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第2大臼歯の湾曲激細根管の根管治療

今週の抜髄 第2大臼歯 開口量の少ない女性患者さん

2021 EEdental KOR (1).jpg

右上の一番奥歯が痛むとのことで、大きな銀歯(アンレー)を除去すると大きな虫歯が出てきたのですが、神経が露出しなかったので患者さんに説明を行い覆髄することになりました。

*第一大臼歯のファイルは前の先生が折ってしまったものですが、病変もないのでとりあえずこのままで経過を見た方がいいと説明させてもらっています。

本当に!?根管治療の際のファイル破折は痛みの原因!? - EE DENTAL_Blog

   

10日経過して痛いのでやっぱり神経を取って欲しいとのことで抜髄の方を行うことになりました。

 

Q1) 第2大臼歯の抜髄、何回かかりますか!? 

 

レントゲンではMB根はかなり細く湾曲がありますが、

Q2) CBCT撮れば治療は早くなりますか!?

 

Q3)歯冠部を大きく落とし、歯髄開口を大きくすればMB根穿通できますか!?

 

  

私は、スタート時このデンタルだけで治療を行いました、途中で必要と感じたらCBCTを撮ろうと考えました。

 

ラバーダム後抜髄即充⇒レジンコアまでトータル1時間35分でした。

2021 EEdental KOR (2).jpg

以下、興味のある人(先生)だけ 

3mm程度の穴(コンサバティブエンドアクセス)から冠部歯髄の処理に15分(石灰化物が非常に多かったです)

⇒ MB根は最初入り口が#08デブライダーが1mmも入らず、時間かかると5秒で判断 ⇒ 後回し!

⇒ DB根、P根はデブライダーがすぐに3mmぐらいすんなり入る為、すぐに穿通・拡大を2根15分以内で終了

その後、25分かけてMB根を穿通・拡大

マイクロオープナーで探って、超音波で入り口を広げ#08Kを突っ込むと1mm入る

またオープナーで漏斗状拡大を行い、今度は#06Kを軽くターン&プル3mmぐらい入った所で

プロテーパーSXで根管上部の拡大、#06、#08を交互にターン&プル 20分近くかけ#06で穿通

*こういう細い根管レッジを作るとOUT!かなり繊細にファイルを探らせます。

穿通出来たら#06を根尖から1.5mm出しM4コントラで#08の為のガイドを作る。

その後#08がスムーズに穿通することを確認後Ni-Ti(プロテーパーゴールド)へF1まで拡大

音波・超音波洗浄10分

根管充填(BCシーラー+GP)10分

支台築造15分

 ざっくりこんな感じ。

   

 

MB根が非常に難易度が高かったですが、無事1回法で治療できました。

 

個人的にはですが、抜髄の成功率を上げる為になるべく1回法での処置を行っています。

歯の中の神経の治療は体と中(菌いない)と外(菌がいる)繋ぐ治療です。

 

例えれば盲腸の手術、

盲腸の手術を1回月にわたり3回~5回も同じ所を手術しますか!?

手術部位に細菌感染が起こりにくいを考えると、短期間で外と中をつなぐパイプを埋める  

これも成功率を上げる為には重要なポイントだと思います。

 

【抜髄後の痛みは!?】と思う先生もおられると思いますが、

感染さえさせなければ殆どの患者さんで2~3日で痛みは無くなります。(この痛みは神経を取るという外科的な痛み)

極たまにおられるセンシティブな患者さんでも1か月後にはほぼ症状は無くなります。 

    

 

根管治療は色々なやり方があるので、私の方法は我流と言われれば我流ですが、

勤務医時代師匠の術式を教えて頂き、抜去歯で100本以上練習して、色々なセミナーに参加させて頂き色々な技術を習得し私なりに再構成して今の形になっています。

 

といっても、今も改変はちょくちょくしています(笑)

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