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マニアックレジン: 2021年9月アーカイブ
大きな虫歯の予後が悪い場合
基本私は虫歯や過去の詰め物が大きくても神経を残す方向では治療を行います。
ただ、神経付近まで削った歯や過去に大きく削ってあった歯というのは
イメージ的に20本に1本ぐらいの割合で、術後症状が出てしまい
神経が死んでしまうことがあります。
ですから、虫歯の大きかった歯などの治療後には患者さんに
「持続する大き目の痛み」「温かいものを食べた後に痛みが持続する」場合は
今回の治療が間違えていると体が教えてくれているので、神経を取る処置が必要となる場合があるのでEEデンタルまで連絡してください。
とお話しています。
今回の患者さん
40代女性 虫歯の治療を希望
最近多い、縁下深い部分まで削ってあるインレー・・・
こんな部分に虫歯など無かったと思うのですが。。。
見えなくて勘だけで削る治療をするとこうなってしまいます。
保険治療であれば仕方がないとは思いますが、再治療する側としてはホントこれ勘弁してもらいたい。。。
治療後3カ月
痛んできたと来院され、診査すると神経が死んでしまっていました。
この歯は治療前から多少揺れがあり、気になってはいたのですが・・・
電気を流しても生活反応が無い為、神経の治療を行うことにしました。
詰めたレジンに2mm程度の穴を開け根管治療
根管治療+レジン充填後
なるべく神経を残す方向では治療を行いますが、
どうしても術後に痛みが出てしまい、神経が死んでしまう歯は存在します。
逆に言えば虫歯が大きくても残せる神経も多く存在します。
虫歯が大きかった患者さんにはその都度、痛みが出たら神経の治療が必要になることを説明させて頂きます。
神経の保存は難しい。。。(>。<)
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暫間的間接覆髄(AIPC:非侵襲性歯髄覆罩)
- 2021年9月17日 09:02
- マニアックレジン
今回は最近セミナーの質疑応答での質問で多い歯髄保存ネタ
歯髄保存に関しては昔から色々やってきました。
今では知られたMTAによる直接覆髄法のHPなどを最初に作ったのは、
EEデンタルではないかなとも思っています。
(開業当時、歯髄保存なんて自費で扱う治療ではありませんでしたし、歯髄保存自体マニアックな先生が好んでする治療の代表格でした)
ただ、自分の中でもトレンドがあり、色々聞いて勉強していくと
歯の神経を取らない為の『歯髄』の勉強 - EE DENTAL_Blog
直接覆髄前に出来ることが色々あり、今は大きな虫歯で最初に治療が出来る場合は
『間接覆髄法』がメインになっています。
極端な話、虫歯というのは全て取っている訳ではなく
術者がこれは大丈夫だろうという曖昧な基準の元治療は行われています。
専門的な話をすると虫歯は6層に分類され
上から下(神経付近)に向かい
「多菌(たきん)層」
「寡菌(かきん)層」
「先駆菌層」 ←ここまで除去する必要あり
「混濁層」 ←これより下は残しても大丈夫!?
「透明層」
「生活反応層」
と別れ、教科書的には混濁層付近から下は残してもよいとされています。
ただ、これは机上の空論でどの部分が〇〇層など分かって削っている訳ではありません。。。
しいて言うと、う蝕検知液は混濁層付近から染まらないというものです。
だから、1つの指標として「う蝕検知液」は使うべきなのですが・・・
ただ、これも万能ではなく「えっ、ホントに!?」と思うことがあります。
どうみても歯が柔らかく、これ虫歯でしょ!?という部分も染まらないこともあります。
つまり虫歯の除去は術者の匙加減な訳です。
私も昔はかなり積極的に神経付近の虫歯の除去を行っており、その為露髄(神経が出る)
⇒MTAで直接覆髄という構図でしたが、
経験を重ねると、どうしても神経付近まで削った歯の予後は短期、中期で見た時に悪く
何とか神経を残す方法はないかと試行錯誤してきました。
自分の中で今と昔で大きく異なるのが、歯髄付近の虫歯の取り扱い
このまま削ると「露髄しそうだな・・・」と思う場合は
虫歯を多少残したまま行い「シールドレストレーション」、「AIPC」を選択することが多くなりました。
*直接覆髄も行いますが、頻度は減っています。
先に言っておきますが、顕微鏡下で慎重に行う、
裸眼でう蝕検知液も使わず行う「シールドレストレーション」、「AIPC」とは別物と思ってください。
何故か!?
覆髄系(神経保護)治療の成功へのポイントは緊密な封鎖です。
講演でも話しましたが、覆髄系の治療は「どら焼き理論」で中のあんこがはみ出ないように完全に封鎖する必要があります。
つまり神経付近の虫歯以外は徹底的なカリエス除去と即日の接着封鎖が肝です。
今回の患者さんは40代男性
レジンが詰めてあったのですが、明かに下に大きな虫歯が残っていました。
術前の白い所がレジン、虫歯が予想していたより大きく露髄が怖く途中でレントゲンを撮った所が術中
黒い扇肩の部分が虫歯だった所
これ以上虫歯の除去を行うと、露髄しそうなのでAIPCを行いました。
AIPCはタンニンという薬剤の力で柔い虫歯部分を固い歯(修復象牙質)に替えるという方法です。
AIPC後レントゲンで経過を見ていき、リエントリーの時期を探りました。
保存学会のガイドラインでは3~6か月で修復象牙質が出来るとあるのですが、
個人的には過去半年でリエントリーしたら、露髄させてしまった経験があるので、
1年は待つようにしてレントゲンで神経が死んでいないかだけチェック
今回の患者さんは他の部位のインプラント治療もあった為、
インプラント治療がひと段落したタイミングでのリエントリーを予定しました。
リエントリー時
非常に硬い修復象牙質に代わってくれています!
レジン充填
レントゲン
綺麗に治療出来ていると思います。
巷では、神経を残す為に色々な薬剤、器材が存在します。
私が歯科医師になって、そのような商品がいくら出たでしょう!?
ただ、その多くは流れ星のように無くなります。
つまりまがい物で本物ではないということです。
歯科の原則はいたってシンプル、「削って詰める」
そこに薬剤の力を借りるか!?になりますが、個人的には薬剤の力というのは
間接的な副因子であり、成功の為の大きな因子は未来も大きくは変わってこないと思います。
日本の場合、保険治療の治療費が安すぎる為、海外から自費治療の名目化の為に
色々薬剤が入ってきていますが、薬剤を使ったから特別成功率が上がるとは思えません。
またネット検索される患者さんもまんまと疑わしいHPのうたい文句と最新器材に踊らされている気がします。
今回AIPCで使用した薬剤も保険治療で認可されている非常に安い材料です。
以前も書きましたが、人間の体のルールは未来永劫大きく変わりません。
つまり、原理原則、ルール、法則を知ろうとしている歯科医師の治療の方が予知性は高い気がします。
以上、歯髄保存の今の勘所でした。
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全顎治療
患者さんは30代男性
プラスチック治療(レジン):10本
歯内療法:3本
フルジルコニアクラウン:3本
主訴であった左下7
親知らずの影響で歯茎の中から大きな虫歯が出来てしまい神経が死んでしまっていました。
何とか保存の方が出来ました!
なるべく悪くならないように毎日の歯磨き頑張ってくださいね!(・∀・)
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レジンの境界線上の着色
- 2021年9月 8日 09:03
- マニアックレジン | EEデンタル こだわり
歯科の修復材料にはそれぞれにメリット、デメリットが存在します。
また治療する先生によりお勧めする材料も変わってきます。
私はなるべく無用な歯質の切削は避けたいと思っているので、
詰めれるケースであればレジン治療を勧めますが、レジンのデメリットとして挙げられるのが、
1、吸水し、変色など劣化してくる
2、レジンと歯の境界線に着色する
という点です。
歯科治療は代替治療で、無くなった自分の組織を人工物で置き換えしているだけですから、
人工物と自分の歯の経年劣化に差があり、10~20年後には多くの場合でやり直しの時期になります。
レジンの着色ですが、これは臨床を行っていると患者さんの口腔内の環境にもより大きく差があることを感じます。
先日来院して頂いた患者さんですが、開業以来1,2,を争うぐらい綺麗に行っているケース
私は歯周病の治療をしていないので、メンテナンスなどは一切していないのですが、
メンテナンスしてもらっている歯科医院が上手なのか、治療した時よりかなり綺麗になっています。
またレジンの境界線にも着色が一切見られません。
逆に着色が付きやすい人だと、6か月後にはうっすら褐線(茶色の線)が出てきます。
褐線はラバーダムやエッチングをすることで発現率を減らせるとの報告がありますが、
2次因子としては患者さんの口腔内環境にも大きく影響されるなぁと感じます。
レジン治療は大きく削らない治療の為、歯とレジンの境界部が歯茎の上にくるので
どうしてもセラミックに比べると審美性は落ちてしまいます。
長期間の安定した審美性を求められる方はセラミッククラウンで治療をお勧めします。
*ただレジンに比べるとかなり大きく健康な歯を削りますので、その点は知っておいてください。
後、2次カリエスはレジンでもセラミックでも人工物と歯の境界線から虫歯が発生しますので
どんな治療法でも継ぎ目をよく磨いてくださいね。(・∀・)ノ
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何年歯を残したいのか!?
- 2021年9月 7日 09:00
- マニアックレジン | EEデンタル こだわり
患者さんは50代女性
3カ月前に歯茎が腫れかかりつけの先生に「歯が折れているかもしれない」と説明を受け、
その時は抗生剤の服用で様子をみた。
2週間前から歯がグラグラしてきたとのことで来院
見せてもらうと
太い金属の土台が入っており、セラミックの前歯が折れています。
金属の土台は歯より硬い為、噛み合わせによってはこのように歯の方が負け
歯が折れてしまうことがあります。
ファイバーコアなどを使用しておくと、逆に歯より土台の方が弱く
土台の方が折れ、歯が守られることがあります。
患者さんには「抜歯が妥当」と説明
ただ・・・
外傷歯⇒外科的レジン治療後 + 根管治療(Per)×2 - EE DENTAL_Blog
こんなことで残したこともあるけどね! と説明
患者さんは少しでも残せる可能性があるのであればトライしたいとのことで
歯内療法+外科的レジン+仮歯 の治療を行い
その後、経過観察
1年仮歯で過ごしてもらい
腫れ、痛みなく順調に経過
患者さんにこの状態であればいつでも本歯作りますよ!
ただ、隣在歯がメタルボンドで歯の色がグレー感が強いので
EEデンタルのジルコニアフレーム+セラミックでどこまで色合わせができるか・・・
患者さんも前歯を入れた時に、暗い色味で気になっていると言われるが、
他の問題ない歯(セラミック)は今は触らない方がいい。
将来的にこの歯がダメになった際に前歯の色を変えた方がいい
と説明させてもらい。
前歯をセラミッククラウンで治療を行うことに
印象時
排膿などは見られません。
セラミッククラウンSet
負担を与えない為にかみ合わせを少し低めで作成
レントゲン
綺麗に出来ています!
患者さんには、固い食べ物に注意、歯肉をよく磨くことを説明
患者さんも喜んで帰って行ってくれました。
5年、欲をいうと10年このまま経過してくれればと思います!
かなりイレギュラーな治療ですが、今はこの方法が自分の中ではベターではないかと思っています。
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