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レントゲン診断の限界と根管治療
- 2013年1月31日 09:21
- 歯内療法日記
根管治療を行う上でどうしても避けて通れないのが歯根破折
過去のブログで書いていますが、
神経を取った歯はモロくなるので大きく削って被せましょうという流れなんですが、
実は被せても折れます、割れますヽ(≧Д≦)ノ
例えば、
えっ、じゃあ先生の言うことは嘘!?
嘘ではありません。
実際アメリカの大規模調査でも被せていなかった歯の方が抜歯の割合がたかかったとの報告もあります(・∀・)
ただ、これは治療の質にも大きく関係してくると私は思います。
(いい加減なアマルガム治療もありますしね)
私の今の根管治療・破折をできるだけ回避する考えは
・なるべく歯を削らない、
・再治療にならないような感染のコントロールをした抜髄を行う
(再治療の度に歯は大きく減ります)
細かく見ると、
・神経を取る場合必要最低限の根管形成に留める
・根尖(根の先)の形成はあまり大きく開けない
・不必要なポストは作らない
・接着性のある材料を使用する
などの配慮はしています。
が、文献的には3〜10年で1.5〜3.7%の割合で破折が見られるそうです。
また一般の方はレントゲンなどで破折は見つけられると思われがちですが・・・
レントゲンでは全く分りません(・∩・)?アレ??≡
実は今日も破折症例に遭遇で・・・
術前、奥の銀歯から膿が出るとのことでレントゲンを撮らせてもらいました。
所見的には非常に上手な根管治療がしてありますが、
問題点も
・大きな金属の土台が入っている
一度再治療をさせて頂きしばらく経過を
お〜ぉ、いい感じで治ってきてくれた!
と思ったのも束の間
再び膿がでてきてしまい意図的再植術(外科)で治すことに
で一度抜いてみると・・・
「きゃ〜〜〜〜〜ぁ」
折れている。。。(黒っぽいスジ)
今回は根の先の方から割れてきていますから、根管治療から破折が起こったのでしょうか?
診療後にこの歯を使わせて頂き実験を!
レントゲンで破折を診断する時には
「破折線に対してレントゲン線が4度以内であれば破折の診断が行える」
とあります。
ではこの抜かせて頂いた歯
破折線に対してレントゲン線が4度以内になるようにレントゲンを撮ってみると!
破折線は、全く識別することはできませんでした(´ω`。)
じっさい、折れた場所が分っていてもレントゲンでは破折分らないんです。
ただし、レントゲンでも折れ方によっては分ります。
例えば、
赤丸の黒い線の部分が折れている所です。
ただし、この破折はバックリ割れていたケースで、目で見ても分ったケースです。
また、この部分に金属の土台などが入っていると、破折線は隠されてします。
大きく割れていても分らないです(ノ∇・、)
と言うように破折の診断は非常に難しいです。
もし破折の診断が治療前に90%の確率で分る器具さえ出ればたぶん100万ぐらいまでなら即買いすると思います。
どこかのメーカー研究して出してくれないかな・・・ (p_・q) チラッ
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