Dr.ブキャナンセミナーに
- 2012年9月23日 13:27
- 歯内療法日記
先週はみっちりエンド三昧でした。
気が付くと、今年の前半はレジン関係のものが多く、後半はエンド関係のものが多いですね^^;
やっぱり、一流どこの臨床的な感覚を話を聞けるのは為になります!
色々メモってきました。
今回の一番の収穫は、
「ボルテックスブルー」
このファイルは良い!ヾ(゚д゚ )
「マルテンサイト」と言う組成で、これが凄い!
使っていると、ブルーの削る部分が疲労で銀色に変化する。
オートクレーブ(滅菌器)で熱を加えると分子構造が元に戻り、色もブルーに戻る。
金属疲労を熱処理で元に戻す!
(金属内に蓄積されたダメージを熱でリセットする)
私の中では『革命』でした!ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ
あっ、これは寺内先生から教えて頂いた情報でした。
(ボルテックス・ブルーでボルテツファイブを思い出しました^^;)
http://www.dentistryiq.com/articles/2012/02/dentsply-vortex-blue.html
このサイト見ると、第4世代のMワイアーのNi-Tiファイルより更に折れにくいみたいですね。
(たぶん歯科の先生が読んでいてもマニアック過ぎて既に暗語に近いかも・・・)
さっそく近くにいた日本のメーカーの人に聞いたら、
「これ、日本で売るの!?」
「あっ、先生日本での発売はありません」
「即答ですか・・・今西さん」
「だって、今度新しいファイル販売しますもん」
「えっ、私買わないよWAVE ONE!」
「え、え〜〜〜・・・」
だいたい、「Pass File」とか中途半端なもの売るならこっちの薬事取りに行った方がいいのに・・・(> <;)
海外にはホント良い材料が山のように・・・
今回のセミナーでもブキャナン先生の準備したい道具の4割しか日本で手に入らなかったそうです。
他の国では当たり前に売っているものが日本では買えない。。。
日本の場合海外とは違い保険診療が主体の為、
道具の良い・悪いと言うの前に『安い』と言う基準をクリアーしないと販売はありません。
国が設定した治療費では赤字になるような道具は使えません。
当たり前です(。´-д-)
ブキャナン先生も言っていましたが、
「根管治療(エンド)はインプラントより難しい治療なのだから当然治療費もインプラント以上にならないといけない」
日本の場合
歯を残す歯内療法:3000円
歯を抜いてインプラント:30万円
もし、あなたが患者ならどちらを選びますか!?
もし、あなたが歯医者ならどちらを選びますか!?
因みに、歯科界の現状
歯内療法学会 :1800人
インプラント学会 :10000人以上
歯内療法はほぼ毎日95%の先生が行うのですが、治療費が高いインプラント学会の方が人気があります(ー△ー;)エッ、マヂ゙?
注意)、歯医者が悪い訳ではなく国の保険治療費設定が完全に間違えているのです。
良い治療、良い医療は誰もが受けたいと思っていると思います。
当然です、でもこれ以上医療従事者ばかりに負担を強いるのはどうなのかな!?と個人的には思います。
(因みにこのセミナーも医院を休みにして14万7000円払って受けているわけですからね、タダで受けている訳ではありませんので)
と言うことで、
「ボルテックスブルー」が日本で買えなければ・・・
e-bay見たけどないみたい・・・
http://www.ebay.com/sch/i.html?_nkw=DENTSPLY++FILES+&_sacat=0&_odkw=DENTSPLY&_osacat=0
じゃあ、来年のAAEで大量購入してきたいと思います( `・з・)ノ
前は、『GT-X』大量購入していましたね。
セミナーではブキャナン先生、「GT-X1本」で根管形成していましたね。
大臼歯の治療の1/3は1本で形成出来るそうです。
寺内先生とお話させてもらって
「ボルテックスブルー」で穿通させて、GT-X1〜2本で形成できるような気がします。
そうすると根管形成に革命が起こるかも!
いや、今回のハンズオンで感じたのは革命の匂い的なものを感じました。
今度の第3回ペントロンハンズオン(*1)に間に合えば、 やってみましょうか!?
杉原先生だけ受講料確実上がるけど6万円⇒14万7000円に(嘘)
(*1):募集は終了しています。
後、ブキャナン先生の衝撃的発言
『根管内容物は歯冠側から取れなかったら、根尖から押し出して掃除する』
根管内に汚れを残す方がフレアーアップの確率が上がる。
専門医レベルの話ですよ^^;
ブキャナン先生の臨床ではフレアーアップ(治療後腫れる、大きく痛む)が起こる確率は1%以下だと。
私も大体年1〜2名なので年間1%以下ですね。
世界的な文献では、8.4%とありますがそんなに起らないねぇ〜(・ω・;)
その他の臨床的な感覚もそんなに違わなかったので一安心!
(一流と三流という差はありますが、そこは置いておいて)
聞いていて思ったのが、ブキャナン先生は
根尖の最狭窄部を作業長の先端と位置づけているようでいた。
私の考えも師匠経由でブキャナン先生の影響がかなり入りこんだ術式なので、今回初めて術式、手順を聞きましたが、大体似ていました(>ω・)ノ
作業長も最後にしか測っていませんでしたしね。
ただ、コーンフィット(GPの試適)の際作ったGPの先0.5mmをカットしてオーバー根管充填にならないように配慮するのは知りませんでしたので、明日からさっそくマネしてみます。
またブキャナン先生
「根管はオープンにする時がある」そうです。
この理由は、まずは患者さんの痛みを取らないといけない
その為にはオープンも1つの治療選択肢であると
患者さんに2〜3日我慢してもらっても細菌を歯に入れないことを考えるのか!?
それとも入った細菌を効率的に減らす技術・考えを持ち一時的にオープンにするのか!?
考え方は分れる所です。
私の考えもブキャナン先生と同じで可能な限りオープンはしませんが、どうしようもない時は1日だけオープンにします。
歯を残すことも大切ですが、まずは患者さんの痛みを何とかしてあげたいと考えます。
一般の人へ
歯内療法(エンド)の考え方は大元の幹の部分はどこも変わらないのですが、
枝・葉の部分の考え方は色々あります。
私は師匠の影響が一番大きくアメリカでも西海岸よりのアグレッシブエンド(積極的に根の先まで掃除をする)なのです。
最近思うのは西寄りのエンドでもまた派閥が色々あるなと・・・
(枝・葉の部分ですからね 大切なので2度言いました!!!!(゚ロ゚))
アメリカと言っても1つの州が日本より大きいですし、アメリカ全土が同じ考えではないですよね。
でも、本当の所、ヨーロッパよりでも、アメリカよりでも、日本的でも治れば良い訳です。
治る確率が高いものを臨床家が勉強すればいい訳です。
(今信じられているエビデンスが覆ることも多々ありますし、今のトレンドが必ずしも未来のトレンドとは限りません)
非常に面白でした!
ホンダのTシャツって。。。
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