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歯内療法日記: 2020年5月アーカイブ
根管治療で入れたガッタパチャーは無くなる時もある
- 2020年5月27日 09:00
- 歯内療法日記
以前書いたガッタパチャー(GP)のこと
http://eedental.jp/ee_diary/2019/07/post-1929.html
この中で書いた
・吸収する(痩せる)
極稀にこんなこともあります。
2011年 歯茎が腫れてきたという40代の女性患者さん
チョロチョロっと詰められたGP、 長いメタルポスト・・・
患者さんに説明を行い
基本、第一小臼歯は2本の神経管があるので、その2本を探し清掃後にGPを入れました。
セラミッククラウンSet後、
根管治療がうまく行き、症状もなくなり骨の方も出来上がってくれています。
また、今年に入り奥歯の歯が浮いた感じがするとのことで、
医院にあったレントゲンを見てみると。
「?」
GPが無くなっている!?
CBCTで無くなったGPの根に問題があることを確認して、この歯も根管治療をさせてもらい
ほぼ手づかづのMB,MB2を探し根管治療
昔のクロロパチャー(GPをクロロホルムで希釈したもの)などは
根充後はしっかりレントゲンで見えるのですが、経年的にレントゲンで確認できなくなります。
こんなこともたまに起こっていることがありますが極稀のケースですが、報告まで
患者さんの歯この後経過観察をしていき、治癒傾向があればクラウンの作成をしていきます!
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クラウン治療の保障期間
- 2020年5月22日 09:09
- 歯内療法日記
EEデンタル 部分的に保障を設定しています。
http://eedental.jp/ee_diary/2012/07/post-569.html
この保障という言葉が悪いのか、「5年間は問題が出ませんよ」という意味ではなく、
クラウンなどは外れたり、かけたりした場合
5年間は初診代だけ頂く形になりますが、再セット、再作成の費用はかかりませんというものです。
*多くの不具合は噛み合わせ(噛みしめ・歯軋り)によるものと思われます。
ただ、極まれに(年に1本ぐらい)クラウンを入れた後にこんな事例もあります。
患者さんは50代女性
「虫歯を治したい、銀歯を白く治したい」とのことで来院
レントゲンを撮ると、
根尖病変もないししっかり土台も入っているので今回は根の再治療なしに
セラミッククラウンを入れましょう。
と治療方針を出させてもらいました。
基本的に根管治療はできる回数が決まっています。
問題のない歯を触ることで歯の寿命を一気に縮めてしまうこともあると私は考えますので、
今問題なさそうな歯であれば患者さんに話して根管治療なしでクラウンを入れることをしています。
ただ、この辺りは先生、歯科医院毎に判断の分かれる所で、自費のクラウンを入れるのであれば
根管治療をセットで行うという判断もあります。
今回の歯、メタルポストの軸が本来の根管の軸とは異なるのが少し気になるが・・・
「触らぬ神に祟りなし!」
で、クラウンSet後のレントゲン
*クラウンSet後はセメントの取り残しをレントゲンで判断しています。
たまにこのように取れたと思っても残留していることがありますのでレントゲンで一度チェックを行います。
で、この状態でフィニッシュしたのですが・・・
2年後、「何となく浮いた感じがする」とのことで来院
レントゲンを撮ると・・・
あら!? 根尖病変が見られます。。。
2016年時は問題ないと判断していた歯に・・・
患者さんに
根管治療が必要であることメタルコアの軸がおかしいのでパーフォレーションリペアが必要になるかも!?
と説明し2回法で根管治療
首の皮一枚でパフォは無かったですが、たぶん裸眼でメタルコア除去をしたら・・・
根管治療は顕微鏡下での治療がベターです。
仮歯を入れ
半年経過すると骨も出来てきており、症状も改善してくれました。
その後、再セラミッククラウンSet
問題なく経過してくれています。
今回のケース
根管治療費+土台+仮歯 の治療費は頂きましたが、
5年保障のセラミッククラウン代はEEデンタルで負担を行いました。
なぜ以前セラミッククラウンを入れる際に根管治療をしなかったのか!?
私は歯を長く使うためには!?というのを基準に考えますので、不要と思われる根管治療は行いません。
それによって稀にこのようなことも起こってしまいます。。。
このようなことにならないように患者さん側から「根管治療してくれ!」と言われれば
普通に根管治療をおこないますので、もしこのようなことが心配であれば言ってきてください。
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歯の先からファイルが飛び出すファイル破折
- 2020年5月15日 09:03
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
昔、右上6の治療方針をお話しさせて頂き
大きな金属が入っており、私が治すとしたら
「神経を残したままハイブリットアンレーorセラミッククラウンのどちらか」
と説明させて頂き。
費用面の問題で他の歯科医院で治療されるとのことでした。
基本的に私は昔同級生に言われた
「お願いされた患者さんだけ全力を尽くせ!」
*性格的に私は仕事を拾いに行きトラブルになるタイプらしいので、
客観的に説明をして治療する・しないは後(家)で患者さんに決めてもらえばいいというスタンスでやっています。
年に3回ぐらいしているカルテ整理の際に、
「あぁ~、あの患者さん来なかったな」と思うぐらいで、
連絡があればまた普通に診ますし患者さんに怒るようなこともありません。
で、レントゲンの患者さん
2年後に何か変ということで来院、レントゲンを撮らせて頂くと
「何でやねん。。。」
・なぜ神経を取ったのかな・・・!?
⇒ 症状のない歯の神経はだいたい残せます。(虫歯が神経に近いのはケースbyケース)
・なぜ折れたファイルが5mm以上飛び出ている!?
⇒ 作業長の測定ってしているのか・・・
・なぜ、フェルールがあったのにメタルポスト3本!?
⇒ 現在2壁以上の歯質が確保できていればメタルポストは入れなくていいという見解です。
・なぜこの根管治療でメタルボンド(自費治療)!?
⇒ 強靭なメンタルをお持ちの先生で・・・
ファイルが折れてしまったとの説明は一切なかったようなのです。
患者さんには「問題はあるが今はこのままにしておきましょう」
「腫れや膿が出るようになったら再治療はするが次の治療がこの歯の最後の治療になる」
ことを話しました。
で、
2019年 コアごとクラウンが外れたと連絡があり見せてもらうと
ファイルが折れた根に根尖病変
*この間に右上4・5・7はEEデンタルで治療させて頂きました。
来院時、他の先生が応急処置で仮の蓋がしてくれています。
歯茎の上にほぼ歯なし・・・
何のためのメタルポスト×3だよ。
個人的に思うのは、
抜髄後はレジンをきちんと接着処理すれば金属の土台(ポスト)を入れる必要は感じません。
*金属の土台を入れるためには歯を大きく削ってしまというデメリットがあります。
今回患者さんには残す方向でトライさせてもらいました。
ただ、ファイルは歯の外に出ているので根管治療では除去不可能なこと
ファイル自体は感染源にならないので、無理に取る必要はないこと
うまく治らなければ外科的歯内療法を行い、その際ファイルの除去も試みると説明
再根管治療
MB2が出てきましたのでその部分も綺麗に治療を行いました。
*もしかしたら手づかずのMB2が感染源かも!?
仮歯を入れ経過観察
1年後
症状などは全く無くなり、綺麗に骨が出来てきてくれています。
この状態までくれば自費のクラウンを入れても問題は無さそうです!
*外に飛び出たファイルはこのままにしておきます。
たまたま保存できそうですが、自費治療の歯科医院選びだけは慎重にね。。。(>。<)
歯科医師は全て同じに見えますが、先生の得意分野(歯を残すのが得意)は異なります。
先生の得意分野ぐらいは知っておいた方がいいですよ。
EEデンタルの提供できる歯科治療
http://www.eedental.jp/treatment.html
歯の保存を考える人にヒントとして
「歯科保存学会」や「歯内療法学会」などに属していれば歯の保存に力を入れている1つの指標になります。
専門医制度などもあります。
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歯内療法専門医が行う「基本に忠実な根管治療」
- 2020年5月 9日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
歯に痛みがあり、近医を受診
根の先の根尖病変を指摘され、さし歯を取らずに根管治療を始めるも
痛みが取れず激痛が出ることも・・・
*過去にはフレアーアップも起こしたそうです。
そんな処、痛みのあるまま次回根管充填を行い根管治療を終えると言われ、
心配になりEEデンタルへ
現在の症状を聞くと、
「常に違和感あり、歯が動いている感じがする」とのこと
レントゲンを撮ると、
中程度の根尖病変があり、長期間あった為か歯根吸収も見られる・・・
治療中ではあるが、過去のガッタパチャー(GP)ポイントのカスも見られる。
*後の顕微鏡治療で水酸化Caでないことを確認
私が大学の頃の教科書的には
高価なクラウン(セラミッククラウン)が入っているような場合は「外さず根管治療」 or 「外科的に歯根端切除」
と書かれていましたが、
個人的にはですが、過去に神経を取りクラウンが入っているような場合は
クラウンからきちんと外して根管治療をすることを勧めます。
理由はクラウンを外さず虫歯を残したまま治療しても問題が起こることが多いです。←経験者
また虫歯が進行すると将来的にクラウンが外れ二度手間になるからです。
まず歯を残したければ、大原則である「根管治療の失敗は細菌感染によるもの」ですから、
菌の巣窟である上の虫歯の除去なしには治療は成立しません。
さて、今回の患者さん
遠方であったこともあり、仮歯を準備して長めに治療時間を取り
【1回法で根管治療】
クラウンを外すと案の定、虫歯で歯はドロドロに溶けており、
中には多量のGPのカス
根の先ばかり削っていたのか、根尖は#70まで拡大されていました。
*個人的な意見ですが、根の先を大きく削るよりまずは歯の上の問題から処理した方が治癒率は高くなります。
虫歯をきちんと取ってから、根管内を治療をする
基本ルール・原則に乗っ取って初めて治癒する可能性が出てくるわけです。
ラバーダムや顕微鏡はそれを助けるものであり、道具・設備がいいから治る訳ではありません。
ただ、今回の歯・・・
根尖が非常に歪な吸収所見があったので、患者さんには「治らなければ【外科的歯内療法】を行う」
と術前時に説明していましたが、根管治療だけで治る可能性もある為、仮歯で様子をみていくことに
その間、反対側の同名歯も根管治療
こちらも1回法で根管治療
こちらは以前の治療で根尖(根の先)はそれほど触られていなかったので
通法通りガッタパチャーで根管充填
*側切歯は根管治療の失敗の多い歯ですから気をつけてください。
仮歯で生活してもらい経過を見ていくと、
・3か月後 :痛みは少なくなったがたまに違和感が右上2にある
痛む回数は減っている。
・1年後 :極たまに気になる程度
レントゲンで診査
右上2(痛みが大きかった歯)
1年後 :根の先の黒い部分が小さくなってきており骨が出来てきています。
左上2
こちらも問題なし!
両方とも治癒傾向が見られたためセラミッククラウンSet
経過のレントゲン
たまたまですが両歯とも綺麗に治療が終わりました!
前歯ですから何とか残したいですよね。
そんな時は基本に沿った根管治療を行う「歯内療法専門医」を頼った方がいいですよ(・∀・)v
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どうする外部吸収!?(根管治療⇒外科的レジン治療)
- 2020年5月 2日 09:02
- 歯内療法日記
50代の女性患者さん
歯茎から膿が出てくるとのことで来院
*ここ最近は暖かいもので痛みが出てくるとのこと
レントゲン、CBCTで診査すると・・・
外部吸収・・・
外部吸収とは破歯細胞という体の細胞が歯をムシャムシャ食べてしまう状態のことで、
吸収された場所(凹み)に細菌感染が起こると腫れたり膿が出てきます。
基本私は吸収があっても、症状が無い限りそのまま経過観察するのが歯を最も長く保存できる方法だと割り切っていますが、
今回のように腫れたり、膿がでたりと
この状態になると何らかの処置をしないいけない状態です。
CBCTで吸収されている場所を確認すると、頬側側の骨縁上に吸収が見られた為
2mmの穴から根管治療を行い ⇒ 外科的に吸収部を削除+レジン充填
患者さんに抜歯になる可能性含め一通り説明を行い、歯の保存を行う方向で治療スタート
まずは根管治療
2mm以下の穴から根管治療
*現在この小さな穴からの根管治療用のファイルを試しています。
歯の神経は死んでおり、1滴も出血がありませんでした。。。
次に歯茎を開いて外科的にその凹みを修復(レジン)
出来ることは全てやった!
後は経過観察
半年後のレントゲンでは問題なさそうです。
口腔内
綺麗な歯肉の色で腫れや膿などは出ていません。
基本、「内部+外部吸収」は治療が難しい難症例が多いです。。。
http://eedental.jp/ee_diary/2018/01/2018.html
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