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虫歯治療後に大きく腫れ抗生剤の点滴
- 2020年9月 8日 09:08
- 歯内療法日記
患者さんは10代女性
1カ月半ほど前に近医で虫歯治療(レジン)を受ける
お盆に驚くほど顔が腫れてきた為、歯科口腔外科を受診
口腔外科でPerによる骨炎と判断され、抗生剤を点滴で投与
同時に腫れた歯茎を切開し膿を出す為ドレーン挿入
*腫れが大きい場合の緊急処置になります。
3日後には腫れは収まり、口腔外科の先生にEEデンタルを紹介される。
来院時
綺麗にレジンが詰めてあります。
が・・・、
レントゲン
赤丸:部分に骨の溶けた所見(今回の腫れを起こした部分)
紫の丸:レジン治療がしてありますが、中はがっつり虫歯が残ったまま・・・
黄色の丸:前の歯にもかなり大きな虫歯が・・・
さて、どうする!?
患者さんとお母さんに説明を行い
第一小臼歯はAIPCを行い歯髄保存を試みる(ダメなら後で抜髄)
第二小臼歯、神経の治療+土台+レジン充填(一回法)
今回の腫れは虫歯の大きかった部分を触ったことにより、神経が死んでしまい起こってしまった為と推測できますが、
個人的にはですが、どうせ治療を行うのであればきちんと虫歯は削っておきたい派です。
術前⇒術後
側枝から感染が外に出たようで、側枝部分にシーラーが入っています。
治療時間:2時間
次回前の歯のAIPC(非侵襲性歯髄覆罩法)と第二小臼歯近心(*)のレジン治療を行います。
(*)歯の強度の低下を考え近心辺縁隆線の保存を行います。
虫歯の治療を行うと、何本かに1本ぐらいの割合でこのように神経が死んでしまうことがあります。
これはどんなに上手な先生が行っても起こりうることです。
一応私は術前時に神経が残せそうな歯に関しては、
「今回は神経を残す治療をトライしますが、ズキズキ痛みが出たり、温かい物で痛みが出る場合は処置が違うという体の反応なので、その症状が出てしまったら神経を取ります」
と話させてもらって神経保存を行いますが、
やはり虫歯の大きな歯の神経保存の予知性は低くかなりカケのような治療の側面があります。
ただ、直接覆髄より間接覆髄の方が成功率は高く予知性が高いので、
若い患者さんには「AIPC」を行っていますヽ( ̄▽ ̄)
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