根管治療歯の限界
- 2020年1月25日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性
2013年に歯茎から膿が出るとのことで来院
樋状根であり、綺麗に治療できているとは思うのですが、根尖病変が見られ膿が出ていました。
何とか残したいとのことで、根管治療を行い
空洞の大きな樋状根でしたのでMTAで根管充填
1年仮歯で経過を見て、
膿、腫れ、痛みがなく綺麗に病変も治っていることを確認して
近医で保険のクラウンを入れてもらいました。
多少クラウンに段差はありますが、まぁ許容の範囲だと思います。
*クラウンに関しては、患者さんがEEデンタルでの治療を希望された場合行います。
術後4年経過した時にたまたま来院されたのでレントゲンを撮らせてもらいました。
根の方はいい感じで昔の病変などどこにあった!?という理想的な状態
*多少クラウンに段差はありますが、まぁ許容の範囲だと思います。
で、そこから更に3年経過した今年、
「腫れてきたから見てもらいたい」とのこと
レントゲンを撮り診察すると・・・
なんと、
なんと、
歯根破折の疑い濃厚。。。
12mmのポケット+根を取り囲むような所見。。。
3年前のレントゲンと比べると
根の周りに透過像が・・・、歯槽硬線も消えています。
折れている可能性が高い判断し患者さんに説明
樋状根で歯の中の空洞も大きいので対破折性を考慮してMTAを選択したのですが・・・
しいて言えば、
近医で入れてもらったクラウンがどフラットで真っ平なもので、変な咬頭干渉が出てしまった為か!?
神経を取った歯というのは神経のある歯に比べるとかなり折れやすいです。
これは神経の治療で歯の中を削った為、神経を取ったことで歯が鈍感になり強い力で咬み込んでしまう為
などが上げられます。
私にできることは歯の中を綺麗にして感染を抑えることで歯の保存を行います。
が、この破折は。。。
やはり世界的に有名な論文でもあるように
きちんと歯磨きができ、きちんとメンテナンスしている人の歯の喪失第1位は【歯根破折】。。。
個人的には根管治療をした最後大臼歯の咬合の与え方はよく考えるべきであり、
経験則からは全ての歯に咬合は必要ないと考え、
長く歯を守る意味でも最後大臼歯の噛み合わせは
側方運動は極力与えず、咬合は咬合紙1枚程度低めで調整を行うこともあります。
*これで体調が崩れるなどの人は今の所いません。
根管治療後の長期感染の有無は被せ物の精度・精密さ
根管治療歯の長期保存は破折防止の為のクラウンの形状と、噛み合わせの強さと考えています。
根の治療だけを専門にしている専門医の先生はこの辺りのことはどう考えているのだろうか!?
専門医の話を明日聞いてきたいと思います!
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