Home> 歯内療法日記: 2017年1月アーカイブ

歯内療法日記: 2017年1月アーカイブ

たまにある下顎前歯の2根管

昔入れた前歯のセラミックを綺麗に治したいという40代の患者さん

 

レントゲンで診査すると・・・

2016 EEdental AH 1 (1).jpg

怪しい影があり、根管治療からきちんと行うことに

 

根管治療してみると、

左下2は変な部分にガッタパチャーのカスが引っかかる場所があり、

0.1mmの道具を差し込むとヤスリの先端がが少し入る。。。

 

もしかしてこれは!?(ノ-∀-;)

 

1本の歯の神経管は2本に分岐しているタイプでした。

前の先生は1本の神経管を綺麗に治療していましたが、実はもう1本が、、、

2016 EEdental AH 1 (3).jpg 

0.08mmのファイルでひたすらターン&プル

左下1は根尖が開いていたのでMTAを使用

左下2は通法通り、GPとシークエンシー(バイオセラミック系シーラー)

 

治療回数:1回(2時間)

根管治療(11万)+レジンコア(2万)+仮歯(1万)

 

根の治療は家の基礎工事ですから

model.jpgのサムネイル画像

しっかりやっておいた方がセラミックも長持ちします!

  

顕微鏡は小さなものを拡大して見ることができるので、歯科治療にはあった方が個人的にはいいと思っていますヽ( ̄▽ ̄)ノ

2016 EEdental AH 1 (4).jpg

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

抜歯宣告! それでも何とか歯を残すのが歯内療法専門医

「痛みが止まらず、膿も出ており歯を抜かないといけない」 

という30代女性患者さん 

   

話を聞いてみると、

3か月前に大きく腫れ切開なども2度行っている

担当医から「抜歯」の可能性が高いと言われたとのこと。

  

実際見てみると・・・

2017 EEdental ET (1).jpg

歯の中は大きく削ってあり、肉芽組織で満たされています。

またレントゲンで見える白い線は歯の外に出たガッタパーチャー(ゴムの薬)。。。

  

この場合外に飛び出たガッタパーチャーは根管治療では取れません。

またガッタパチャーは細菌が繁殖する足場になるので、

歯の外に出ると治療が複雑化して難治化していることも考えられます。

 

患者さんには残す方向で治療は行うが、

根管治療後に外科的歯内療法で外に出たガッタパーチャ―除去を行う必要が出てくるかも!?

と話し

 

前歯なので何とか残したいとのことで治療スタート

 

歯の中の肉は過去に見たことない量入っており

更に+パーフォレーション!もあるのか!?

   

幸い歯の側面に穴はなく、歯の先端から長期間にわたって入ってきていた肉芽でした。

 

1回目の治療で歯の中の汚れを取り除き、徹底的に根管洗浄

 

1ヶ月後に2回目の治療

話をすると1週間弱い痛みがあったが今は全く痛みはない

 

じゃあ、根管充填!\(・ω・ )

2017 EEdental ET (2).jpg

根の先が大きく削ってあったのでMTAをチョイス!

  

そんなこんなで7カ月

2017 EEdental ET (3).jpg

痛み、膿もなく経過しています(・∀・)ノ

 

*患者さんには外に出ているガッタパチャーは、問題になった時に外科で除去すると説明しています。

 

ガッタパチャーに細菌感染が起こっていることが

今の歯内療法の世界では言われているので、なるべくならガッタパチャーは歯の外に出さないように治療をした方がいいと思います。 

 

ただ入口から出口方向への一方通行の治療なので、時に出てしまうこともあります。。。

 

何とか残ってくれればなぁ~と思います!(ゝз・)ノ

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

EEデンタル2016年 歯内療法専門医 根管治療傾向

スタッフにカルテから統計を採ってもらいました。

  

2016年歯内療法歯:176本

抜髄:20本(前歯2本 小臼歯4本 大臼歯14本) 11.4%

感染根管:156本(前歯38本 小臼歯43本 大臼歯75本) 88.6%

*感染根管が多いのと、奥歯の頻度が高いですね 

 

外科的歯内療法:10本(私は積極的に外科をする専門医ではないので少ない数字だと思います)

ヘミセクション・トライセクション:3本

  

パフォレーションリペア:14本(8%)(もっと穴埋めしているイメージがありましたがこの程度です)

ファイル破折除去:5本(2.8%)

 

MTA根管充填:79本 (44.9%)

  

 

「フレアーアップ」:3本(1.7%)←専門医の平均8.4%なので低い方かと思います。

http://eedental.jp/ee_diary/2014/10/post-1042.html  

私が起こした「ファイル破折」:3本(1.7%)←専門医の平均2~5%ぐらいと平均レベル、やはりファイル破折はゼロにはしたいですね。

http://eedental.jp/ee_diary/2015/08/post-1235.html 

私が起こした「パーフォレーション」:0本(ここ5年パフォは起こしたことないです)

 

 

以上のような数字になりました。 

客観的に見ることで、自分の技術評価を行います。

 

根管治療の難しさに悩む日々ですが、精進して少しずつでも上手になりたいです。

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

大きな病変の感染根管治療後4年半の治癒症例(歯内療法専門医)

4年ぶりに来院された患者さん

以前根管治療させてもらった患者さん

2017 EEdental FK (1).jpg

かなり大きく骨が溶けている所見があります。

 

根管治療を行い4年半後

2017 EEdental FK (2).jpg

黒い影は無くなり、健康そのものの骨が出来上がってくれています(・д・)ノ

*MTAで根管充填 

  
病変が大きい=治らない

という図式にはならず、きちんとしたステップで治療することで治ってくれる歯もあります。

 

ただし、どれだけ頑張っても成功率は100%にはならないのが医療。。。

 

歯科治療は難しいです( ̄。 ̄;)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

Home> 歯内療法日記: 2017年1月アーカイブ

購読
Powerd By

Return to page top