抜歯宣告をされた第2大臼歯
- 2021年11月27日 09:05
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
ずっと違和感があり、歯茎からは膿が出てくる。
近所の歯科医院の先生には「抜歯」と言われたとのこと。
レントゲンを撮ると、
過去に頑張った治療痕が見られ、結構太く根管内を削っているようです。
根分岐部(根と根の間)の骨も溶けているような根尖病変が見られますが、
たぶん前の先生もお手上げ状態で根管充填材は何も入れてないようです。
患者さんに先生が言うように残すには難しい状態だが歯を残す為に治療をトライしてみるか!?尋ね
患者さんの了解を頂き、根管治療スタート
予想通り、過去に治療で根管内は何も充填されておらず、かなり太く削られていましたが根管内はかなり汚れた状態
とりあえず1回目の治療で中を徹底的に洗浄し
3週間後の治療2回目
歯茎の膿も無くなり、痛みなどもない状態になったので根管充填+レジンコア
根の先が大きく開いていたのでMTAを使用
*近心根多少オーバー、遠心根はボイド
でも、私はこのぐらいは全く気にしません!あまり結果に大きな影響はないと考えています。
その後経過観察で5か月後
だいぶ骨が出来てきてくれています!
(外に出たMTAは吸収されているようです)
腫れや、痛みもないことよりゴールドアンレーSet
1年予後のレントゲン
不快症状も一切なく問題なく嚙めているとのこと、
レントゲンもかなり良い感じで骨が出来てくれています!
下顎の第2大臼歯は非常に複雑な神経管をしていることがあり予後の悪い歯です。
また根管治療は治療出来る回数が2~3回でその次は抜歯となります。
今回の患者さんも先生に抜歯宣告をされ、自分で何とか残す方法はないかネットで調べ
歯内療法専門医がいることを知り、県内から来院されました。
基本的に今の歯科の世界は「歯内療法専門医」というものはそこまで認知されておらず、
口腔外科医のように市民権を得ていません。
*歯内療法専門医の対応や取り決めがないことにも問題があるとは思いますが・・・
また田舎だと歯内療法を専門に扱う先生がいることを知らない先生もおられます。
(特に大都市でないと専門医はいないので仕方がないことかもしれません)
日本は保険治療が充実している為、近所の医院での治療が一般的ですが、
歯ほど取り返しがつかない分野もないので、上手な先生がおられれば多少の移動時間は目をつぶった方がいいと思います。
因みに私は極々普通の専門医レベルです(笑)
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