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手の感覚だけで削る奥歯の治療と問題点

最近、今年で45歳となり

歯科医師のピークを考え始めました。

  

個人的には歯科医師は

1、目の良さ

2、体力 / 気力

3、経験値

4、手先の器用さ

5、想像力 / 直感力

 

この中の最初の1、2は年々衰えて行きます。

歯科医師誰もが「老眼」というものに直面します。 

やはり、昔ほど見えなくなってきているのをここ1~2年で感じます。

 

また、体力の衰えもヒシヒシと海で感じます(・_ ・; )

  

 

特に気にしているのが「目」!

   

歯科は医科とことなり歯という立体物をさまざまな角度から削る為

見えないより見えた方が圧倒的にいいのですが、

現実は殆ど見えない所を感覚だけで削っているのが実情です。

  

その為に治療対象歯の隣の歯を削ったりだとか、根の側面に穴を開けたりだとか・・・

2019 kenbikyou.JPG

銀歯を入れた隣の歯が将来的に虫歯になるのはこの切削も関与していると思われます。 

 

多かれ少なかれ削ってしまいますが、

in.jpg

程度の問題もあるかと・・・

(歯科医師も技工士も気にならないのか!?気にしないのか!?) 

 

私はこれらのエラーを出来るだけ減らしたいので、なるべく顕微鏡の拡大視野でを行っております。

また、今までは裸眼で削っていた部分もなるべく顕微鏡を使用して削るようにし始めました。

(来る本格的な老眼の為です。)

 

歯ぐきの上の歯がこのように削られているのですから、

歯の中の根管治療ではこんなこともたまに起こります。

 

患者さんは40代女性

一度口の中を全体的に治しておきたいという患者さん。

 

術前

2019 EEdental NA1 (1).jpg

 近心根に根尖病変が見られます。

  

治療をスタートすると。。。

 いきなりパーフォレーション! 

2019 EEdental NA1 (3).jpg

 

根管の軸に比べ、前側にズレた部分を切削した為に起こったものです。

2019 EEdental NA1 (2).jpg

黄色い線が根管の軸

ポストを掘るにしても、顕微鏡下で見ながら行えばこのようなことは起こりません。

 

その後、通法の根管治療を行い

(近心根:MTA根管充填)

2019 EEdental NA1 (4).jpg

9カ月後には綺麗に病変が治ってくれたので、

これまた顕微鏡下で土台のマージン(縁)を整え、セラミッククラウンまで

 

真ん中の歯がセラミッククラウン

2019 EEdental NA1 (6).jpg

 

レントゲン

2019 EEdental NA1 (5).jpg

病変もなおり、セラミッククラウンも綺麗に適合しています。

 

クラウンを綺麗に適合させる為には、どれだけ土台の縁を綺麗に整えれるかです。

(これも顕微鏡があった方が圧倒的に良い!)

 

先日も1件ありましたが、

特に前歯の被せ物に段差があったりしてそこが磨けないと腫れてくることがあります。

http://eedental.jp/ee_diary/2014/09/post-1028.html

EEdental 2014a.jpg

↑こんなやつ

 

  

こういうケースは大体歯の支台歯(土台)の削り方がラフ!

DSC03093.jpg

クラウン除去後 マージンが一定ではない・・・

  

 

何にせよ、手の感覚で削る治療にはエラーが起こりやすいですし、

顕微鏡で治療するのは手間と時間と技術が必要になりますが、

もし私が治療を受けるのであれば顕微鏡はマストで使ってもらいたいですね!( ・ω・)ノ

(顕微鏡治療の多くは自費治療になりますが、やり直しの歯のダメージを考えれば1回の治療できちんと仕上げた方がいいと思います)

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