最近の抜髄根管形成
- 2016年2月16日 09:38
- 歯内療法日記
根管治療
神経を取る時にどのぐらい根管(細い神経)を削るか?
実はこれ、答えがあってないもので、先生毎に色々です。
太く削る先生もいれば、時間がないのか凄く中途半端に終わらせる先生もいます。
一般の人は不思議に思われると思いますが
歯科治療はその先生毎基準です。
几帳面な先生もいれば、効率重視の先生まで、また簡単に抜きたがる先生
選ぶのは患者さんです。
歯を残す為には根管治療中には細菌感染させないというのが最も大切で、
綺麗に削ろうが、いい加減に削ろうが細菌感染さえ無ければ
ぶっちゃけ歯は長く使える訳ですヾ(・з・)ノ
その為か、どのぐらい歯を削ればいいなのどの基準やガイドラインは存在しません。
むしろ今の私は、菌が入らないような環境下さえあれば、
冠部歯髄(神経の上の部分)だけ取って、根管内歯髄は取らない(下の神経は生かす)
「生活歯髄切断法」もありかなと考えています。
(神経って取らない方が歯の寿命って伸びるのでは?)
時間のかかる細い神経管は生かしたままでいいのでは?と
思いはじめています。
神経が生きていれば、虫歯が少し達していても細菌感染の多くは冠部歯髄の上に限局しています。
言うなれば、上の数%の感染かもしれない神経の為に全ての神経を取ろうとする行為が
そもそもの不幸の始まりではないか?
時間と治療回数がかかり結果細菌感染を助長させているのではないか?
安過ぎる根管治療を逆手にとれ患者さんの為になるのではないか?
*一応「生活歯髄切断法」は保険適応の治療法です。
悲しいかな、『日本の根管治療の成功率40%程度』と言われています〆(・∇・)
適応を検討して「生活歯髄切断法」が歯科医師、患者さん
お互いにウィン・ウィンの関係になれる気がします。
とはいえ、ベーシックな抜髄の最近の私の根管形成
・根尖(歯の先端)へ向けての連続したテーパー
(消毒効果を確保する為に最低06のNi-Tiで形成)
・根尖はなるべく削らない(必要最低限の形成 抜髄は菌がいない為)
(根尖径を大きくすると本来の根尖からズレる 解剖学的形態の維持)
・根管充填はオーバーはダメ!(特に抜髄はオーバー厳禁 成功率が低くなる為)
(私は作業長ー0.3mm程度にGPを設定)
・次に悪くなった際、私以外の先生でも診断・治療しやすいような配慮
で、結局はシルダー先生が大昔に提唱した
1、継続的に円錐形のテーパーを付与する
2、オリジナルな解剖形態を維持させる
3、根尖の位置を維持させる
4、根尖は可及的な範囲で小さく
に殆ど当てはまっている訳です。
話はそれますが、
シルダー先生の3:根尖の位置を維持させるは
「生活歯髄切断法」を行えば維持できます。
私がエンドに興味を持った頃にはシルダー先生はお亡くなりに
なられていましたが、シルダー先生に影響を受けた先生方から
その影響をモロに受けていることに気が付きます(笑)
しばらく【自称シルダー派】の看板は下ろすことはないような気がします(・Θ・)
以上、超マニアックな歯科ネタでした。
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