画を考えますが、患者さんの希望は長持ちさせたいということでしたので、今回は経過観察がベターだと判断しました。
歯科治療はまずは診断が大切ですし、診断でその多くは決まってしまっています。
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神経の死んでしまった歯の治療
- 2023年3月10日 09:04
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
右上の歯の治療予定だったのですが、来院数日前に痛みがでてしまい急遽左下の治療となりました。
レジンの下に大きな虫歯があり、その虫歯が神経に達しており
最後の悲鳴という感じで痛みが出た感じでした。
1回法で 根管治療からレジン充填まで2時間かかりました。
シーラーが側枝っぽい所に入っており、ある程度きちんと洗浄できたと判断出来ます!
知らない間に大きくなる虫歯、それが進行すると歯の神経が死んでしまい膿んでくることがあるので
多き目の虫歯は早目に治しておいた方がいいですよ。
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2.5mmの穴からアクセスする根管治療
- 2023年3月 7日 09:00
- 歯内療法日記
以前ブログで書かせて頂いた予後報告
長いブリッジを外さず行う根管治療 - EE DENTAL_Blog
特に症状の大きかった右下3
綺麗に治ってくれています。
左下3
こちらも綺麗に治ってくれています。
今回ブリッジは外さず、くり抜きで治療を行いました。
くり抜いた場所はレジン充填を行っています。
患者さんが言うには、
あれだけ症状のあった歯ですが、快適に生活出来ているのことで一安心です!
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抜歯宣告を受けた歯と歯根吸収の見られる難しい歯
- 2023年3月 2日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性
遠方からご夫婦での来院 ご主人のケース
詰め物が外れたままの歯
近医で抜歯した方がいいと言われたが何とか残せないものか!?と相談がありました。
個人的にはですが、折れてもないし抜く要素ゼロ
「これ抜くの。。。!?」
気になるという左上のレントゲン
小臼歯2本に根尖病変が見られますが、特に第2小臼歯は歯根吸収まで見られます。
詰め物の下(歯茎の中)には虫歯が見られます。
こちらの左上の二本歯残す為には結構な手間もかかるので、保険治療の場合
【抜いてしまいましょう!】という意見も分からなくはないです。
患者さんには「左右とも残す方向で治療しましょう!」と説明し治療させて頂きました。
右上4
左上4・5
2本とも深い虫歯がありましたが、電気メスを用いて縁下からレジンで立ち上げ
左・右上第一小臼歯はガッタパーチャー
左上第二小臼歯はMTAで根管充填
その後経過観察を行い
もともと病変は無かったので、右上4は順調に経過
問題の左上2本
術後一年半 綺麗に骨が出来てきてくれています。
3本全ての歯 抜かずに済みそうです。
こんな感じで、抜歯しないといけないと言われた歯でも残せる場合は残せます。
また抜歯のタイミングというのも先生毎に差があります。
口腔外科の先生や、インプラントの先生であれば抜いて問題の解決を図りますし、
保存科、歯内療法科などの先生であれば歯を残しつつ問題の解決が出来ることもあります。
どこの歯科医院も同じように見えますが、かかった先生の得意分野で治療方針は変わってくる部分はありますね!(ノ゚▽゚)ノ
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