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幼若永久歯における中心結節の破折と根管治療の予後

2012年に 患者さんのお母さんから相談された

中心結節が折れ歯ぐきから膿が出てくるという11歳の男の子

2019 EEdental KY (1).jpg

運悪く第2小臼歯の中心結節が折れてしまい、そこから感染して神経が死んでしまったようです。 

 

将来的なことも考え、出来るだけ歯を残すように

折れた中心結節から約3mmの穴を開け根管治療スタート

2019 EEdental KY (2).jpg

レントゲンの白い部分が仮蓋の部分

歯の中に硬組織の誘導剤を願い(アペキシフィケーション) 

「水酸化カルシューム」を顕微鏡下でごく少量根尖に置き 

  

まず2カ月経過観察を行い、膿が出てこなくなったとのこと。

   

更に2ヶ月後の治療開始から4カ月後、膿が出ていない

2019 EEdental KY (3).jpg

顕微鏡で根尖に硬組織があるのを確認して、根尖にMTAで根管充填(上部はGP) 

  

 

その日のうちにレジン充填

2019 EEdental KY (4).jpg 

  

膿や痛みがないまま経過し、

 

  

1年予後の12歳時

2019 EEdental KY (6).jpg

おぉ~、骨が出来てきてくれています!

口腔内 術後1年

2019 EEdental KY (7).jpg 

学校検診も正常歯ですり抜けたかと(笑) 

(神経を取った歯⇒被せ物 にする必要はありません)

  

 

今年になり前歯に虫歯が出来てしまったと来院された際に、右下のレントゲンを撮らせてもらい

2019年 17歳

2019 EEdental KY (5).jpg

なんとか抜かずに保存できました!

 

 

同じような似たケースの親御さん・患者さんに

永久歯は5~10歳にかけて歯ぐきの中で、根の先の方に向けて作られて行きます。

*土の中にニンジンができるようなイメージでいいです。

 

根の先が完成すると歯の神経の出口は0.5mm程度となります。

ただ、この歯の成長過程中に中心結節が折れ細菌感染してしまうと・・・

歯の先が未完成のまま止まり、膿が出てきてしまいます。。。

その根の先の神経の出口は非常に多きく2mm近くになることもります。

 

一般の方だとこの1.5mmの差は小さいものと思えますが、

歯科でいえばメチャメチャ大きな差で、面積でいれば「なんと16倍」

も開きがあります。 

 

根の先が大きいほど治療も難しく予後も悪く抜歯になる確率が上がります。

 

   

ニンジンの根の先が育つ前に感染が起こると、ニンジンが腐ってきてしまうのと同じです。

 

根の治療は専門性が大きく結果を左右することもあります。

また治療は誰に1回目に治療をしてもらうか!?というのも非常に大きな因子になりますので、

根管治療で困ったら歯内療法専門医に頼るもの1つです。

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