Home> 歯内療法日記: 2019年11月アーカイブ

歯内療法日記: 2019年11月アーカイブ

またお前か・・・

患者さんは40代女性

右下奥歯が痛く、近医を受診すると抜いた方がいいと言われ、

EEデンタルに来院

 

レントゲンを撮ってみると・・・

2019 EEdental SM1 (1).JPG

近心根に大きな病変!

 

は、いいんだ。

 

 

問題なのは以前の根管治療で本来の神経管とは違う所に開けた穴

(オリジナルな根尖ではない場合極端に成功率は低くなります) 

更に問題は根の先から押し出しをした水酸化カルシューム。。。

2019 EEdental SM1 (3).JPG

モヤモヤ白い物

 

基本的に今の私の考えは、余計な人工物は歯の外に出さない方がいい

という考えで、水酸化Caなどの劇薬は歯の中に留めるべきと考えています。

(文献的にも)

 

昔から書いているので、似たような記事も

http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-832.html 

http://eedental.jp/ee_diary/2015/02/post-823.html 

 

外に出ている水酸化Caの神経毒による痛みの可能性残ることもあるとお話して、

まずは通常の根管治療を行い(治療回数:2回)

 

で、経過をみていきました。 

 

幸いなことに1年後 痛みも無くなり、

2019 EEdental SM1 (2).JPG

骨も出来てきてくれています!

 

「水酸化Caなどの薬剤を病変内(膿袋)に入れる治療」

より

【歯の中の細菌を徹底的に除去して数を減らす治療】

を行った方がリスクも少なく治る確率は高くなります。

 

歯内療法専門医はどうすれば治るか!?ということを大原則に行います。

   

私の尊敬する先生が、先生は『「治療」と「作業」は違う』とおっしゃられていたのを思い出します。

 

悪くなってしまった歯の根管治療は非常に手間がかかります。

また、術式によってはエビデンスの低いリスクの高い方法も存在します、

外から見ると同じ歯科医院という看板ですが、施術内容は各歯科医院でマチマチです。

 

根の問題は歯内療法専門医を頼ってもらうのが個人的にはベターだと思います!

ただ、専門医といっても全て治せる訳ではないのですが・・・(p・Д・;)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

神経の無い歯の保存は3ピースの治療の質

レントゲンを撮らせてもらいました。

2019 EEdental O1.jpg

細菌感染して膿んでしまい、なおかつ健康な歯の部分が少ない歯

  

この歯を長く保存させるには

1、ルールに従った根管治療で徹底的に菌の排除

2、残り少ない歯の補強と新たに菌の入らないような緻密な接着・充填

3、段差の少ない・適合の良いクラウンの製作

 

この3つのピースの治療全てが上手く行かないと歯の保存は出来ません。

 

精度の良い・悪いとは何基準とするのか!?

 

私の場合は、全て顕微鏡でのチェック&治療で行っています。

そうすることで裸眼では分からなった単位での治療が行えます。

 

従来の手の感覚で行う奥歯の治療ではどうしてもエラーが出やすく

今回のようなレントゲンの歯は「抜歯」というのが一般的になってしまうかと思います。

  

悪くなってしまった歯ほど手間と時間をかける必要があります。

 

自分の歯を保存したい人、抜いてインプラント、入れ歯でいいと思っている人

患者さんによって価値観は様々なので、もし自分の歯を保存したいという患者さんは

EEデンタルとマッチングしていると思います。

 

いやいや、今回のケースも色々勉強させていただきました!( ・∇・)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

意外に多い根管の見落としと 0.06mmの道具を駆使する根管治療

歯の中にある神経管

部位ごとに大体本数が決まっており、

前歯:1~2本

小臼歯:1~3本

大臼歯:1~6本

と目安になるものはあるのですが、

実は2本でも神経管が寄り添っており手の感覚では1本に感じたり

Y字になっており、途中から2本に分岐したりするケースもあり簡単な治療ではありません。

 

見逃しはないことが理想なのですが、いかんせ発見の難しい歯というのは顕微鏡でも強拡大

(私の顕微鏡でいえば13倍ぐらい)で見ないと発見できないことも多々あります。

  

 

例えば、先週のケースの場合

2019 EEdental N0 (1).JPG

DSC04671.jpg

髄腔開口を終えた所 だいたい開けた穴は3mm以内

この黄色い丸の部分約1mmの部分から

 

拡大後

2019 EEdental N0 (2).JPG

3本の神経管が現れました。(本来の髄床底から下に1.0~1.5mm削っています)

DSC04674.jpg

*NCを入れて観察(ドライの状態だと3根見えません。*レンズ効果)

 

  

この歯はかなり難易度が高いケースで、穿通・拡大に45分近くかかりました。

先端が0.06mmの#06&先端が0.08mmの#08を駆使してガイドを作り、超音波、オリフィスオープナーで上を探り、

#10穿通後ニッケルチタンで拡大  

 

因みに、口蓋根(P根)は太い神経だったので、1分で根管拡大は終わりました。

 

 

 

 

神経の治療で神経管を探すというのは、

「3畳の部屋の真っ暗な床の上に10円玉数枚落としました。全部拾ってください。」

と同じようなものですから、現実取り残しは出てしまいます。

 

今回の患者さんのケースも、手の感覚で行う根管治療では仕方がないという見落としケース

2019 EEdental KF (1).JPG

2本の歯に病変が見られますが、治療を行うと、

 

 

2本のうち手前の歯は神経管が2本あり、まんま1本手づかずの状態でした。

2019 EEdental KF (2).jpg

そこをきちんと治療してみると綺麗に病変は治ってくれました。

 

この下顎の小臼歯は10~20%の歯に2本の神経管が見られます。

今回のケースも入口は1つで途中の辺りで2つに分岐していた「Y」字です。 

2本ある思って治療を行うのか、1本しかないと思って治療を行うのかで発見率は変わってきますし

今回のように途中から分岐するようなケースには顕微鏡がないと見つからないこともあります。 

というか「見つからない」! 

 

ただ、これ部屋に何枚落ちているか?

知っていると強いですよね!

専門医は歯の位置でだいたい出てくるだろう10円(根管)の数を知っているので

その点は取り残しが少なくなります。

ホント根の治療は細かい作業の連続です!( ・д・)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

極々稀にある流注膿瘍

以前のブログ

http://eedental.jp/ee_diary/2009/11/post-2.html 

 

治療から10年後のレントゲン

2019 EEdental T.jpg

かなりいい感じで治ってくれています。

 

現在であれば術前にCBCTなどで診査しているケースですが、

この当時は正放線、偏心投影の2枚のデンタルで診断していました。

 

ホント歯科って診断あっての、治療だなと感じた一症例ですね( ゜ー゜)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

Home> 歯内療法日記: 2019年11月アーカイブ

購読
Powerd By

Return to page top