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土台ごと抜けた前歯(差し歯)は戻すな危険!
- 2022年1月 5日 09:09
- 歯内療法日記
数年前に作った前歯の差し歯が土台ごと取れた友人
近所の歯科医院に行ってすぐにくっ付けてもらったとのことで
「すぐに前歯が入り助かったわ!」
それを聞いて、私が言ったのは、
「咬み合わせは高くない!? それと次外れたら作り直した方がいいよ」
「土台ごと抜けた歯戻すと、自分の歯が折れ抜歯になるよ!」
友人も先生から何も聞いてなかったので、ビックリしていましたが(笑)
すぐに再装着してもらえると患者さんは何回も通院せずに済んだ、安く済んだと思われますが、
今のレジン系の接着剤は30年前の接着剤に比べ相当優秀で簡単には取れません。
差し歯が取れる理由は
1、咬み合わせが過度に当たるようになり接着層が劣化した
2、中に大きな虫歯ができた
3、もともと作った修復物の適合が悪い
4、寿命(20年以上経過した場合は寿命だと思ってください)
だいたい、このどれかになります。
また、一度外れた差し歯、銀歯は頻繁に外れてきます。
その度に再装着していると自分の歯がやられ結果抜歯となります。。。
抜けた差し歯をくっ付けたことのある人なら分かると思いますが、
差し歯を戻すと咬み合わせが高くなります。
これは接着層がくっ付ける度に分厚くなり、結果差し歯が元の場所に戻らず浮いてしまうからです。
図1 元の状態
最初はこのように歯に対して被せ土台がきちんとフィットしていても
図2:土台ごと抜けた
特にフェルールのない差し歯は抜けやすいです。
図3:再装着した所
黄色の部分が接着剤
黄色の部分だけ差し歯が浮くので前歯の当たりが強くなり
結果金属の土台を使った歯などでは自分の歯(歯根)が折れてきます。(赤線部)
再装着を繰り返したケース
何度も再装着を繰り返したそうで元の位置から2mm近く歯が浮いています。
このような歯の多くは
ヒビが入っており
唇側の歯根が折れています。
折れた破片を抜歯し、止血した所
このケースは患者さんと話し合い、外科的レジンで歯の保存を試みました。
自分の歯がしっかりしていれば残せないこともありませんが、
*基本的にこのようなケースは抜歯が一般的で、残す方が特殊です。
抜けた差し歯をすぐに戻すということは、将来の自分を傷つけている側面もあります。
差し歯や銀歯や外れた場合、個人的には1回は再装着はありかな!?(咬み合わせの調整はマスト)
と、思いますが2回目に外れた場合は、再製した方がいいと思います。
*外れるには外れる理由があり、外れた理由を考えずに治療しても・・・
以上、友達に質問されたのでブログにしてみました(笑)
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