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自費治療の白い詰め物は予後がいいのか?
- 2016年7月 2日 08:50
- マニアックレジン
保険の銀歯は適合が悪く予後が悪いから、
1、セラミックインレー
2、ハイブリットインレー
にした方がいいなど聞いたことありませんか?
本当に 銀歯の予後は悪いのか?
私はセラミックインレー、ハイブリットインレー、銀歯の中で
どれが最も予後が安定させやすいか?と言われれば間違いなく
銀歯だと思います。。
先日私が治療させてもらった銀歯(ゴールドと同じ費用です)
非常に適合良く入れることができました。
*患者さんが、金色は見えるから嫌とのことでシルバー色(白金加金)のものを使用しました。
何故、正反対の答えか?
このからくりを言えば、
保険治療はありえないぐらい安い労働力で銀歯を作らなければなりません。
(ホント先進国の治療費とは思えない環境の中で保険治療が成立しています)
シドニー(オーストラリア)のバイト君の時給知っていますか?
1800円だそうです。
私が銀歯1つ作るのであれば、急いでも1つ3時間ぐらいかかると思います。
(銀歯は指輪を作るのと全く同じ流れです。)
で、保険の技工料金1つ1800円
どうでしょう?
国家資格の免許を持っている人間がバイト君より安い給与で働いています。
では、3時間で1800円で家族はどう養うのか?
はっきり言ってしまえば、
保険の銀歯はスタッフを雇って利益を出す為にはそこまで手間はかけていられません。
ですので、白い詰め物を勧めてくる歯科医院は保険治療の銀歯という選択肢を諦めてもらうように銀歯を否定するしかないのです。
*何度も書きますが、同じ費用で行えば銀歯も悪い選択肢ではありません
一方白い詰め物の売り込みが成功して自費治療になれば、治療費は10倍以上頂けるので
それなりに技工物に手間はかけられるようになります。
(世界的に見れば治療費は日本の自費治療が先進国の標準治療費です)
ただし、人の行うものですから技術のない粗悪なものも出てきます。
高いから安心できるには残念ながらなりません!
こんなこと言ってしまうと、
歯科医師のくせに金儲け主義といわれるかもしれませんが、
医療従事者も生活がありますし
「良い治療の末に倒産・過労死」しては働く意味はありません。
知っていますか?
歯科医院7万件はコンビニ5万5千件より多いといわれていますが
市場規模をでみてみると歯科3兆円 コンビニ9兆円
コンビニより多い歯科医院の経済規模は1/3という悲しい現実
歯科治療は1つずつのハンドメイドで量産が出来なので、
作り手の思いや技術というものをもっと消費者が認める、理解しないと・・・
ただし、歯科治療は人により出来上がったものに差は出てしまいますので、
一律に材料さえ選択すれば同じクオリティーものではありません。
最初に書いた、「自費治療で行った白い詰め物」で先日こんなことがありました。
白い詰め物を入れてメンテナンスまで行っていたのに虫歯があると指摘された。
レントゲン
確かに詰め物の下に虫歯様の所見があります。
せっかく自費治療で何万も払ったのに。。。
こういった歯ぐきの中の虫歯ほど顕微鏡(マイクロスコープ)が有用です。
レントゲン上で虫歯が大きかったので、5割の確率で神経を取るかもしれないと患者さんに伝え
セラミック治療・銀歯ならぬレジン充填
何とか神経を取らずに治療が行えました!
個人的には、
1、セラミックインレー
2、ハイブリットインレー
3、銀歯(金属修復)
より
【レジン充填】
の方が削る量を少なくでき汚染もなく、封鎖性もよく、予後の安定度などの点でベターな選択肢だと個人的には思っています。
詰め物は先生の得意度によって好きな材料、結果が出しやすい材料があります。
銀歯だから予後が悪いではなく、保険治療だからそこまで手間をかけていられないので結果として予後に不安が残りやすいという現実 を少しは患者さんも理解した方がいいと思います。。。
(世界の1/20~1/10の保険治療費では既に限界に来ています)
自分の体・歯よりペットの医療費にお金をだす国民って少し違和感ありません?
人の体より、お犬様、お猫様ですか。。。
以上
歯科医師がいってはいけないタブーに色々触れてみました(笑)
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