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中心結節が折れたことによる歯髄壊死(歯髄感染)
- 2018年8月30日 09:13
- 歯内療法日記
13歳の女の子
5年前に一度来院され、その時は問題なく
引き続き大学病院で経過をみてもらっていたのですが・・・
歯ぐきから膿が。。。
話を聞くと半年前に一度大きな痛みが出た。
近医の先生はまだ神経が生きている可能性があるから経過観察といわれている。
レントゲンを撮ってみると
確かに、よく分からない・・・
口の中は、
中心結節が折れたと推測できるが・・・
第一小臼歯、第2小臼歯の2本のうちどちらか・・・
よく分からないときはCBCT
ん~~~、病変の大きさ的には第2小臼歯
ここまで立派に骨が溶けていれば、神経が復活する可能性は「ゼロ」だと説明
むしろ、2本神経を取る恐れもあると説明
根の先が未完成であれば、
「リバスクラリゼーション」
http://eedental.jp/ee_diary/2016/08/post-1447.html
という淡い期待もあるのですが、、根尖が既に完成しているので無理っぽい・・・
来院2回目矯正装置が外れていたので、歯髄電気診断を行うと
第一小臼歯:8 第2小臼歯:無限
*当院のものはMaxが10
お母さんに怪しい方を説明して、まず第2小臼歯の根管治療を行うことに
若い患者さんですから、
2mmぐらいの穴から根管治療
治療2回目
膿が消えていません。。。
レントゲン
やはりよく分からない。
根管形成後は通常は次亜塩素酸Naの超音波洗浄を行うのですが、
いかんせ、最初から根管が太いので、あまり大きくは拡大したくないので、
このケースに関してはX-pendを使用して念入りに洗浄
お母さんにもしかしたら手前の「第一小臼歯」も神経の治療が必要になるかもと話す
治療3回目
まだ膿が・・・
まだ膿が見られるので、ガッタパチャーを入れレントゲン
顕微鏡下では第2小臼歯の歯の中は膿はなく綺麗そのもの
再び電気歯髄診断を行うと第一小臼歯:8(2回とも)
私は3回同じ処置を行い治らなければ次のステップに進むべきだと割り切っているので
次も膿が止まらなければ手前の歯の神経の治療を行うことを勧め、とりあえずその日も徹底的に根管内洗浄
治療4回目
膿が無くなっている!
ということで、根管充填+コア+レジン充填
術後レントゲン
なるべく、歯質の保存を試みて形成したのですが、「太い!」
今週、術後3カ月ということで診査を行うと
膿も出ていないようで、
レントゲン所見も
歯根膜の所見がはっきりしてきて、骨が出来てきているよう
*若いので被曝を抑える為CBCTでの診査は行いません。
また手前の第一小臼歯の電気歯髄診査:3
と正常値に近く回復してきているので、とりあえず手前の歯は何もしないと判断
1年後に最後の診査をしておしまいとなります。
ホント今回のケースは良い経験をさせてもらいました。
大人と、子供は体の治りのルールに違いがあるような気がしています。
子供の方が回復力が高いので、何が起こるか分かりづらい
大人の方がだいたいのルールや経験則に則って治癒してくる感じがします。
そう言えば、大学でも
「子供と大人は別の生き物」と教えられたのを思い出します( ̄▽ ̄;)
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