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近医の先生からの根管治療の依頼
- 2022年2月 8日 09:01
- 歯内療法日記
矯正予定の40代の女性患者さん
担当の先生から「土台の除去が難しそうだから専門医に行った方がいい」
との説明
レントゲンを撮ると
遠心根を取り囲むように、透過像があり折れているときの所見によく似ています。
また、長い金属の芯が入っております。
残っている歯質も少なく一歩間違えればパフォレーションを起こしてしまいそう。
こういうケースは超音波で除去を行えれば比較的安全にコア除去が出来ます。
ただ遠心根を取り囲むようなレントゲン所見もあり、
コア除去後に歯が折れているクラックが出てくる可能性もあることを患者さんに説明。
矯正の際に一番の肝となる第一大臼歯ですので、何とか保存したい。
とのことで通法の歯内療法を行うことになりました。
が、実際治療をスタートすると
遠心根のコア除去を行うと既に薄っすらパフォレーションを起こしておりました。。。
現在レジンコアは、金属の補強をしなくてもいいのですが、ひと昔前の保険治療は
レジンの補強の為に金属の芯を入れなさいというレギュレーションがありました。
逆に言えばこのレギュレーションがない今の時代なら起こってなかったかもしれません。
、遠心根は2本の神経があったのですが、神経管が近接していた為か1本の神経管が全くの手づかずでした。
*これは顕微鏡がないと判断が難しいと思います。
術後のレントゲンで解釈すると、
炎症の原因が歯の上と下に1つづつあり2つがくっ付いて大きな歯根破折様の所見になっていました。
この場合2つの問題が解決出来ないと治癒はしてきませんのでより難しい根管治療となります。
黄色部分に穴(パフォレーション)が開いていました。
2つの根尖にはガッタパーチャー根中央部のパフォレーション部にはMTAと使用
先日のパーフォレーションリペア
根管治療時の偶発症の1つ「パフォレーション」。。。 - EE DENTAL_Blog
たまにこのような歯に開けた所に感染が起こって問題化していることもあります。
仮歯で1年経過をみさせてもらい
1年予後のレントゲン 症状も一切ないとのこと
根分岐部の骨も綺麗に出来、病変も小さくなってきています。
これなら最終補綴を行い矯正しても大丈夫でしょう!
今回ご紹介をして頂いた先生のナイス判断だったと思います。
裸眼で土台除去を行うと下手したら穴を広げて抜歯になっていたかもしれませんからね!(?。?)
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