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歯内療法日記: 2019年11月アーカイブ
またお前か・・・
- 2019年11月30日 09:04
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
右下奥歯が痛く、近医を受診すると抜いた方がいいと言われ、
EEデンタルに来院
レントゲンを撮ってみると・・・
近心根に大きな病変!
は、いいんだ。
問題なのは以前の根管治療で本来の神経管とは違う所に開けた穴
(オリジナルな根尖ではない場合極端に成功率は低くなります)
更に問題は根の先から押し出しをした水酸化カルシューム。。。
モヤモヤ白い物
基本的に今の私の考えは、余計な人工物は歯の外に出さない方がいい
という考えで、水酸化Caなどの劇薬は歯の中に留めるべきと考えています。
(文献的にも)
昔から書いているので、似たような記事も
http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-832.html
http://eedental.jp/ee_diary/2015/02/post-823.html
外に出ている水酸化Caの神経毒による痛みの可能性残ることもあるとお話して、
まずは通常の根管治療を行い(治療回数:2回)
で、経過をみていきました。
幸いなことに1年後 痛みも無くなり、
骨も出来てきてくれています!
「水酸化Caなどの薬剤を病変内(膿袋)に入れる治療」
より
【歯の中の細菌を徹底的に除去して数を減らす治療】
を行った方がリスクも少なく治る確率は高くなります。
歯内療法専門医はどうすれば治るか!?ということを大原則に行います。
私の尊敬する先生が、先生は『「治療」と「作業」は違う』とおっしゃられていたのを思い出します。
悪くなってしまった歯の根管治療は非常に手間がかかります。
また、術式によってはエビデンスの低いリスクの高い方法も存在します、
外から見ると同じ歯科医院という看板ですが、施術内容は各歯科医院でマチマチです。
根の問題は歯内療法専門医を頼ってもらうのが個人的にはベターだと思います!
ただ、専門医といっても全て治せる訳ではないのですが・・・(p・Д・;)
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神経の無い歯の保存は3ピースの治療の質
- 2019年11月26日 09:09
- 歯内療法日記
レントゲンを撮らせてもらいました。
細菌感染して膿んでしまい、なおかつ健康な歯の部分が少ない歯
この歯を長く保存させるには
1、ルールに従った根管治療で徹底的に菌の排除
2、残り少ない歯の補強と新たに菌の入らないような緻密な接着・充填
3、段差の少ない・適合の良いクラウンの製作
この3つのピースの治療全てが上手く行かないと歯の保存は出来ません。
精度の良い・悪いとは何基準とするのか!?
私の場合は、全て顕微鏡でのチェック&治療で行っています。
そうすることで裸眼では分からなった単位での治療が行えます。
従来の手の感覚で行う奥歯の治療ではどうしてもエラーが出やすく
今回のようなレントゲンの歯は「抜歯」というのが一般的になってしまうかと思います。
悪くなってしまった歯ほど手間と時間をかける必要があります。
自分の歯を保存したい人、抜いてインプラント、入れ歯でいいと思っている人
患者さんによって価値観は様々なので、もし自分の歯を保存したいという患者さんは
EEデンタルとマッチングしていると思います。
いやいや、今回のケースも色々勉強させていただきました!( ・∇・)
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意外に多い根管の見落としと 0.06mmの道具を駆使する根管治療
- 2019年11月19日 09:07
- 歯内療法日記
歯の中にある神経管
部位ごとに大体本数が決まっており、
前歯:1~2本
小臼歯:1~3本
大臼歯:1~6本
と目安になるものはあるのですが、
実は2本でも神経管が寄り添っており手の感覚では1本に感じたり
Y字になっており、途中から2本に分岐したりするケースもあり簡単な治療ではありません。
見逃しはないことが理想なのですが、いかんせ発見の難しい歯というのは顕微鏡でも強拡大
(私の顕微鏡でいえば13倍ぐらい)で見ないと発見できないことも多々あります。
例えば、先週のケースの場合
髄腔開口を終えた所 だいたい開けた穴は3mm以内
この黄色い丸の部分約1mmの部分から
拡大後
3本の神経管が現れました。(本来の髄床底から下に1.0~1.5mm削っています)
*NCを入れて観察(ドライの状態だと3根見えません。*レンズ効果)
この歯はかなり難易度が高いケースで、穿通・拡大に45分近くかかりました。
先端が0.06mmの#06&先端が0.08mmの#08を駆使してガイドを作り、超音波、オリフィスオープナーで上を探り、
#10穿通後ニッケルチタンで拡大
因みに、口蓋根(P根)は太い神経だったので、1分で根管拡大は終わりました。
神経の治療で神経管を探すというのは、
「3畳の部屋の真っ暗な床の上に10円玉数枚落としました。全部拾ってください。」
と同じようなものですから、現実取り残しは出てしまいます。
今回の患者さんのケースも、手の感覚で行う根管治療では仕方がないという見落としケース
2本の歯に病変が見られますが、治療を行うと、
2本のうち手前の歯は神経管が2本あり、まんま1本手づかずの状態でした。
そこをきちんと治療してみると綺麗に病変は治ってくれました。
この下顎の小臼歯は10~20%の歯に2本の神経管が見られます。
今回のケースも入口は1つで途中の辺りで2つに分岐していた「Y」字です。
2本ある思って治療を行うのか、1本しかないと思って治療を行うのかで発見率は変わってきますし
今回のように途中から分岐するようなケースには顕微鏡がないと見つからないこともあります。
というか「見つからない」!
ただ、これ部屋に何枚落ちているか?
知っていると強いですよね!
専門医は歯の位置でだいたい出てくるだろう10円(根管)の数を知っているので
その点は取り残しが少なくなります。
ホント根の治療は細かい作業の連続です!( ・д・)
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極々稀にある流注膿瘍
- 2019年11月 7日 09:10
- 歯内療法日記
以前のブログ
http://eedental.jp/ee_diary/2009/11/post-2.html
治療から10年後のレントゲン
かなりいい感じで治ってくれています。
現在であれば術前にCBCTなどで診査しているケースですが、
この当時は正放線、偏心投影の2枚のデンタルで診断していました。
ホント歯科って診断あっての、治療だなと感じた一症例ですね( ゜ー゜)
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