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意外に多い根管の見落としと 0.06mmの道具を駆使する根管治療

歯の中にある神経管

部位ごとに大体本数が決まっており、

前歯:1~2本

小臼歯:1~3本

大臼歯:1~6本

と目安になるものはあるのですが、

実は2本でも神経管が寄り添っており手の感覚では1本に感じたり

Y字になっており、途中から2本に分岐したりするケースもあり簡単な治療ではありません。

 

見逃しはないことが理想なのですが、いかんせ発見の難しい歯というのは顕微鏡でも強拡大

(私の顕微鏡でいえば13倍ぐらい)で見ないと発見できないことも多々あります。

  

 

例えば、先週のケースの場合

2019 EEdental N0 (1).JPG

DSC04671.jpg

髄腔開口を終えた所 だいたい開けた穴は3mm以内

この黄色い丸の部分約1mmの部分から

 

拡大後

2019 EEdental N0 (2).JPG

3本の神経管が現れました。(本来の髄床底から下に1.0~1.5mm削っています)

DSC04674.jpg

*NCを入れて観察(ドライの状態だと3根見えません。*レンズ効果)

 

  

この歯はかなり難易度が高いケースで、穿通・拡大に45分近くかかりました。

先端が0.06mmの#06&先端が0.08mmの#08を駆使してガイドを作り、超音波、オリフィスオープナーで上を探り、

#10穿通後ニッケルチタンで拡大  

 

因みに、口蓋根(P根)は太い神経だったので、1分で根管拡大は終わりました。

 

 

 

 

神経の治療で神経管を探すというのは、

「3畳の部屋の真っ暗な床の上に10円玉数枚落としました。全部拾ってください。」

と同じようなものですから、現実取り残しは出てしまいます。

 

今回の患者さんのケースも、手の感覚で行う根管治療では仕方がないという見落としケース

2019 EEdental KF (1).JPG

2本の歯に病変が見られますが、治療を行うと、

 

 

2本のうち手前の歯は神経管が2本あり、まんま1本手づかずの状態でした。

2019 EEdental KF (2).jpg

そこをきちんと治療してみると綺麗に病変は治ってくれました。

 

この下顎の小臼歯は10~20%の歯に2本の神経管が見られます。

今回のケースも入口は1つで途中の辺りで2つに分岐していた「Y」字です。 

2本ある思って治療を行うのか、1本しかないと思って治療を行うのかで発見率は変わってきますし

今回のように途中から分岐するようなケースには顕微鏡がないと見つからないこともあります。 

というか「見つからない」! 

 

ただ、これ部屋に何枚落ちているか?

知っていると強いですよね!

専門医は歯の位置でだいたい出てくるだろう10円(根管)の数を知っているので

その点は取り残しが少なくなります。

ホント根の治療は細かい作業の連続です!( ・д・)

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