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感染根管治療 トライケースからの歯の保存
- 2022年2月 1日 09:02
- 歯内療法日記
患者さんは60代女性
最初の来院は2017年 全顎検査後
右下に虫歯特有の違和感があるのでここの部分を治療したいとのことで、
歯髄保存させブリッジ治療を行いました。
2019年
治療した右下には問題ないが、反対側の左下に違和感があり、
ブリッジが浮いている感じがするのことで再来院
かみ合う左上をインプラントにした後に透過像が進行しており
私は破折を疑い、インプラントにするなら早目に抜いてかかりつけの先生に
インプラントを入れられた方がいいと説明
インプラントはケースによっては周りの歯にダメージを与えることもあります。
その後連絡なく、1年以上経過した2020年
夜になると左側の上下の歯に痛みが出て来て痛み止めがないと寝れないとのこと
揺れがなかった右下のブリッジにも揺れが出てきており、
レントゲンを撮ると更に骨が無くなっている所見に・・・
歯根を取り囲むような所見であり・・・
ますます折れている所見に近い、原因としては歯ぎしりが最も疑わしい。
患者さんには、たぶん今の状態は抜歯が順当と繰り返し説明
ただ、患者さんはここ数年でどんどん抜歯になっていることもあり、
多少でも残せる可能性があるのであれば保存治療をトライしたい
とのこと、
患者さんと話し合い、
とりあえず破折線がないかクラウンを外して確定診断をすることに
大臼歯はクラウン&コア除去後に歯に破折線のないことを確認して、ガッタパーチャーで根管充填
小臼歯はクラウン除去後に大きな虫歯があり、症状も無かったので断髄を行いました。
過去に2回根管治療してあったのですが、治療してあったのは4根管中の2根管
でその2根管も根管口付近の処理だけで途中から石灰化
舌側の2根は全くの手つかずで、この2根は根の先まで探し根管充填
顕微鏡で見ると「あっ!ここ手づかずの神経管!?」とは分かりますが、
裸眼だと非常に分かりにくい場所に神経管の穴が隠れていました。
根管治療は難しいので仕方がありませんが、先生も出来ないと思われれば
途中で治療を終わらせるのでなく、患者さんに専門医に行くかどうか聞いてあげた方が・・・
第一大臼歯で神経管が2本という歯はまず神経管の見逃しです。
*必ず3~4本の神経管があります、過去の私が治療した最多は6本でしたが2本は経験がないです。
そこから定期的にレントゲン撮影を行い
久しぶりにレントゲンを撮ると、まだ多少透過像はありますがだいぶ骨が出来てくれています。
患者さんも腫れや痛みもないとのことで、この状態であればブリッジを作っても大丈夫かな!?
患者さんは「治療トライして良かった!」とおっしゃっていました。
今回のように残せるときは残ることがありますが、
術前のレントゲンではここまで回復するとは全く思えませんでした(-∇-;)
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