Home> マニアックレジン: 2014年7月アーカイブ
マニアックレジン: 2014年7月アーカイブ
前歯のレジン 審美性の限界
- 2014年7月25日 11:09
- マニアックレジン
前歯が気になる患者さん
以前、すきっ歯をレジンでベニアで治したそうなんですが、レジンの一部がかけ着色も見られます。
また、この歯歯茎の上にレジンがガッツリ乗っており、その部分も歯肉炎を起こしている状態でした。
歯の色を白くしたいとの患者さんの希望から、デュアルホワイトニングを行い
一度レジンを外して見ました。
すると残っている歯の部分がだいぶ少ないことが分かりました。
そこからレジン充填をして
このような術後になりました。
写真で見ると大体色は合っているのですが、
実は患者さんに「暗い場所では色が茶色っぽく見える」と指摘を受けました。
残念ながら今の歯科材料(レジン、セラミック)は全ての光に色が合う訳ではありません ( ノω-、)
言い変えると、天然の歯というのは、カメレオンのように入ってきた光で色がコロコロ変わります。
明るい太陽光、日陰、白い蛍光灯の下、オレンジ色の電球の下、様々なシチュエーションで歯の見え方は異なります。
残念ながら、今の歯科材料でこのカメレオンのような色の表現はできません(TωT)
ある1つの光源に対しての色合わせが今の歯科治療の限界です。
(この1つの光源に色合わせするもの難しい技術なんですけどね;))
特に今回のようなレジン治療は、残った天然の歯に半分人工物で色を合わせるので特に色が目立ち気になってしまいます。
(半分の色合わせ治療も難しんですが・・・)
詰めたレジンの色がシチュエーションで気になるとなれば、大きく削ってセラミッククラウンで治療をした方が目立たなくはできますが、
その代わり歯をかなり大きく削ってしまいます。
(あまりお勧めはできませんが、審美を優先するなら仕方がありません)
削ってセラミッククラウンを入れた所で、他の周りの天然の歯のカメレオンのような色はまた表現できませんので、またさし歯1本が気になってきてしまいます。
また気になれば、他の健康な歯を削ってセラミックで4~6本治療を行い人工物で補うほかありません。
歯科材料はメーカーなどの努力によりここまで色の再現性は可能になってきていますが、
実はまだまだ天然の歯の色というのは出せないのが実情です。
写真を見ると、このようには写りますが、実は限られた光源下での色のマッチングであることは知っておかれてください。
個人的には綺麗に充填できた方だと思います!(^ω^ )/
ホント歯科治療は奥が深い!!
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
なんとなく適応症がわかりつつある根管治療後のビルドアップ
- 2014年7月18日 09:14
- マニアックレジン
一般的には、
根管治療をした歯=被せ物にする
というセオリーがあるのですが、
私はケースを選んでレジンでビルドアップしてきました。
http://www.eedental.jp/buildup.html
こんな治療をし6年近く経過すると、ある共通したケースに術後問題が起こっていることに気がつきました( `・з・)ノ
よく言われる辺縁隆線が無くなると歯の強度が落ちるというのは本当なんだなと思います。
特にMOD窩洞など、近心・遠心の隆線が無くなってしまった歯に関しては咬合面を落としてメタルでアンレー
もしくはクラウンにする必要があるように感じます。
この辺りは論文でもあり、負荷実験ではMOD窩洞になるとガタッと歯の強度が落ちるようです(>。<;)
ただ、MO窩洞や、OD窩洞などであればある程度まだ歯の強度はあるようで、
私の臨床でもこの形態であれば大きな問題を起こすことは少ないです(^ω^ )/'''
術前 こんな感じで「コ」の時に健康な歯が残っているケース
過去に一度根管治療が行われていたのですが、
根尖病変がありお風呂に入ったりして体が温まると痛み・違和感が出るとのことで再根管治療に
(前の先生が私と同じような考えで神経を取っても部分的にハイブリットアンレーを入れてくれていました)
根管治療を2回行い違和感が無くなったのを確認して根管充填後
そこから足りない部分をレジンで作ってこんな感じに
このビルドアップは健康な部分を多く残せることが大きなメリットなのですが、
やはり症例選択というのは非常に大切なポイントになるものだと改めて痛感!
まぁ、欠損が大きくても残ってくれる歯はあるんですけどね!(⌒_⌒;)
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
松本先生のレジン話を聞きに (俺ノート)
- 2014年7月 9日 09:08
- マニアックレジン
6月22日に東京の方まで松本先生のレジンの話を聞きに行ってきました。
松本先生と言えば日本の審美レジンの第一人者
今回のセミナーは、明海大学の卒後研修で卒業間もない先生に混じってのセミナーでしたが、
非常に話がロジカルで、感覚だけでレジンを行っている私にはもの凄く為になるセミナーでした。
(自費レジンを行っている先生は是非とも聞いてもらいたい充実しな内容 結構アドバンスなこともさらっと説明してくれます)
忘れないようにブログにメモを
セラミックス=金属酸化物
ここ2年でクラレのMDAPの特許が切れ、レジン系のセメントに各社MDAPが配合され始めた。
この理由によりセラミックが外れにくくなってきている
⇒つまり、最新のレジン系セメントを購入すべき!
乳酸アルミニウムを圧排子に沁み込ませポケット内に入れると、浸出液をおさせることが可能
商品名: ・松風 USスタッド クリアー ・ウルトラデント ビスコスタッド クリアー
CR充填は絵に書けなければ、3次元に詰めることはできない
グラム陽性菌 歯周病の初期に関与している
(虫歯の菌だと思っていました・・・)
う蝕は独特の蛍光性を有しており、将来この発光を見て虫歯と判断できるツールが開発されている。
(特殊な眼鏡をかけると虫歯の部分が判断できるそう)
これが凄く気になるのですが、
S-PRGフィラー配合コンポジットレジン プラークがレジンの上に付着しにくい特性があるそう
またこのレジン、ホウ酸イオン:抗菌作用、細菌付着抑制 フッ素:周りの歯の強化、ストロンチウム:石灰化促進作用、耐酸性の向上、アルミニウム:知覚過敏抑制
などの作用がありレジン自体が生体にとってプラスに働く効果があるそうな!(レジンの周りの歯質強化に)
(どこまで効果があるかわかりませんが、松本先生がされているように2次虫歯になりやすい2級のボックス窩底部分に1層これを詰めるのは「あり」かなと思います)
つまりこの材料の特性が大きく出せれば、2次カリエスの抑制ができます。
また縁下のレジン充填にも有効なレジンになりますね!
ダグラス・テリー先生(超一流コンポジスト)
レジン充填1本:20万!(同じ材料使用して日本は1000円なのに・・・)
前歯の表面にテクスチャーが多いような歯のベベル付与はシリコンまでかけ、レジンの下になる歯質の光の乱反射を抑える(超マニアック!)
アセトン系のボンドはサラサラ系で出したら直ぐに歯に塗ること、
エタノール系のボンドはベタベタ系 どちらを使っているのか理解すること
レジンの研摩は熱が大敵!(レジンの剥離、艶の消失)
熱が加わらないような注水、回転数、道具のチョイス!
シェードテイキング
・デンチン色(ボディー):歯頚部1/3で見る
・エナメル色:切端1/3で見る
マメロンはボディー色より、1シェード暗めのものを選択する(超マニアック)
レジンの詰める厚みで明度が変わる。
つまり、少ない色でも厚みのコントロールで色は作り出せる!(超マニアック)
臼歯部ステインにホワイトがアクセントになる
タトゥーテクニック :裂溝のティントをファイルでレジンの中に差し込んでいく つまり咬合調整などすり減ってもティントが残る。
前歯の形態修整、研摩は左右対称の影を作るイメージ(左右対称の凹凸を意識する必要がある)
ダイヤモンド系ペースト前にP-ハイブリット(モリタ)のルージュで研摩する方がレジンが光る(←さっそく買いました)
MiCDインスツルメント(松風) #1は使えそう!
GDSピンポイントぷローラーは熱処理していないのでベンディングが可能
新人歯科医師の先生に混じってのセミナーでしたが、1日かなり収穫がありました!
さて、この収穫をどこまで取り込めるか!?
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
白水からレジン充填器が届いた
- 2014年7月 2日 10:38
- マニアックレジン
先日、「ZEISS」のステッカーをくれた白水から
http://eedental.jp/ee_diary/2014/06/post-979.html
今度はレジン充填器一式が届いた。
色々あるんだねぇ~
と、言うか白水自体「レジン充填器」を扱っていることすら知らなかった。。。 (´-ω-`;)ゞ
この中で使えそうなものをチョイス!
このピンクの充填器は今までに見たことない形で、興味がありますね!
また緑色の充填器の先も非常に細くいい感じなのですが・・・
ただ、私の使っているCi激細・激安探針にコスパでは勝てないだろう・・・
白水さんありがとうございます、一度使ってみます!(`・∀・)ノ
そして使えなかったら、即封印します(笑)
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
初めてのカラベリー結節
- 2014年7月 1日 10:44
- マニアックレジン
上顎の第一大臼歯という歯には、 『カラベリー結節』と言う小さなコブ状の歯がくっ付いているような歯があります。
私の左上にも『カラベリー結節』があるのですが、この大きさは人それぞれで、一般的には無い人の方が多いです。
このコブがあると治療が厄介になることがあります。
患者さんは銀歯を入れる治療をしてからフロスが通らなくなってしまったとのこと・・・(; ̄д ̄)
最初、「何なの!この違和感がある形態の詰め物」(;´・д・)
顕微鏡で見た銀歯のアップ
普通の銀歯とは明らかに形状が違い、特殊な歯の輪郭でありことを感じました。
レントゲンで銀歯の中の虫歯も気になったので一度銀歯を外してみると
かなり発達したカラベリー結節が出てきました。
さて、この状況からどう治そうか!?( -ω- ;)
ゴールド修復を行っても同じ結果になりそう・・・
レジンで詰めるにはかなり難易度が高そう・・・
10秒考えた末に
「レジンで詰めさせてください、途中で無理だと判断したらゴールド修復します」ヾ(・ω・)
(たぶん技工士メチャ嫌がると思うけど)
で、この歯をレジン充填してみました。
術後
たぶん、本来の歯の形はこうであったと思います(>ω・)ノ
パズルみたいな詰める順番を考えながらのレジン充填でした。
たまたま綺麗に詰めれましたが、
もし次にカラベリー結節の歯の治療の時には色々参考になる点が多く得られた1症例でした(っ・∀・)っ
我々の仕事は1つづつの手作業ですからね、治療した歯から得られる経験値というのは非常に強みになります!
- Comments (Close): 0
- TrackBack (Close): 0
- Newer: マニアックレジン: 2014年8月
- Older: マニアックレジン: 2014年6月
Home> マニアックレジン: 2014年7月アーカイブ
- 購読
- Powerd By