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歯の先からファイルが飛び出すファイル破折
- 2020年5月15日 09:03
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
昔、右上6の治療方針をお話しさせて頂き
大きな金属が入っており、私が治すとしたら
「神経を残したままハイブリットアンレーorセラミッククラウンのどちらか」
と説明させて頂き。
費用面の問題で他の歯科医院で治療されるとのことでした。
基本的に私は昔同級生に言われた
「お願いされた患者さんだけ全力を尽くせ!」
*性格的に私は仕事を拾いに行きトラブルになるタイプらしいので、
客観的に説明をして治療する・しないは後(家)で患者さんに決めてもらえばいいというスタンスでやっています。
年に3回ぐらいしているカルテ整理の際に、
「あぁ~、あの患者さん来なかったな」と思うぐらいで、
連絡があればまた普通に診ますし患者さんに怒るようなこともありません。
で、レントゲンの患者さん
2年後に何か変ということで来院、レントゲンを撮らせて頂くと
「何でやねん。。。」
・なぜ神経を取ったのかな・・・!?
⇒ 症状のない歯の神経はだいたい残せます。(虫歯が神経に近いのはケースbyケース)
・なぜ折れたファイルが5mm以上飛び出ている!?
⇒ 作業長の測定ってしているのか・・・
・なぜ、フェルールがあったのにメタルポスト3本!?
⇒ 現在2壁以上の歯質が確保できていればメタルポストは入れなくていいという見解です。
・なぜこの根管治療でメタルボンド(自費治療)!?
⇒ 強靭なメンタルをお持ちの先生で・・・
ファイルが折れてしまったとの説明は一切なかったようなのです。
患者さんには「問題はあるが今はこのままにしておきましょう」
「腫れや膿が出るようになったら再治療はするが次の治療がこの歯の最後の治療になる」
ことを話しました。
で、
2019年 コアごとクラウンが外れたと連絡があり見せてもらうと
ファイルが折れた根に根尖病変
*この間に右上4・5・7はEEデンタルで治療させて頂きました。
来院時、他の先生が応急処置で仮の蓋がしてくれています。
歯茎の上にほぼ歯なし・・・
何のためのメタルポスト×3だよ。
個人的に思うのは、
抜髄後はレジンをきちんと接着処理すれば金属の土台(ポスト)を入れる必要は感じません。
*金属の土台を入れるためには歯を大きく削ってしまというデメリットがあります。
今回患者さんには残す方向でトライさせてもらいました。
ただ、ファイルは歯の外に出ているので根管治療では除去不可能なこと
ファイル自体は感染源にならないので、無理に取る必要はないこと
うまく治らなければ外科的歯内療法を行い、その際ファイルの除去も試みると説明
再根管治療
MB2が出てきましたのでその部分も綺麗に治療を行いました。
*もしかしたら手づかずのMB2が感染源かも!?
仮歯を入れ経過観察
1年後
症状などは全く無くなり、綺麗に骨が出来てきてくれています。
この状態までくれば自費のクラウンを入れても問題は無さそうです!
*外に飛び出たファイルはこのままにしておきます。
たまたま保存できそうですが、自費治療の歯科医院選びだけは慎重にね。。。(>。<)
歯科医師は全て同じに見えますが、先生の得意分野(歯を残すのが得意)は異なります。
先生の得意分野ぐらいは知っておいた方がいいですよ。
EEデンタルの提供できる歯科治療
http://www.eedental.jp/treatment.html
歯の保存を考える人にヒントとして
「歯科保存学会」や「歯内療法学会」などに属していれば歯の保存に力を入れている1つの指標になります。
専門医制度などもあります。
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