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根管治療後の外科的歯内療法で何とか歯の保存
- 2022年3月 4日 09:10
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
右上6の咬んだ時に痛い症状があるとのこと、
レントゲンでは、クラウンにかなり大きな段差とレジンコアにも段差が見られます。
頬側2根に根尖病変+ガッタパーチャーの押し出しが見られます。
現在私はガッタパーチャーの押し出し否定派ですが、
過去の根管治療では私もこんな根管充填していたなぁ・・・ と思います(笑)
*根管充填材を根の先端までいれれば根尖病変は治るものだと思っていました。
現在でも日本はその考え方が支配的ですがこの考え方は既に古い考え方です。
専門医から言えばガッタパーチャーの入りはほどほどにこだわればいいと思います。
患者さんと話し合ってこの歯の治療を行いました。
過去の治療で歯茎の上の歯は殆どなく、歯茎の奥まで削ったようで
歯肉の処理を行った後に、隔壁を行い根管治療
根の先端がかなり大きく削られており、病変の見られた2根にはMTAをチョイス
歯の外に出たガッタパーチャーは取れませんでした。
ここから仮歯をいれ経過観察
遠心頬側根は治ってきているように見えるのですが、近心頬側根は病変が大きくなっています。
患者さんとまた話し合い「外科的歯内療法」で保存を行うことにしました。
そこからまた仮歯で経過をみていき、
外科後1年 問題ないことを確認して
フルジルコニアクラウンを入れさせてもらいました。
個人的な診療スタイルとしては、①歯内療法(根管治療)でトライ
上手く行かなければ外科処置という2段構えで治療を行っております。
この辺りは歯内療法専門医でも外科が得意な先生かどうかで
同じ歯でも治療選択が異なることがあります。
100本の根尖病変の歯があるとすると、歯内療法の成功率8割で80本ぐらいの歯は治ります。
治らなかった歯の20本のうち外科の成功率はおおよそ8割として、16本が治ります。
数字上では100本のうち歯内療法+外科処置の組み合わせで96本の歯の保存は可能と考えます。
歯内療法+外科処置までさせてもらっても年に2本ぐらいは抜歯になることもありますが、
その多くは抜いたあと破折と分かったり、外部吸収だったりと診断の難しいケースのこともあります。
今回のケースは何とか保存ができ一安心です!
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