歯内療法専門医のテクニック
- 2021年11月 6日 09:09
- 歯内療法日記
以前の関連ブログ
根管治療で必要とされる細部の治療 - EE DENTAL_Blog
レントゲン
近心頬側根に上顎洞を押し上げるような根尖病変
過去に2回根管治療がしてあり、薄い歯質と長いスクリューピン(ネジ)
このようなケースは顕微鏡下による確認と超音波によるコア除去が有効
術中の確認レントゲン
隔壁を行い、根管治療が可能な環境にして、問題のMB根の治療
結論的に言えば、
メインのMB根には大きなレッジ、イスムスの中からMB2を見つける。
『顕微鏡下でイスムスから隠れた神経管(MB2とMB根尖)を探す』
GP除去後にMB根の先には大きなレッジがあり、このままハンドファイルを回しながら入れるとパフォる!
ファイルをベンディングしてもオリジナルの根管にたどり着かない。
*パフォる:パフォレーションとは歯に人工的な穴を開けてしまうこと(医原性疾患)
イメージ図
ピンクの部分がGP
水色がオリジナルの根管
既に間違った方向に削っているので修正が必要だが攻めると歯に穴を開ける。
さてさて、ここから同戦略を練るか!?
また、イスムスが黒いのでこの辺りも感染源になっている可能性が高い
CBCTで確認した所石灰化しておりMB2はなさそうに見えますが・・・
こういう場合、私はまずイスムスの処理(MB2)から手を付けます。
実際、MB2は石灰化が著しくハンドファイルは入りません。
ただし#10のデブライダーは引っ掛かる場所がある!
⇒ MB2が出てくるかも!?
細い水色部分がMB2
イスムスに引っ掛かりがある場合、Ni-Tiで根管上部を1~2mm程度削ります。
(ブログを読んでいる若い先生はマネしない方がいいですよ^^;)
またデブライダーで怪しい場所を突く
Ni-Tiで上部を拡大(根管の軸に意識をしてファイルを入れる方向を決めます。)
その後#08で根尖まで道を見つけ、拡大
イスムス部分を処理すると、見やすくなるので、
その後、MB根のオリジナルも見つけ
これは僅か3mmぐらい幅の世界です。
また石灰化していた部分は0.1mm以下の単位です。
これは拡大視野を確保できる顕微鏡がないと無理です。
また顕微鏡があってもそこを攻める道具が必要です。
何より、大切なのは術者の経験値です。(解剖学的な位置関係から適切な攻め方を考えます)
まぁ、『運』もかなりのファクターを占めますけどね(笑)
根管充填のレントゲン
フィステルも無くなったことによりMTAで根管充填
術前時処理できていなかった2mmの根の先がきちんと処理できました!
遠方の患者さんだった為、仮歯で半年経過をみてもらい
術後6カ月 に来院してもらい話を聞くとあれから症状は一切なくなったとのことで
レントゲン
病変はかなり小さくなってきています( ゝз・)ノ
これだけ、病変が小さくなれば後は待てばどんどん骨は出来るでしょう!
以上たまたま上手く行った1ケースでした。
- 購読
- Powerd By