Home> 歯内療法日記 > ビッグパーフォレーション×2 (歯に穴が開いた歯の保存)
ビッグパーフォレーション×2 (歯に穴が開いた歯の保存)
- 2015年1月26日 22:05
- 歯内療法日記
昔から、
「歯茎から膿が出続ける」とお困りの患者さん
赤丸の部分の骨が溶けており、根管治療がうまく行っていません。
また根管治療後のかなり太い土台により歯に穴が開いているようです。
多くの患者さんは、
歯の治療とは毎回同じ条件下で治療を行っていると思われがちですが、
実は治療の度に歯の寿命は減り、治療の成功率は低くなって行きます。
(だから、歯を長持ちさせたければ1回目から最善の方法を選ぶべきなんです)
今回のケースなどは、治療の限界を既に迎えてしまい、
『次の治療=抜歯』という状況でした ( ノω-、)
ただ、患者さんの希望は何とか【歯を残したい】。。。
患者さんには抜歯が第一適応だが、歯内療法を専門にする身としては、
「チャレンジケースで治療してみたい!」
「ただ、うまく行かない可能性の方が高いこと、またオプションの治療もいくつか必要になる」
と術前時説明させてもらい、患者さんに承諾をもらい治療スタート( ・д・)
術中
金属の土台を外すとやはり歯の側面に大きな穴(パーフォレーション)が・・・
しかも2つ。。。
(術前予想では1つだったのですが^^;)
これは細菌が起こした問題ではなく、医療行為によって起こってしまった医原性疾患
歯の治療、特に根管治療は0.1mm単位での仕事が要求されます、
歯の中の真っ暗闇の中で0.1mmの単位の仕事になりますから、このようなことは起こってしまいます。
ただ、1990年代の歯内療法革命により顕微鏡が登場したことによりこれらの問題というのは
起こさないように治療を行えるようにはなってきています(^ω^ )/
*顕微鏡下で慣れた先生が行えばの話です。
1回目の治療で2か所の大きな穴を「MTA」にてパーフォレーションリペア
その後、膿も無事止まり、側面の大きな穴が感染の出口・原因になっていたようです。
術後3カ月
少しずつ骨ができあがってくれているようにも見えます、また生活の中でも全く問題なく使えているとのこと。
もう後3か月(治療後6カ月)仮歯で生活してもらい、問題がなければ本歯にして行きたいと思います。
治ってくれたらカッコいい症例の1つになりますね!ヽ( ̄∇ ̄)ノ
パフォレーション説明
- 購読
- Powerd By