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根管治療 ガッタパーチャーの入りはそれほど気にしない

患者さんは昔から診させてもらっている60代の患者さん

他の歯で長いこと痛みで悩まされていましたので、左の上に小さな影があるのは分かっていましたが

このぐらいの大きさなら問題なく経過するケースも多くあり、症状もないことより6年ほど様子をみていました。

 

が、

 

最近になり歯茎に痛みが出てきた為、いよいよ根管治療を行うことにしました。

2022 EEdental YaY (1).jpg

積極的に介入しなかった理由の1つには

根が⚡型にくねくね曲がっており過去の治療でレッジが出来ている

*一度このような歯にレッジを作られるとオリジナルな根管の治療はまず不可能、だから1回目の根管治療が大切なんです!

 

「たられば」ですが、私であれば1回目は断髄したでしょうね。

このような⚡型の神経管は根の先まで治療出来ても削る量が大きくなるので、

まず断髄を行い、ダメなら根管治療をします。 

 

 

これだけ手の入った歯は、根管治療だけで治る見込みも低く外科的歯内療法が必要になりそうだったので

あえて積極的な介入は避けていました。

*痛みを抱えやすい人の外科は痛みを作るリスクもあるのでなるべく最小限の介入を心がけます。 

  

過去に2回根管治療を行ったようで太い土台が入っており残っている歯質もかなり少ない。。。

   

 

コアの不適合も気になるのでまずは通法の根管治療を

1回法にて+レジンコアまで、

2022 EEdental YaY (2).jpg

Kファイル+超音波で攻めてみましたが、根尖付近は石灰化しておりここまでしか開きませんでした。。。

ただHファイルなどを使用して神経管でもない所を削り根の先を目指すのは間違った根管治療だと思っているので私はしません。 

 

根管治療は細菌の数を減らす治療であり、ガッタパーチャーを根の先まで入れる治療ではありませんからね。 

 

 

ここから仮歯を入れて定期検診を行い、

痛み腫れが1年出なかったことよりセラミッククランを入れさせてもらい

 

1年6カ月

2022 EEdental YaY (3).jpg 

症状はなく、レントゲンでも根尖病変は小さくなってきています。

 

この先また根尖病変がぶり返す場合も極稀にありますが、

その際は外科で対処できるように戦略的な治療を行っております。 

  

 

ガッタパーチャー(ゴム)が入らなくても消毒さえきちんと行えれば、約6割は治癒します。  

 

ふた昔前はガッタパーチャー(ゴム)の入りは予後の成否に大きな影響がある的な考え方でしたが、今やそれは過去の考え方です。 

先生の中にはガッタパーチャーの入りが悪いから再治療しましょうなどの診断をされる先生がおられますが、根尖病変のない、痛い違和感のない歯の再治療は積極的にはしない方がいいと個人的には思います。

 

 

根管治療は2,3回の治療で打ち止め次は外科 or 抜歯となります。

歯を長持ちさせるにはまず診断です、次に技術、患者さんが最も気にされる材料とか道具というのは大分後のポイントになります。

  

今回の患者さん、痛みが出やすいので根管治療だけで済ませられて安心しました!ヽ(・●_・ )

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