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本当に!?根管治療の際のファイル破折は痛みの原因!?

色々考え方はありますが、

先日もファイルが折れてしまった所が痛みの原因と診断され

自費で根管治療を受けられた患者さんがおられましたが、治療後も痛みはたいして取れていない。。。

   

 

個人的にメタルコアやメタルクラウンなどは良くて、なぜ歯の中のファイル(金属ヤスリ)だけ目の敵にするのか!?

大体、インプラント治療なんて、チタンとはいえ金属を骨に埋め込んでいる治療ですからね(笑)

*確かにファイルはおらない方がいいにこしたことはありませんが、これを0%にすることは不可能です。

*昔の文献で歯内療法専門医でも2~4%程度折ってしまっています。 

 

ファイル(ステンレス、ニッケルチタン)は比較的安定した材料です。

歯の中にある限り悪さはしません。

  

逆を言えば、メタルクラウンなどは電解質である口の中に露出させてしまっているのに何も問題にしません。

    

 

例えば、大きな根尖病変があり私がファイルを折ってしまったケース

2022 EEdental SiM (1).jpg

過去に2回ほど根管治療がしてあり、かなり太く神経管を削ってあるのですが、

感染している根のうち1本は手づかずの状態でした。

  

その手づかずで感染している神経管を治療していると

2022 EEdental SiM (2).jpg

湾曲が強かったのと、当時3世代目のファイルを使用していた為

湾曲に追随できなくプロテーパー(ユニバーサル)を折ってしまいました。。。

*患者さんにはファイルを折ってしまったことは説明させてもらいました。 

  

ただ、折っても洗浄をきちんと行えば

2022 EEdental SiM (4).jpg

術後7年病変は綺麗に治ってくれています。 もちろん症状もありません。

  

   

次のケースは痛みが取れないとのことで来院された患者さん

2022 EEdental Ya (1).jpg

術前時側面に広がる大き目の病変+外に飛び出したファイル

  

歯の外にファイルは飛び出しているので私の技量では除去出来ませんでしたが、

この歯も徹底的に洗浄を行い

2022 EEdental Ya (2).jpg

術後9年 病変も消えてくれ症状もなく落ち着いております。

   

 

逆のケース 遠方からの患者さんで1回目に来院時根管治療の話をして、

その後、近医の顕微鏡がある歯科医院で治療してから違和感が強くなったとのことで再来院

2022 EEdental F.jpg

病変があるのは近心根 ファイルが折れているのは遠心根

2回目来院時、ファイルは除去できているのですが・・・

反面、遠心根をかなり太く削った所見と根尖に大きなパーフォレーション。。。

穴埋めにMTAを使用したみたいですが、これってファイル取る意味あったのかな!?

 

 

個人的にはこのケースであれば感染している近心根を徹底的に治療し、

病変のない遠心根の破折ファイルは簡単に取れなければそのまま残したと思います。

痛みや違和感を出すのは細菌感染した根尖病変ですから、そこをまずは治療します。

  

   

患者さんには「取らなくても大丈夫ですか!? ファイルがあることのデメリットは!?」

とたまに聞かれますが、私は、

『再治療の際に邪魔な存在なだけ、取るのは大変で除去する為にはかなり歯を大きく削るから取れた所で今度は歯の強度に心配が出ますよ』

『個人的には今問題なく咬めていれば、病変がない限りそのままにしておく方が歯の寿命の面では有利』

と話します。  

問題ない歯のファイルを取る目的で、2回しかできない根の治療回数の1回を使うのは・・・

    

 

最初に戻りますが、ファイルが折れて痛みがあると、「ファイルが痛みの原因」

と言われることもありますが、

痛みの原因を疑うのであればまずは細菌感染を疑った方がいいと個人的には思いますね!( ̄▽ ̄;)

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