今年最大級のレジン充填
- 2016年7月17日 07:37
- マニアックレジン
レジン充填の昔の基準は
「咬む面の1/3ぐらいの面積なら」
という基準がありました。
つまり、かなり虫歯が小さなものがレジンの適応症であり
それ以外は銀歯やセラミック治療で行う感じでした。
しかし現在のレジンの接着はだいぶ進化しており結構強力になっています。
最近は大きな銀歯でも
レジンでチマチマ詰めています。
治療時間1時間45分 (治療費7万+Tax)
一般的な間接法(型取りをして技工士が作ったものを後日くっ付ける)に比べ
レジンによる直接法のメリットは
・その日に治療が終わる
・唾液・細菌汚染がない
・歯と詰め物が一体化する
・健康な歯を大きく削らずにすむ
http://eedental.jp/ee_diary/2015/11/post-1287.html
一方デメリットもあります。
・1回の治療時間がかかる(歯科医師の拘束時間が長くなる⇒他の患者さんが治療出来ない)
・間接法に比べ難易度の高い治療である
・医業収入が小さい(日本の歯科医療システムは歯を削るほど治療費が高くなります)
とデメリットはほぼほぼ歯科医院側の問題です。
歯科医院のデメリットが多い為、接着が進化してきた今でも
大きなレジン充填というものは一般的ではありません。
ただ最近のコンポジスト(レジン専門医)のトレンドは
「大きな詰め物でもレジンで治す」
になってきています。
日本の保険治療のように1000円程度の治療費ではありませんが・・・
私もより強力でエビデンスのある接着システムに見直し、
最近アンレーに関しては、
世界的にも接着のメルクマールになるクラレの「メガボンド」
その進化版の【メガボンド2】(高純度のMDP配合)を使用しています。
*1液性より2ステップの方が接着の信頼性が高い
メガボンド13年予後で保持率96%とのデーター
*MDPはハイドロキシアパタイトと安定した接着を示す
このMDPはクラレ製品が高純度とのこと
こんな取れない為の配慮をしつつ
「片手間コンポジスト」
の私はアンレーに手を出しています。
治療に来られた歯科医師の先生に
「可能ならレジンで治して!」と
下から1番目:
ゴールド インレーの横の歯がかけておりレジンでリペアしてある+虫歯(約4割が人工物)
と、
下から2番目:
セラミックアンレーが割れてレジンでリペアしている+虫歯(約7割が人工物)
「可能だったらレジンで治します、無理ならゴールドアンレー」
という前提で治療スタート
う蝕検知液を用いて虫歯を取り終わると
この黄色い部分を詰めることになります。
*黒い部分は虫歯ではありません。
虫歯=黒いではありません。
奥歯からレジンを詰めました。
コチラも頬側遠心咬頭が無くなっていましたがレジンで治療
さてさて、ここから大きく歯が無くなった奥から2番目の
レジンを詰めていきます。
そんなこんなで
無事レジンで治療が行えました。
術前⇒術後
レジン充填:http://www.eedental.jp/resin.html
治療時間:2本で2時間45分
治療費:14万+Tax(2本分)
*顕微鏡を2時間近く覗きながら0.1mm単位の治療になります。
午後はこの1ケースで疲れてしまい、
後は顕微鏡を使わずすむホワイトニングの患者さんの治療をして、
顕微鏡治療はできませんでした。
脳神経外科の先生が顕微鏡を見ながら
1日5人も手術しない・できない気持ちがよく分かります。
歯科医師の疲労度の面、医院の収入の面から見ても
患者さんの歯を犠牲にして大きく削ってセラミッククラウンというのは
ある面仕方がない部分があると思います。
*そうでないと、今の保険医療が成立しませんが確実に言えることは
保険治療は歯科技術の妨げにはなっている部分はあると感じます。
ただ、歯科医院を選べばこんな治療が可能な時代にはなっています(>ω・)ノ
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