Home> 歯内療法日記 > 歯を残す為の治療法の選択(根管治療or外科的歯内療法)
歯を残す為の治療法の選択(根管治療or外科的歯内療法)
- 2014年5月23日 19:14
- 歯内療法日記
術前 右下6 左下7
左下は2カ月前に抜髄をしたものの痛みが取れず、同じ先生が2回目の根管治療中だったのですが、
先生に「痛みが引かないのでもうこれ以上治療は出来ない、抜歯する」と
言われたそうで、根の治療のことをネットで調べEEデンタルへ来院されたそうです。
また運の悪いことに、左下の治療中にも関わらず右下6が原因で歯茎が大きく腫れ痛みも出てしまっています ( ̄∀ ̄;)
とりあえず、右下の腫れは抗生剤を飲んでもらい落ち付けさせてその間に左の治療中の歯から着手しました。
左の下の奥歯は日本人に多い『樋状根』
この歯の神経の形態はかなり複雑で教科書的なパターンが通用せず、1本ずつ顕微鏡で手探りで治療を行います(;・д・)
その証拠にレントゲン上では一度目に入れたガッタパチャーのカスがイスムスという非常に細い隙間に入り込んで取れていません。
*イスムス:http://eedental.jp/ee_diary/2011/11/post-276.html ←かなり長文
左下は難易度の高い歯だったんですが、治療後2週間もすると痛みが納まり2日目の治療時には最終的な薬を入れることができました。
根管治療は闇雲に行っても治りません、原因らしき場所を見つけそこに対してアプローチする!d(・ω・ )
(書けば簡単なんですが・・・)
治療後1年(被せ物はかかりつけの歯科医院で)
綺麗に病変は無くなり、痛みなどは一切ないようです。(左下を治療したことも忘れていたぐらい順調です)
さてさて、問題は右下
一般の方に見やすいように病変部分を黄色くしてみましたが、
1つの病変は根の横に出来てしまっています。
また、レントゲンの白い線(GP)も中央ではなく右の方へシフトして、
前回の根の治療で本来の神経管とは違う部分を削って治療をしたことがうかがえます(p・Д・;)
こうなった神経管と言うのは本来の神経管の部分の掃除と言うものが困難で、論文によると40%程度成功率が下がってしまうようです。
根の治療は何度も行えません、また治療の度に前の術者が作ってしまった問題も同時に解決せねばなりません。
最後の根管治療 : http://eedental.jp/ee_diary/2014/05/post-956.html
つまり私が再び通常の根管治療をしてもこの歯は治る見込みは少なく、他の方法を考えねばなりません(ノω` )ノ
そこで提案したのが外科的歯内療法:http://www.eedental.jp/surgery.html
患者さんのOKをもらい外科を行うこと1年
綺麗に 骨が出来上がってきてくれています。
結果ことして、この歯も奇跡的に保存することができました! (´・ω・)ノ
歯を残す為の診断と戦略が歯科では大切なポイントです
- 購読
- Powerd By