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歯内療法日記: 2018年8月アーカイブ

中心結節が折れたことによる歯髄壊死(歯髄感染)

13歳の女の子

5年前に一度来院され、その時は問題なく

引き続き大学病院で経過をみてもらっていたのですが・・・ 

 

 

歯ぐきから膿が。。。

2018 EEdental MAY (1).jpg

話を聞くと半年前に一度大きな痛みが出た。

 

近医の先生はまだ神経が生きている可能性があるから経過観察といわれている。

 

 

レントゲンを撮ってみると

2018 EEdental MAY (2).jpg

確かに、よく分からない・・・

口の中は、 

2018 EEdental MAY (4).jpg

中心結節が折れたと推測できるが・・・

第一小臼歯、第2小臼歯の2本のうちどちらか・・・

 

よく分からないときはCBCT

2018 EEdental MAY (3).jpg

ん~~~、病変の大きさ的には第2小臼歯

ここまで立派に骨が溶けていれば、神経が復活する可能性は「ゼロ」だと説明

 

むしろ、2本神経を取る恐れもあると説明

 

根の先が未完成であれば、

「リバスクラリゼーション」

http://eedental.jp/ee_diary/2016/08/post-1447.html

という淡い期待もあるのですが、、根尖が既に完成しているので無理っぽい・・・ 

 

 

来院2回目矯正装置が外れていたので、歯髄電気診断を行うと

第一小臼歯:8 第2小臼歯:無限  

*当院のものはMaxが10

  

お母さんに怪しい方を説明して、まず第2小臼歯の根管治療を行うことに

若い患者さんですから、 

2018 EEdental MAY (5).jpg

2mmぐらいの穴から根管治療

 

治療2回目

2018 EEdental MAY (8).jpg

膿が消えていません。。。

 

レントゲン

2018 EEdental MAY (7).jpg

やはりよく分からない。

根管形成後は通常は次亜塩素酸Naの超音波洗浄を行うのですが、

いかんせ、最初から根管が太いので、あまり大きくは拡大したくないので、

このケースに関してはX-pendを使用して念入りに洗浄

お母さんにもしかしたら手前の「第一小臼歯」も神経の治療が必要になるかもと話す 

 

 

治療3回目

2018 EEdental MAY (10).jpg

まだ膿が・・・


まだ膿が見られるので、ガッタパチャーを入れレントゲン

2018 EEdental MAY (9).jpg

 

顕微鏡下では第2小臼歯の歯の中は膿はなく綺麗そのもの

 

再び電気歯髄診断を行うと第一小臼歯:8(2回とも) 

 

私は3回同じ処置を行い治らなければ次のステップに進むべきだと割り切っているので

次も膿が止まらなければ手前の歯の神経の治療を行うことを勧め、とりあえずその日も徹底的に根管内洗浄

 

 

治療4回目 

2018 EEdental MAY (11).jpg

膿が無くなっている! 

 

ということで、根管充填+コア+レジン充填 

2018 EEdental MAY (12).jpg

 

術後レントゲン 

2018 EEdental MAY (13).jpg

なるべく、歯質の保存を試みて形成したのですが、「太い!」 

 

 

今週、術後3カ月ということで診査を行うと

2018 EEdental MAY (14).jpg

膿も出ていないようで、

 

レントゲン所見も 

2018 EEdental MAY (15).jpg

歯根膜の所見がはっきりしてきて、骨が出来てきているよう

*若いので被曝を抑える為CBCTでの診査は行いません。 

 

また手前の第一小臼歯の電気歯髄診査:3

と正常値に近く回復してきているので、とりあえず手前の歯は何もしないと判断

 

1年後に最後の診査をしておしまいとなります。 

 

 

ホント今回のケースは良い経験をさせてもらいました。

大人と、子供は体の治りのルールに違いがあるような気がしています。

子供の方が回復力が高いので、何が起こるか分かりづらい

大人の方がだいたいのルールや経験則に則って治癒してくる感じがします。 

  

そう言えば、大学でも

「子供と大人は別の生き物」と教えられたのを思い出します( ̄▽ ̄;)

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歯を残すこと、その後に難しい色合わせ

お騒がせしました、無事昨日退院できました。

今日から通常診療に戻ります。 

 

先々週終わったケースになるのですが、

C色の歯の色の患者さん

2018 EEdental SA1 (2).jpg

前歯に1本上手なセラミックが入っているのですが・・・

 

違和感の原因は根尖病変のようです。

2018 EEdental SA1 (1).jpg

根尖病変がある歯にセラミックが入っていると、

その歯は【外科の対象歯】という基準もありますが、

私はこの基準大反対!

 

高価な被せ物を外さず行う外科処置(歯根端切除)の

成功率は50%と言われおり、この外科処置が失敗すれば抜歯となります。

 

いくらでも作り変えの効く1cm程度の小さな人工物の為の治療方針で抜歯になっていては・・・

 

非常に上手なセラミックでしたが、

患者さんにまずはきちんと根管治療を行い歯の保存を行いましょうと話をし

根管治療後、他の歯のレジン治療をやり直しました。

2018 EEdental SA1 (0).jpg

根管治療した歯の仮歯はレジンのステイニング剤でちゃちゃっと色付けしました。

 

基本的に私は、A系の色以外の患者さんには最初に「たぶん色合わせれないよ」とお話します。

今回たまたま綺麗に詰めれちゃいましたが、超マグレです。 

 

*最近よくやる前歯の小技に「ホワイトステイン」があります。 

今回の場合、オレンジ系の色も混じっていたので「オークル」もステイン材料で使用してみました。

 

  

審美は置いておいて、私の主は「歯を残すこと」ですから、

根管治療後

2018 EEdental SA1 (3).jpg

骨が出来てきているのを確認して、

セラミッククラウン!

2018 EEdental SA1 (4).jpg

患者さんも「うゎ、自然な感じ!」と喜んでくれました!

 

偶然が重なり綺麗に治療できた1ケースです。

患者さんに喜んでもらえてよかったです(・ε・)ノ

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根管治療のやり直しってどうやるの!? 患者さん説明動画

銀歯、土台を外して、歯の中のピンクのゴムを取り

細菌の温床である虫歯をきちんと取り除き

唾液・細菌が入らないようにプラスチックで補強を行い

その後、ラバーダム(青いゴムマスク)をしてから

本来の神経管を探して、掃除、消毒、

新たなゴムをできるだけ緊密に詰め、

レジンで土台を作ります。 

 

こんな感じで治療を進めていきます。 

個人的には長期予後には土台の精密さが重要と考えているんで

特に土台にはこだわりを持って行っております。

 

レジンも専門なので、根管治療後の土台にもその知恵と技を使います!

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20年悩まされている根尖病変から腫れと痛みで抗生剤点滴 

抜歯率の高い側切歯(2番)

 

40代 女性患者さん

20年前に膿がでるとのことで根管治療を行う

2012年 疲れるとまた膿が出るとのことで同じ歯を3年間根管治療するも治らず

2017年 口腔外科で歯根端切除術

同年 12月 再び腫れ 切開&抗生剤の点滴

2018年 再び腫れ 切開 

 

そんな中、なんとか残したいとのことで

スリーミックス(抗生剤混ぜ混ぜ療法)にトライ

 

するも治らず  

 

EEデンタルへ

術前

2018 EEdental KM (0).JPG

ブッといメタルコア・・・(太い!)

外科処置後の部分からは膿と出血・・・

 

歯の裏側を見ると、

2018 EEdental KM (1).JPG

3Mixで根管治療をしたようですが、

個人的に思うのは、

置き薬で治るようなら世界の歯内療法の術式が変わりますよ。。。

 

ただ、これだけ太いメタルコアが入ってると先生も何んとか残してあげたいと思い行った治療かと思います。

外科処置も太いメタルコアが入っていた為行った手技かと思います。

 

きちんと接着操作を行えば、こんな太いコア入れなくても・・・ 

 

 

最初の診断で患者さんには

「残すのは難しいけどやるだけやってみる!?」

基本的に歯内療法専門医はどれだけ大きな土台が入っていてもだいたい取れます。

 

十分な治療時間を取り1回法で

2018 EEdental KM (2).JPG 

メタルコア除去、洗浄、MTA根管充填、ファイバーコア、仮歯

治療時間:2時間 

 

 

そして、今週3カ月予後でレントゲンを撮ると

2018 EEdental KM (3).JPG

「おぉ~、骨出来てきていますね!」

患者さんも治療後から痛みも腫れもなく快適とのこと

 

ただ・・・

 

前の外科処置を行い膿と血が出ていた場所が・・・

2018 EEdental KM (4).JPG

根尖が出てしまっています。。。

 

もう3カ月様子を見て治癒傾向があれば、

外科を行い出てしまった根の先を隠そうと方針を出しました。

(減張切開なんて何年ぶりに行うか)

 

根の治療は早い段階で歯内療法専門医にかかった方が歯を残せる確率が高くなります。

また外科をするのであれば、これも歯内療法専門医の外科的歯内療法の方が成功率が30~40%高い術式なので、歯を残したければ・・・

 

歯内療法専門医という歯を残す専門の先生がいることを知っておかれた方がいいですよ!

3年も根管治療なんて、専門医ではまずありえません・・・

同じ歯を半年治療している患者さんは次のアクションを考えた方がいいと思います。

http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-843.html  

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