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【歯内療法専門医】特別な薬剤を使わない根管治療
- 2021年9月24日 09:08
- 歯内療法日記
患者さんは60代の女性
2年前にクラウンを入れた、その後ホワイトニングをしたら左下に
痛みが出てきた為、左下の神経の治療が必要とのことで抜髄を行った。
その後一旦は痛みが治まったので1年前にクラウンを入れたが、
入れたとたん痛みがぶり返してきてしまい、嚙むことも出来なかった。
2020年12月から再根管治療を行い始めたが、そこから痛みが常に続いている
2021年5月にB歯科医院に転院し根管治療を続けるも痛い。
その後、浜松のF歯科医院に転院し先生に
「僕でも治療できるけど、一度歯内療法専門医のEEデンタルで診てもらった方がいい」
とのことで、EEデンタルへ
来院時の症状は、
何かに突かれている感じがあり、夜になると顎の方まで脈打つように痛みがある。
指で押さえると痛い、今は特に常に痛い、痛みで寝れない。
とのことで痛みにかなり悩んでいるよう
レントゲンを撮ると
2回目の根管充填がしてあり、特に大きな病変もない
痛みが大きく、治療期間も長い為「非原性歯痛の疑い」もあることを説明
治療方針としては、現在の状態だと隔壁に隙間がありそこから感染している恐れがある為、
まず菌が入らないような環境下で治療を行い
半年治療しても改善がない場合、神経系の科で薬で治してもらう必要があることを説明
患者さんの了承を得て治療スタート
1回目の治療で隔壁をやり直し、中のGPを除去後
根の先が大きく削られているのを確認後、徹底的に次亜塩素酸ナトリウムで洗浄
次の治療は1か月後にインタビューのみで歯は触らないことを説明
1か月後のインタビュー
「治療後2日目から痛みは治まり、普通にしていると今は痛みはない」
「よく寝れており、かなり改善してきているとのこと」
「ただ、咬むと痛い」←咬まないように指示
*根管治療中の歯では咬まない方がいいです。
じゃあ、また1か月後にきてもらい「更に痛みが引いていれば最終的な薬を詰めます」
と説明
更に1か月後
「夜の痛みもなくなり、左の顎全体が痛かった痛みも無くなった」
「指で押さえると多少の違和感」←これも止めるように指示
*気になると、指や舌で触りがちですが、これも不要の刺激を与えていることになるので止めてください。
改善傾向がある為、根充して、土台+仮歯で様子を見ていくことに
根の先が#60ぐらいまで削られていたのでMTAをチョイス!
綺麗にMTAが入っています。
この後、半年後にレントゲンを撮ってクラウンを製作する予定です。
あれだけ痛みに困っていた患者さんなので、1回の治療で劇的に改善したことで
【先生は何か特殊な治療や薬剤を使用しているんですか!?】と質問されましたが、
『いや、スタンダードな治療のみですね、たぶん、Aさんの場合頻繁に治療し過ぎですね』
『治したいからと言って、頻繁に傷口消毒と称して針で傷口を刺激を与えていてはそら体も治りませんよ』
『私がやったのはキッチンハイターのような消毒剤で幹部を消毒して、体の治そうとする力を利用しただけ』
と説明
患者さんは凄く不思議がっていましたが、私が行うのはどの患者さんも同じスタンダード(標準)治療
逆にこの方法で治療を行い6か月経過しても痛みの改善が全くない場合は「歯の治療だけでは痛みは取れない」
と判断します。
歯科治療って、ホントに色々な治療法や薬剤がでてきますが、結局その多くが眉唾というか
特殊な薬・方法で治るケースは、スタンダードな治療法でも治る気がします。
*スタンダードな治療とはモンダンエンドで、日本古来の旧式根管治療法とは異なります。
痛みに困ると、ネットで藁をもすがる思いで特殊な治療法に期待をしてしまいますが・・・
殆ど宗教と同じような非科学的な世界に入って行きます。
帰りがけに患者さんに
「私は、ここの歯科医院を教えてもらえてホント幸せだった」
とおっしゃられて非常に嬉しそうに帰られました。
ただ、今回のケースはたまたま治っただけで、痛みが治る患者さんもおられますし、
痛みが取れずペインクリニックに行ってもらう患者さんもおられます。
特殊な治療法を選ぶより、まずはスタンダードな治療を行う歯内療法専門医に根管治療のトラブルは頼った方がいいと思いますよ( ̄ ̄▽ ̄ ̄)
以上、たまたま痛みが短期間で取れたケースでした。
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