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根管充填剤にガッタパチャーを綺麗に入れる意味!?
- 2019年7月 9日 09:01
- 歯内療法日記
今回も先日書いたブログ同様に「虫歯で神経が死んでしまったケース」
前回のブログ「なんとか残せた膿の止まらない歯」
http://eedental.jp/ee_diary/2019/07/post-1928.html
神経が死んでしまいなかなか膿が止まらず・・・
外科的歯内療法まで併用させていただきました。
さて、今回は30代男性
私がレジン治療をしたのですが、レジンが大きく外れてしまい
外れた後に時間が経過した為に詰め物の下に大きな虫歯ができてしまいました。
再治療をさせてもらうと・・・
虫歯が大きく進行しており・・・
虫歯の除去後に神経が露出 ⇒ 直接覆髄を行い歯髄保存を行ったのですが、
http://www.eedental.jp/mta.html
神経が死んでしまい歯ぐきから膿が出てきてしまい再来院
レントゲンを撮ると、歯髄保存した歯が原因で膿が出てしまっています。
患者さんに説明を行い神経の治療スタート!
1回目の治療後、
患者さんの都合で3カ月来院出来ず、3カ月後の治療2回目のレントゲン
2回目の来院時には歯ぐきからの膿も出ておらず、
黒く骨の溶けた病変所見には治癒傾向が見られ、だいぶ骨が出来てきてくれています!
(無くなった骨が出来てきてくれています)
「薬」も入れていないのに!?
我々歯科医師は最終的なガッタパチャー(ゴム)を「薬」 と表現しますが、
実はこれ空間を埋めておくだけのもので殺菌や治癒促進効果などの薬効は殆どありません。
じゃあ、何で「薬」と表現するのか!?と言われれば患者さんに簡単に説明をする為にです。
私は患者さんに「じゃあ、今日は最終的なゴム詰めますね!」と言いますが、
決まって「ゴム!?」
となりますので薬と表現した方がいいのかもしれませんね。。。
日本には怖い呪縛があり・・・
http://eedental.jp/ee_diary/2018/12/post-1848.html
ゴムを綺麗に綺麗に先端までという基準で根管治療が評価されています。
後、毎年1~2人
先生に「GPが根の先まで入っていないからやり治した方がいい」
「GPが先端まで入っていないから将来悪くなるから治療した方がいい」
⇒ 痛みが出て半年近く根管治療を行っている ⇒ 転院
というパターンがありますが、「これも治療しなくてよかったんじゃないかな!?」と思ってしまいます。
(触らぬ神に崇りなし! 痛くない歯を本当に根の治療をした方がいいのか?歯内療法専門医聞く方がいいと思います。)
さて、このガッタパチャー(GP)、
トロープ先生は「現在の歯内療法の弱点は、根管充填にガッタパチャーを使用すること」
と話されていますが、これは大賛成で、ガッタパチャーの欠点は
・経時的に劣化する
・吸収する(痩せる)
・接着性がない
・滅菌できない *因みに私はGP滅菌できないので、マスターポイントは次亜塩素酸に漬け置きして消毒しています。
・歯の外に出ると除去できない
・薬効がない(菌を殺す力がない)
・細菌繁殖の足場になる(バイオフィルム)
・圧を加え詰める必要がある
利点は唯一
・再治療の際に除去できる
のみ!
じゃあ何でこんな欠点だらけのもの入れるの!?
理由は、ガッタパチャーに変わる材料の開発が遅れている為。
次の材料にはMTA、バイオセラミックなどが挙げられますが、これらの最大のデメリットは除去できない。
つまりこれが主になると根管治療は1発勝負で、日本の根管治療の成功率50%以下ではこれらの材料は超危険!
(再治療なしに抜歯 ⇒ インプラント)
根管治療の失敗は「菌」なので、まずはこちらに配慮をした根管治療(ラバーダム、隔壁、仮封をしっかり)を受けられるべきです。
では、話を戻して
治療2回目 あれだけGPを悪く書いているにも関わらず、
1回目の根管治療でしたので再治療ができるように「ガッタパチャー」を根充剤として選択
MTA入れて悪くなったら外科的歯内療法で治療というのも1つなのですが、
私はなるべく外科したくない派の歯内療法専門医なので・・・
今回のケース治癒傾向は既に出ていますが、この後も経過を診ていきます。
以上、色々なことをダラダラ書かせてもらいました(・∀・;)
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