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痛みの引かない根管治療「折れているかもしれないね!?」
- 2022年3月30日 09:00
- 歯内療法日記
たまに根管治療中に転院してこられる患者さんで、
痛みが引かず長いこと根管治療をしていると、先生に「この歯は折れているかも!?」と
言われるケースがあります。
1つ言えるのは、このワードが出たら転院の時期です。
先生もお手上げの為、痛みの原因が分からずこのような推測をするものと思われます。
確かに、やり直しの根管治療などはなかなか痛みが引かないことがありますが、
私の経験上、根管治療中の歯が折れていて自発痛が引かないというのは殆どありません。
痛みがなかなか引かない場合、細菌感染が取れていない、同じ所を触りすぎていて痛いことが多いです。
折れている歯に出る典型的な症状は咬合痛です(咬んだ時だけ痛い)
ですから、長期間根管治療を続けている歯で「この歯は折れているかも!?」と言われたら
破折なのか知る為にも顕微鏡のある歯科医院で相談された方がいいでしょうね。
*裸眼で破折線を見つけるのは結構大変です。(細い破折線は拡大しないと見えません)
ただ、私も術前時に「この歯は折れているかも!?」と患者さんに説明をして
治療を行うことがあります。
患者さんは30代女性
かかりつけの先生から、歯内療法専門医の歯科医院に行った方がいいと言われEEデンタルへ
症状を聞くと、2カ月前から歯茎にフィステルが出来てきた、その少し前からずっと右上の歯に違和感がある。
レントゲンを撮ると、
根の側面に広がる透過像・・・
患者さんには折れている可能性のあること、破折線の入り方によっては分割抜歯をするか!?
と説明を行い根管治療スタート
治療1回目に
人工物を全て除去し、手づかずのMB2を処理してその後徹底的に根管内洗浄
3週後の治療2回目
前回の治療後2~3日でシクシクする痛みは消えた、その後すぐに腫れも引いてラクになった。
この日はもう一度洗浄のみ行いました。
更に3週後の治療3回目
腫れや痛みのないことを確認して根管充填
ガッタパーチャーを使用
この後仮歯で生活してもらい、
治療後1年後のレントゲン
根尖病変は綺麗に治ってくれています。
この後、かかりつけの先生にクラウンを入れてもらい終了となります。
先日の歯が折れてしまった患者さん
も根の側面の透過像でしたが、こちらは完全に折れてしまっていました。
術前時にレントゲン所見から破折(ヒビ)を疑うことがありますが、
実際今回のようにただ病変が側面に広がったケースも稀にあります。
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