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その手術必要!?【穿通なし ⇒ 外科的歯内療法!?】
- 2020年9月23日 09:12
- 歯内療法日記
痛みが続くという40代の患者さん
レントゲン
第一大臼歯6番のMB根に根尖病変が見られます。
後に7番の痛みも出てしまい歯髄保存治療を行いました。
根管治療を行いましたが、各根石灰化で根尖まで届きませんでした。。。
因みになんですが、歯内療法専門医と言っても
スタイルは様々で診断も異なります。
以前AAE(アメリカ歯内療法学会)で講演を聞いたアメリカの歯内療法の先生は
根尖病変(+) 根尖まで穿通(-)の場合
外科的歯内療法で根尖病変を取り除くそうです。
私の歯内療法専門医としてのスタイルは、
根管治療後6カ月~1年ぐらいまって外科的歯内療法が必要か判断します。
多くの患者さん、多くの一般開業の先生は
【根の先まで治療しなくて大丈夫か!?】
こう思われると思います。
この話は、講演用スライド
根の先まで掃除出来た場合は成功率が90%とありますが、
根の先まで治療しなくても、開けれた所までを徹底的に綺麗にすれば69%の治癒報告もあります。
私は成功率が30%と言う処置であれば、次の処置も早々に考えますが、
成功率が60%以上あれば待つことをチョイスします。
とりあえず開けれる所までを綺麗に清掃
根管充填は軟化ガッタパーチャー
*MB根のイスムスも綺麗に除去しています。
因みに、講演スライドの右上のレントゲンのように
Hファイルなどでゴリゴリ削って本来の神経管とは違う場所に穴を開け、
そこが感染した場合の成功率50%以下・・・
と本来の根管とは違う場所に穴を開けると、更に問題を作ってしまいますので注意が必要です。
*つまり無理に削ることは害でしかない
歯内療法専門医は、どのようなチョイスをすると成功しやすいか!?
どのようなことをしてしまうと都合が悪く、成功に導けないのか!?
などを知って治療を行い成功率を上げます。
今回のケースの患者さん
今月に入り本歯を作りたいと来院されたのでレントゲンを撮らせてもらうと、
病変は綺麗に治っており、これであれば外科的歯内療法はせずにすみそうです。
ただ2年半も仮歯は止めてね・・・
仮歯の目安は1年~1年半
私は外科は積極的なタイプの専門医ではなく根管内で治したいタイプの専門医です。
が、
実は、今月1件全く同じように穿通出来ず、病変が治るかみていたのですが・・・
違和感が出た後に腫れてきてしまい外科的歯内療法を行いました。
http://www.eedental.jp/endo.html
このケースはまたの機会に報告します。
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