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根管治療時の偶発症の1つ「パフォレーション」。。。

年に何件か「パフォレーションリペア」を行います。

パフォレーションとは、歯科医師が歯の側面などに穴を開けてしまうことで 

これは根管治療をする際にどうしても起こってしまうことで偶発症の1つです。

運悪くそこに細菌感染が起こると膿んできて腫れたりしてきます。

 

歯内療法を専門に行っている私ですが、専門に行っていても再治療の際に歯質が薄かったり虫歯が大きかったりすると数年に1本は起こしてしまうことがあります。

EEデンタル2021年 歯内療法専門医 根管治療傾向 - EE DENTAL_Blog

   

これらを起こしてしまった際には患者さんへの報告義務はあります。

が、こと日本では起こしてしまったのにも関わらず告知されることは少ないような気がします。

   

  

今回の患者さんも何年も歯茎膿が出続けるとのこと

2022 EEdental NaY (1).jpg

中切歯に小さな根尖病変があるのですが、

膿の原因は側切歯の側面に透過像があり、金属の土台の傾きもおかしい。。。

 

別方向でレントゲンを撮ると

2022 EEdental NaY (2).jpg

歯の軸(ガッタパチャーの方向)とは違った方向にメタルコアが入っており

歯に穴を開け、そこに細菌感染が起こったような所見。。。

 

根管治療の偶発症の1つであるファイル破折は、

根管治療時に知らない間にファイルを折ってしまうことはあるので、その場合患者さんへの説明が出来ない場合はありますが、

今回のように土台の形成時にパーフォレーションを起こせば、歯の中から出血があるので、歯科医師であれば100%

「あっ、パフォった。。。」と分かるはずです。

   

 

開けられた部分というのは最初は細菌感染がないので、

止血を行い速やかに穴埋めをすれば予後はいいのですが、今回のように穴に細菌感染が起してしまうと予後は悪いです。

 

ただ、現代はMTAというセメントがあるので昔では保存できなかったケースでも保存が可能になってきています。

 

側切歯はパフォレーションリペア

2022 EEdental NaY (4).jpg

 

中切歯は通法の根管治療

2022 EEdental NaY (3).jpg 

幸い根管治療後には歯茎の膿もなくなり順調に経過しております。

    

急いで治療したい気持ちも分かりますが、コア形成などは削れ過ぎるタービンなどの道具は使わない方がベターだと思いますね ( ゜口゜)

私は顕微鏡下で音波を使いGPの除去を行っております、このやり方では99.9%パフォることはないと思います。

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