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EEデンタル こだわり: 2021年11月アーカイブ
3mmと17mmのミラーを使用した虫歯チェック
- 2021年11月26日 09:18
- EEデンタル こだわり
2015年に顕微鏡学会で発表させて頂いた動画出てきました。
2枚の鏡を使用して虫歯のチェックをしています。
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親知らず周りに食べカスが詰まりやすい人は要注意
- 2021年11月24日 09:08
- EEデンタル こだわり
患者さんは40代男性
以前横向きに生えていた親知らずの影響で
第2大臼歯の遠心麺に虫歯が出来てしまっています。
この部位の虫歯は一番歯科医師が治療しにくい場所の虫歯で非常に予後が悪いです・・・
一般的な方法で言うと、咬合面からアプローチして「インレー(アンレー)」
ただ、この方法健康な場所を犠牲にする割にはミラーテクニックがないと
見えないブラインド操作がかなり多くなるので、虫歯を残したままの治療が多くなってしまいます。
*ミラーテクニック:鏡に映しながら削る方法(鏡に映すと上下反転・左右逆転現象が起こるので慣れが必要)
2番目の方法は比較的虫歯が大きいので、
神経を取り大きく削りクラウンで修復する方法
この方法も第2大臼歯ということで根管治療の難易度も高く
隔壁という、壁を作る手間も増え予後が良い方法とは言いにくいです。
患者さん的に見れば
こんな感じで、反対側から削ればいいのでは!?と思われるはずです。
そう、このシンプルな発想!非常に大切で、
錦部製作所の
EENOスフィア・EENOボール形状 | 歯科器具職人|究極の超音波スケーラー用チップでのスケーリング (nishikibe.co.jp)
という道具で治療をする訳ですが、
この方法もある部分に虫歯の取り残しが出やすくなるので、
私はう蝕検知液+ダブルミラーで虫歯のチェックを行い
2枚の鏡で合わせ鏡の原理を使用
(*むか~し、顕微鏡学会で報告した覚えがあるのですが動画探せれば後日アップします)
追記:動画YouTubeにUPしました。
この方法は、こんな感じで穴の上の部分に虫歯の取り残しが多くなりますので
17mmと3mmの鏡を使用してチェックします。
で、削った所にはレジンを充填!
神経手前まで虫歯が広がっていましたが、何とか歯髄の保存ができました。
以上、全く一般的な方法ではない虫歯治療の1例でした。
こんな方法もあると知っているだけでも歯科医院選びは変わってくると思います。
自分の歯を長持ちさせたければなるべく大きく削らない方法がベターです。
先日も同じような虫歯を治したいと他県から医科の先生が来院されましたが、
ネットで病院を探す時代だなと感じます(・ε ・)
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わざと虫歯を残す治療法「シールドレストレーション」
- 2021年11月19日 09:00
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
患者さんは40代男性
昔からEEデンタルへ来て頂いている方で当院の治療方針をよく熟知している方
ただ、この方、非常に虫歯になりやすい体質で、
今回は何かちょっと右上がおかしいと来院されました。
口の中を裸眼で覗いても特にはおかしくないように見えたのですが・・・
レントゲン
歯と歯の歯茎よりから虫歯になってしまっております。
この部位からの虫歯は発見が非常に難しく、レントゲンでの審査が有効になります。
ピンクの線が神経で、黒い部分が虫歯。
ただ、虫歯がレントゲンより一周り~2周り大きいのが現実
つまり通常の虫歯治療を行うと、確実に神経を取る治療に・・・
ただ、残したいですよね神経!
因みに、この患者さんの最初の来院(11年前)の目的は「神経を残したい」でした。
患者さんには、とりあえず神経保存の方向での治療を行うことを説明
私の神経保存の条件は臨床症状がない(痛む、温かいもので凍みる)です。
幸い軽い違和感を感じる程度だったので、
この場合、私は「シールドレストレーション」 or 「AIPC」
という間接覆髄系の術式を選択し患者さんに説明
最近はあまり直接覆髄はしません。
理由は直接覆髄法は間接覆髄法に比べ成功率が低いから。
例えば、今回虫歯を多少残しても10年神経が保存できたら、
10年神経を取る治療を先延ばしにできます。
「歯を残すことを専門」にしてきて歯を長持ちさせる方法は
①できるだけ神経を取る処置をしない
②健康な神経を取るのはできるだけ先延ばしにする
この2がポイントです。
覆髄系の勉強は、
泉先生の「治る歯髄 治らない歯髄」という本が素晴らしいです!
歯学書ドットコム | 治る歯髄 治らない歯髄 (quint-j.co.jp)
患者さん向けに怖いことをいうと、
虫歯除去というのは術者の匙加減で
虫歯は6層構造といのが今の考え方で
虫歯菌が多い>>>>>>虫歯菌が少ない に分かれます。
菌の多い上から4層目まで除去しましょう!
というかなりざっくりとした基準がありますが、これもどこまで信頼できる基準なのか!?
またやっている歯科医師はどこが2層目なのかどこから4層目と5層目の分かれ目かなどは全く分かっておりません。
じゃあ歯科医師は何を基準に虫歯を取っているのか!?
答え、歯の固さ
*柔らかい所=虫歯 固い所=健康
そう、かなりアナログな方法でアナログ故の個人差・技術差も出やすいものなのです。
今の歯科材料で虫歯除去使えるものは、
『う蝕検知液』(虫歯の部分を済め出す液)は4層目まで染まるとされています。
ですので、う蝕検知液を使用している歯科医師は手の感覚+視覚的な虫歯の確認をしている丁寧な治療をしています。
ただ、経験上で言うと染まらない虫歯、染まりすぎるような虫歯もあり、あくまでも目安です。
また、う蝕検知液を使うと、本来削らなくていい層まで削ってしまうという考え方もあります。
もう虫歯除去はカオスです(爆)
虫歯治療の1つの例えでは、
裸眼で適当には虫歯の2層目まで削って詰め物をする先生
顕微鏡で検知液を使いガンガン削り6層目付近までしっかり虫歯を除去する先生
患者さん的には後者の先生の方が予後が良さそうに思えますが・・・
深く削れば神経付近まで削ることになるので、深く削った方が後で症状を出しやすく結果神経を取る!
ということも言えます。
つまり逆に虫歯を残した方が神経保存には予後がいいという矛盾!
私も以前は虫歯を残す「シールドレストレーション」否定派でしたが、
今は顕微鏡下の緻密な封鎖ができれば全然あり!だと考え方が変わっています。
自分の子供も同じような虫歯でシールドレストレーションを行っています。
カリオロジーの大野先生との飲み会もいいきっかけになっています。
治療方針の差 と 選択肢の1つであるべき短縮歯列(SDA) - EE DENTAL_Blog
シールドレストレーションとは、
「虫歯菌のエントーム(生き埋め・埋葬)」
ポイントは、覆髄の基本「封鎖を確実に行う」こと
今回のケースも神経付近だけ局部的に虫歯を残し
「シールドレストレーション」で治療を行いました。
神経付近は神経を出さないように顕微鏡下で慎重に削れる所まで削り、
マージン部分(縁)の虫歯は徹底的に虫歯を除去しレジンの封鎖性を追求
文字に起こして簡単に書いていますが、かなり手間のかかる治療で
これを保険治療でと言われても断る先生が大半だと思います。
私も勤務医時代の保険治療ではこのレントゲン見た瞬間に
「神経の治療(根管治療)と銀歯の治療になります」と120%答えていたケースです。
神経の保存など考えもしなかったです。
理由は手間をかける割には覆髄系の治療は不確定要素が多く、予後が悪いと患者さんに下手の烙印を押される治療ですから・・・
相当理解ある患者さんじゃないと。。。
今も神経の保存は積極的に行っていますが、神経の保存を行った後は患者さんには
「持続痛、温水痛(温かいものが凍みる)など出たら処置が間違えという体のサインだから抜髄します」と説明しています。
今回治療させてもらった患者さんが、2か月後に他の歯の治療で来院されたので
レントゲンを撮らせてもらいました。
患者さんは一切症状なく、かなり調子がいいとのこと
レントゲンでは神経が弱っているようには見えません。
短期予後なのでこの後、1年後にもう一度レントゲンチェックを行います。
歯科治療は虫歯の治療1つとっても奥が深い!
帰りがけに患者さんに、「年1回でいいから近くの歯科医院で診てもらってね!」と説明すると
患者さんが、「T先生(超有名な先生)の歯科医院でメンテナンス受けているのですが、院長先生に
『この治療痕は海外で治療されましたか!? どこの歯科医院で治療しました!?』」など色々聞かれて・・・
とのことで、私のことを言っても大丈夫か聞かれましたが、
適当に「その辺の歯科医院」と答えればいいですよ(笑)
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医療被曝大国日本!?
- 2021年11月16日 09:13
- EEデンタル こだわり
EEデンタル基本的にセカンドオピニオンはしておりません。
理由は歯科治療は色々な考え方、先生の得度・技術レベルでベターな方法が変わるのが常であり、
アドバイスをすることで余計に患者さんが混乱するので、
全て初診患者さん扱いで「私ならこう治療する」的な自分の治療法を説明します。
例えば、上顎大臼歯の近心頬側根(MB)に病変が見えた場合
大きく分けると、再根管治療、外科的歯内療法の2つがあります。
再根管治療であれば、まずMB2、イスムスを疑います。
ただし、そこは顕微鏡で確認しないと見えない場所です。
またMB2は髪の毛より細い神経管の場合があり、その場合技術とそこの細かな場所を掃除する道具が必要です。
髪の毛より細い道具を使った根管治療 - EE DENTAL_Blog
逆に言えば、その技術と道具がない先生にとっては外科的歯内療法の方が手間がかからず治せる可能性も高くなります。
つまり、同じ歯でも設備や技術レベルによって治し方が違うので
セカンドオピニオンを受けても特に私の得意分野はあまり意味がありません。
最近多いのが、何件か歯科医院を回られて来院される患者さん
別に何件目にEEデンタルに来られてもいいのですが、たまに言われるのが
「今年に入りすでに2回や3回CT撮っているのでレントゲンは撮りたくないです」
という患者さん
患者さんに言うのは
「最初に小さなレントゲンだけ2枚撮らせてください」
「だいたいそれで推測はできますから」
「小さなレントゲンはCTの被爆に比べ1/1000ですから、気にしなくていいですよ」
「逆に言えば、CT1回の撮影は小さなレントゲン1000枚撮ったに等しいので不必要には撮りませんから」
と説明します。
今月も同じようなことを2回言いました。
CBCTが保険導入されました。
今の保険点数は全く知らないのでネットで調べると
撮影料 600点
診断料450点
電子画像管理加算120点 合計 1170点(1万1700円)
3割負担の方の場合、 負担金は 3510円、
つまり1回撮るだけで1万円以上の利益が出ます。
個人的には、虫歯の治療、抜髄(初めての神経の治療)でいるか!?と思います。
追記:これは私が神経の治療ばかりしているのでおおよその神経管のパターンを体験しているので要らないと判断しております。
逆に言えば、その歯科医師は何の診断の為に行ったのか!?
ここは患者さんは知りたいですよね。
歯科医院自体、営利組織ですから多少の利益の追求というものは分かりますが・・・
あまり意味のない被爆、それも2件の歯科医院で!?
治療してもらう先生を探すのは患者さんの権利ですから、それは問題ありませんが、
転院することで色々自分も不利益を受けていること自体は知っておいた方がいいでしょうね。
EEデンタルでは、基本的にCTの費用は初診代や根管治療費内に含めています。
ですので、CTを撮ることで医院に利益は出ません。
撮っても、撮らなくても費用が変わらないので、意味のない撮影はしません。
内情を言うと、
7年前に1000万でCT買って、毎年25万の保守管理料支払っているのですが、
このやり方では機械代の回収は不可能。。。
ただ、CTは診断の凄い手助けになるので医院にはあった方がいい!
私がCTを撮る場合は、診断に困る場合やデンタルを見た時に直感的に違和感のある歯、
感染根管など先に隠れた根管やパフォレーション、根尖病変の大きさ形など知っておきたい場合のみに撮影さえてもらっています。
撮れば利益になるのであれば思考を停止して、
必要・不必要考えずに全員に撮れば、700~1000万もする機械代の回収は早くなります。
(まさに保険制度の闇ですね)
繰り返しになりますが、
CTは3Dで見ることが出来るので非常に有効なツールです。
ただし、もれなく大きな被爆をしています。
私が有効だと思うのは、外科的歯内療法やインプラントや親知らず、嚢胞などの外科処置時です。
次に、感染根管治療、痛みの原因が分からない場合
CTを撮る際には先生に「何の為にCTを撮るのか!?」聞いた方がいいですよ。
少なくとも歯内療法(根管治療)の世界では、最初に小さなレントゲン(デンタル)で診断
診断に困ればCTというガイドラインがありますので、最初からCTは撮らない方がいいです。
それと、画期的なCTの登場で根管治療の成功率が上がったか!?と言われれば
これが上がってないんですね~ (汗)
ますますCT撮る意味がボケますね^^;
年間どれだけ意味のないCTが撮られていることやら・・・(>。<)
気になったので書かせてもらいました。
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