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長いブリッジを外さず行う根管治療
- 2022年3月18日 09:05
- 歯内療法日記
ちょっと遠くのB先生からご紹介頂いた、30代女性患者さん
1年前にA歯科で下顎の犬歯から犬歯までの6本セラミックブリッジを行ったとのこと
その際支台歯となる4本の歯の神経の除去
その後、根管治療がうまく行かずに歯茎から膿が3回ほど出たり引いたりの繰り返しで、
抗生剤とレーザー照射を行い治療している
レーザーを当てた後には頬に内出血による青タンが出来てしまったこともある。
ここ最近はずっと腫れているとのこと
*因みに、レーザーや抗生剤を投与しても歯の中に感染した細菌は死なないので治ってきません。
患者さんは「何とか治せないか!?」と歯科医院を何件か周り、最終的に知人を介して紹介を頂いた先生の歯科医院へ行ったとのこと
患者さんに話を聞くと、先天性の側切歯欠損でブリッジ治療を提案されブリッジを入れたとのことですが、
先生毎に治療方針は様々ですが、
「神経残したままブリッジ入れられなかったのかな!?」
とも思います。
4本中2本に根尖病変が見られ、特に右下の方の歯茎が腫れている・・・
*日本の根の治療の成功率は50%ぐらいとされているので、一般的と言えば一般的な予後ではあります。
ガッタパーチャーは根の先まできちんと入っています。
*ガッタパーチャーが綺麗に入っていても感染する歯は感染してしまいます。
左下はフィステルはないが根尖病変は確認できる状態
便宜抜髄で歯質は十分量あるはずなのですが、全ての歯にスクリューピンが入っている。。。
歯質があるのになぜネジをいれるのか!?
*ちょっと前までは保険のルールでレジンコアには金属のネジ入れるようにとルールがありましたが、今はそのルールはないので昔のガイドラインで治療したのか!?
**十分な歯質がある場合などはネジなど入れなくても大丈夫です。
紹介先の先生からは何とかくり抜きで行けないかと提案されており
ブリッジの裏側に2.5mmの穴を開けさせてもらいそこから根管治療
右下3(1回法)
根管充填にはMTA+を使用
左下3(1回法)
クラウンが入っていると歯の軸を間違えパフォレーション起こしやすいので
十分注意しながら治療をしました。
こちらもMTA+で根管充填後に2.5mmの穴はレジンで充填
両歯とも真鍮のネジが入っており顕微鏡下で慎重に削って除去しました。
綺麗に根管治療が行えたので、半年後にレントゲンで病変の治りをチェックします。
*また歯茎から膿がでた場合は半年待たず来院してくださいと伝えております。
大昔はブリッジ治療の際に、支台となる歯の神経は取ってしまい土台にしていた時期はありますが、
歯を長持ちさせる観点でいえばブリッジの支台歯でも神経は生かしたままブリッジ作った方が予後はいいので、
もし神経を取ってブリッジ作ると言われたら他の歯科医院でも一度相談した方がいいですよ(・。・;)
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